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転生モブ令嬢の幼なじみはヒロインを御所望中  作者: いちご
本編・花祭り編レン視点(表記なしレン視点・その他視点名前入りであり)
131/134

僕の宿命 彼女の宿命

お待たせしました。

今月初の更新です。

お楽しみください!!

赤い空が少しずつ、夜の色と混ざり紫色になっていき、日が沈んでいく様子が伺える。

神たちは、自分の力が満ちているところでしか顕現できないのだという。


『だから、僕はそろそろ君の前から消えるね。フィーはまだいられるけど、』


『いやよ!コウがいないところにいたくないもの』


光の神の声に被せるように花の女神は言い切り、光の神の腕に自分の腕を絡める。

本当に仲がいい神々だ。


『これからいつでも僕たちは君のそばに現れるけど、アルメリアには僕たちのことは見えないからね。それを忘れずに!あと、今日は護衛も全て撒くように力を使ったけど次回からはしないね。彼らだって頻繁じゃ困るだろうしね』


くすくすと笑って二人は太陽が山に隠れ、日差しが陰っていくように、静かに消えて行った。



と、ともに周りの空間を煽っていた結界のようなものが消え急にジンやランバートの気配が感じられるようになった。

あぁ、これは非常にまずい状態だ。

なぜなら彼らだけでなくたくさんの気配が僕を探しているのが伝わってきて、空気を震わせるように焦りと怒っている気配がビシビシ感じられる。


さてどう言い訳をしようか・・・


(でもさぁ。これは、僕のせいじゃないんだけどなぁ)


大きなため息をつくと、頭に被せられた花冠を取り『もうどうにでもなれ!』と、花畑の中に大の字になって寝転がる。

どうせあと少しで迎えがくるだろう。

ジタバタしても仕方がないし、反対に移動してしまう方が彼らの逆鱗に触れそうだ。

見上げた夕空は青と赤の境目のコントラストが曖昧に混ざり合い一番星が輝きとても幻想的だった。


綺麗だなあ・・・


ぼーっと見上げている僕の目の前にぬっとキースの顔が覗き込んできて驚く。


「あ!ごめんキースのこと忘れてた。ってか、キースくすぐったいよ」


全く仕方ないなぁと言いたげに鼻を鳴らすとベロンと僕の頬を舐めてくるから、思わずくすぐったくて笑ってしまう。


考えることがたくさんできた。

僕が何者で、どうしたらいいか、これからの目標や生きる目的、背負わなければいけないことがら。


そして、彼女のこと。


僕とアメリーはやはり特別だったらしい。

王族にしか伝わっていないが、神々の色を持って生まれた者の逃れられない宿命。


僕はいい。

だって僕はこのルノアの王位継承権第一位の王太子だから。

生まれた時からそれなりの宿命は決まっていたし、神の継承者となったとしてもたいして変わらない。

ルノアに自分のこれからの人生を捧げることに何の戸惑いもない。


でも、アメリーは?!

普通の女の子の彼女が、そんな宿命受け入れる必要はないはずだ。


それなのに・・・


僕の心が魂が、一緒にその宿命を受け入れて欲しいと切望している。


「ほんと、勝手だよなぁ」


ボソリと漏れた言葉は、勝手に現れて継承者だなんだって言ってくる神に対してのものだったのか?

それともこの運命を共に生きたいと思う、身勝手な僕の心に対してだったのか?


キースに笑わされているように見えて、僕はもうお手あげでただ、ただ笑って自分の本当の気持ちを誤魔化すしかできなかった。


ジンに見つかり首根っこを引っ捕まえられ、王城に連行されてこっぴどく怒られるまで、あと少し。

夜の空に変わっていく花畑の真ん中で、キースと戯れるように笑うのだった。

お読みいただきありがとうございました。

若かりし頃のファーレンは、重い思いにまだ自分で自嘲できる段階です。

年齢が上がるにつれ、どんどん愛が重たくなっていきます。

元々執着がありましたからね。

アルメリアには頑張ってもらいましょう(笑)


読んでいただきありがとうございます。

ご感想をいただなると嬉しいです!


では、次のお話でお会いできることを!!

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