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~エピローグ~ いつまでもあなたと

あれから月日が流れた。


半年休学した私は、元気になって学園に戻り無事にみんなと一緒に3年で学園を卒業した。

というのも、私とレンは学園に入る前にもう学業のほとんどを終えていたため、半年の遅れは全く感じられずちゃんと次席で卒業できた。

ちなみに主席はレンである。


「悔しいなぁ、レンに負けるなんて」


プリプリしていると、ジュローム様が僕の方がもっと悔しいですと言って睨んでくるので、ふふふ!私の勝ち!と言うとがっくり項垂れてしまう。

私とジュローム様とは僅差で次席を争い続け、休学中以外は私の方が次席をキープし続け、最終学力考査でも頑張って死守したのだ!

私たちの小競り合いを見ながらメアリアンが私は足元にも及びませんと苦笑いをしていた。


今日、私たちはこの学園を卒業した。

初めての経験をたくさんし、一生の友だちや気の合う学友に出会うことが出来た、実りある学園生活だったと思う。

ここもよく来たな~と、広い学園の庭を見渡す。

体力回復のためにたくさん散歩をした。

メアリアンと木陰でこっそり恋バナに花を咲かせたこともあった。

最後のお茶を芝生に座ってのんびり頂きながら、思い出に浸っていると後ろから抱きしめられ驚いて叫んでしまう。


「ごめんごめん。そんなに驚くとは思わなかったよ。お待たせ。最後の会長引継ぎも終わったよ」


あれから2年が経ちレンはますますかっこよくなり大人の色気が出てきた。

私たちにも色々あった。

昨年17歳になったときに、私たちの婚約を正式に発表した。

周りからは、婚約については別段驚かれることもなく、反対に「え、まだしていなかったの?!」と別の意味で驚かれた。

そして来月私たちは結婚する。


「やっと名実ともにリアを独占できる!」


と、レンは喜んでいるが、私は王太子妃が勤まるか心配でしかない。

でも、抱き締めてくれるこの人がいれば、頑張れるような気がする。


「さて、帰ろうか」


「うん」


芝生に座っていた私を抱き上げ立たせてくれると、左手を差し出し私の右手を握って引っ張って歩き出す。


「そんなに気を張らなくたって大丈夫」


「レン?」


「リアが頑張り屋さんなことはみんな知っているよ。無理して倒れられる方が困るからね。それに俺が一生リアを守るから」


これからもこの人の中では私は守るべき存在なのだろう。

でも、


「私もあなたを守りたいことを忘れないでね。一緒に生きていこう!」


私の言葉にすごく嬉しそうな笑顔をしてくれるレン。

私もレンに負けないくらいの笑顔を返した。


これからも、私はこの人とずっと手を繋いで歩いて行きたいと思った。









ファーレン・ルノア王の治世は大きな争いも起きず、ルノア王国一繁栄し穏やかな時代だったといわれている。

近隣国との関係も良好で特に東国との絆は強く、次代ミライ・ルノア王の王妃は東国出身だといわれている。

ファーレン王の王妃アルメリア妃は特に文化に精通し数々の功績が後の世にも伝わり、ルノア文化の開花に多大な貢献をされたという。

ルノアの花祭りでは今までに見られないほどの黄金の光と銀の光の祝福が受けられると噂になり、その輝きを見に国内外からたくさんの人が訪れ、その結果観光業が盛んになり、今現在も観光客が絶えない。

また市井でも人気のある国王夫妻でよくお忍びで、散策などを楽しまれたそうだ。

学生時代にはカップルコンテストに出場して優勝したとか、史実には載せられていないが、民衆の間では語り継がれている。

大変仲の良い国王夫妻だったそうで、ファーレン王はアルメリア妃を寵愛し、今でもルノア一の愛妻家と言われている。




「やっぱり素敵〜!!」


ルノア国の王立図書館で、国史の本を食い入るように読んでいた少女が顔を上げる。

ポニーテールに薄緑のリボンをつけ、大きな金色に近い琥珀色の瞳が印象的な可愛らしい少女は、壁にかけられた大きな姿絵を見てうっとりとする。

そこには今読んでいたファーレン王とアルメリア王妃が微笑み寄り添う姿が描かれている。

こんなカッコいい人にずっと愛されたら奥さんは幸せなんだろうなぁ〜

うっとりする少女の隣では翡翠の瞳の男の子が、姿絵を見る少女にゲンナリとした表情を向ける。


「そんなの見て楽しいのか?!」


「素敵じゃない!母様から聞いていたけど、とっても仲が良かったんですって!私にもこんな素敵な旦那様が現れるかしら?」


不貞腐れたようにしている幼なじみの男の子をチラッと見て微笑む。


「お前だけを大事にしてくれる人はどこかにいるんじゃないか?!」


ちょっと照れたように言う顔が赤いような気がするのは気のせい?


「しっかしそんな祖父さんのそのまた祖父さんくらい前の昔の話、どこまで本当かわかんないだろ」


「レントンは夢がないなぁ〜。乙女は素敵な恋バナが好きなものよ!」


俺にはわかんないなぁと言いながら、時計を見る。


「なぁ、アリア。おばさんに買い物頼まれてなかったっけ?」


「大変!!母様に頼まれていたパン屋さん閉まっちゃう!」


慌てて本を片付け二人は図書館を出る。


当たり前のように差し出されたレントンの左手をアリアは右手でしっかり握り、2人は楽しそうに手を繋いでパン屋に駆けて行った。







最後までお読みくださりありがとうございました。


一応これでアルメリアとファーレンの物語りはおしまいです。

今回のお話の裏テーマは「手を繋ぐ」でした。

私もずっと大切な人とおばあちゃんになっても手を繋いでいたいなぁと思ってますが、相手がどう思っているか?(苦笑)

きっとこの二人はせいの!で来世に向かう時も手を繋いでいたと思います。

いいなぁ〜


これでおしまい!と、言いたいとこですが花祭りのお話やレン視点の話など書きたいので、続話はまだ続きます。

よろしかったら、引き続き読んでいただけたら嬉しいです。


評価や感想を頂けると今後の励みになりますので、もしよろしかったら一言でも頂けると嬉しいです。


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