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負けない私になるために、気分を変えてみようと思います

決めた!

自分に負けないって。

弱い自分は昨日まで。

変わりたい、変わろう。



「お嬢様、とてもお似合いでございます。いつもとはまた違った雰囲気で可愛いですよ」


「ありがとう」


まず強い気持ちの現れとして、髪型を変えようと思った。

ウタに頼んでいつも下ろしている髪を上げてもらい、ポニーテールにしてもらう。

本当は腰までのストレートをバッサリ肩まで切ろうと思ったが、お母様とウタに泣いて大反対され、切るのを諦めた。

短くしてしまうと来年までに間に合わないと言ってたけど、なぜ来年?

それに髪を切るのはレンも嫌がりそうだしね(髪をいじるの好きだもんね)

なのでポニーテールでちょっとしたイメージチェンジ!

大きめなリボンを結んでもらう。

リボンの色はもちろん薄緑にしてもらう。

制服を着て玄関ホールに降りると、カムロ兄様もちょうど薬学院に出勤されるところだった。


「おはようございます、カムロ兄様」


「おはようアメリー。髪型変えたんだね、似合っているよ」


「ありがとうございます」


女性へのお気遣いが紳士的なお兄様。

カムロ兄様はお友だちが薬師になられるために薬学への道を選ばれた時に、一緒に同じ道を進まれる事を決め薬学を学び、今ではお二人で薬学院の講師をしながら、新しい新薬について研究をされている。

そのお友だちも素敵な方で、攻略対象では無いけれどとても優しそうな雰囲気の、男性なのに女性的なお顔立ちをされた、美人さんという言葉がぴったりな方だ。

二人が新薬の話を寄り添うように話されているところは大変絵になり、お似合いと思ってしまう。

もしかして・・・?とお二人の関係を疑ってしまう事もあるけど、中々聞くことはできない。


「アメリー、殿下のお迎えのようだ。お先にどうぞ」


「ありがとうございます。いってきます!!」


「あぁ、気をつけて」


殿下の馬車が到着し、レンが降りてきて、カムロ兄様に軽く一礼をする。


「カムロ兄さん、リア、おはよう。リア髪型変えたんだね。とっても可愛いよ」


「ありがとう」


「殿下おはようございます。なんだか今、王都を騒がすピンクの輩がいるそうですが、アメリーをよろしくお願いします」


ピンクの輩?

私がはて?と首を傾げるがレンはすぐに意図を汲み取り私の手を力強く握りながら、


「もちろんです。全力で守ります」


「頼んだよ」


カムロ兄様に見送られ、レンと馬車に乗り学園に向かう。

先程繋いだ手を離さず隣に座る。

にっこり微笑み「おはよう」とキスをした。


「髪型とっても似合っていて可愛いよ。リボンも俺の色で嬉しいなぁ」


「///ありがとう。髪は本当は肩まで切っちゃおうかと思ったんだけど、お母様が泣いて止められるのでやめました」


レンはそれを聞いてビックリした表情の後、髪を一房掬い取り口づけながら、よかった〜と言っていた。

やっぱり髪は長いほうが好きなんだなぁ、切らなくてよかった。


「短いのが嫌なわけでは無いけど、リアの髪が風に靡き日の光を浴びてキラキラ輝いているのが、子供の頃から好きだった。それに、こうして中々出来なかったキスを髪にすると、真っ赤になって恥ずかしがるリアが可愛くてね。だから俺は長い髪のリアが好きだなぁ」


顔が赤くなるような事を平然と言うんだこの人は。


「昨日、俺たちが帰ってからフレイア嬢が学園に来たらしい」


「えつ!」


レンは私の髪の匂いを嗅ぎながら話し出すが、ちょっとこの話し方は変態っぽいのでやめてもらう。

渋々髪を指に絡める事で折り合いをつけ、レンは続きを話し出した。


昨日あの後起こったことを、レンと同じようにメアリアン様とジュローム様も変な感覚を感じ、メアリアン様が泣いてしまわれたことを、ジュローム様がフレイアのことを調べていることを、順番に話してくれた。


「メアリアン様は大丈夫なのでしょうか?」


「ジュロームがいるから、大丈夫だよ」


レンの胸に顔を埋め、メアリアン様の心配をする私の髪を優しく撫でながら、大丈夫とつぶやく。

レンもジュローム様も大切な人にはとことん甘い。

メアリアン様はフレイアのサポートキャラだから、フレイアの命令に基本的に逆らえない。

ヒーローのレンやジュローム様よりもその縛りは特に強いはずだから、とても強い力と葛藤したことだろう。


それにしても、ヒロインはファーレンルートに入ったのではなかったのだろうか?

ジュローム様にも接触してくるなんて、どういうこと?

もしかして狙いは大団円!?ヒーローハーレムを目指しているの?!

私もフレイアに接触したいけど、転生者ということは知られ無いようにしよう。

なんだか、このヒロイン・・・危険な雰囲気を感じる。

みんなを守りたい、そして私はこの人と幸せになりたいと心から思っているのだから。


色々考え事をし出し急に黙ってしまった私を、訝しげにレンが見つめていることに気づかなかった。

カムロ兄様のお友だちは、女の人です。

背が高くモデルのように足が長くスレンダーな体型で髪が短いため、アルメリアが男の人だと勘違いしています。

ドレスを着たら超絶美人です。

この時はまだお友だちです。

いつか周りの人たちのお話もかけたらいいなぁ、なんて思ってます。

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