殿下からの
目覚めて2週間が過ぎた。
少しずつベットから起き上がり散歩などしながら体の調子を整え、体力の回復を行い、やっと昨日お医者様から明日から普段通りの生活をして良いと言われた。
やったー!明日から自由の身だ!と内心喜ぶ私に、『無理はしないように』と、言われたことは頭の片隅に置いておこう。
ウキウキする気持ちを抑えながら私付きのメイドのウタが来るのを待っていた。
お嬢様は勝手に起きて身支度はしないものなのである。
ノックの音共にウタが入ってくる。
「お嬢様、おはようございます。今日もお早いお目覚めですね」
ウタがベット脇のカーテンを開け窓を開けてくれると、朝の心地よい風が頬を撫でていくのが、気持ちがいい。
「今日のお召し物でございます」
鏡の前で着付けられたドレスはシフォンがたっぷり使われた、とても可愛らしいドレスで綺麗な薄緑とレモンカラーの落ち着いた色合いで、私にとてもよく似合っていた。
子どものドレスなので膝下ほどの丈で動きやすく、とても着心地が良い。
お嬢様だし豪華なドレスでもいいのだろうが、前世の倹約意識がむくむく湧き上がって来るが、今は公爵令嬢のアルメリアに慣れるしかないのかもしれない。
鏡に映る私にウタが感嘆の声をもらす。
「お嬢様にとてもよくお似合いです。さすが殿下からの贈り物ですわ」
「殿下?ファーレン様からの贈り物?」
「はい!お元気になられたらぜひ着てほしいと、昨日従者の方がお持ち下さいました」
ファーレン殿下は、毎日のようにお見舞いの品を送って下さった。
花に人形、お菓子に小物、時間を作って3日に1回はご自分で持って来て下さった。
殿下の持って来てくださるお菓子は私好みで、一緒にお茶をすることもあった。
何を話したらいいか分からず黙ってしまうことも多いけど、まだ体力の戻らない私に気を使ってか、2人で一緒にお昼寝してしまうことも多かった。
甘い雰囲気になるのは5歳といえどもやはり乙女ゲームの世界の補正なのかしら?!?




