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転生モブ令嬢の幼なじみはヒロインを御所望中  作者: いちご
本編・花祭り編レン視点(表記なしレン視点・その他視点名前入りであり)
126/134

彼女の行動の理由がわからない

前回のアルメリア視点のファーレン視点です。


アメリーが消えた・・・



少し目を離した隙に、忽然と消えてしまった。


誘拐!


いやそれなら、ジンが見過ごすわけがない。

ということは、自分からどこかに行ってしまったということか?!


「ジン!」


呼ぶとスッと僕の後ろにジンが現れたのがわかる。


「アメリーはどこに行った?」


「あぁ〜、何というか・・・あっちに行かれたというか・・・」


奥の路地を指さし、何だか歯切れがすごく悪い言い方である。


「はぁ!!何言ってんだ!っていうか、それそのまま見逃してたの!」


「う〜ん、大丈夫というか、手出し無用と凄まれたとか。まぁ姫様は大丈夫だから殿下のとこにいていっかなぁ〜ってねぇ」


何がいいのか分からない。

イライラする気持ちを落ち着けて、アメリーの気配を探る。

先ほどジンが指さした路地の奥の方から気配を感じるため、僕をそれを頼りに走り出した。

アメリーの気配から、泣いていることが感じられる。


なんで泣いてるんだ?!

誰に何かされたのか?


「ちっ!」


「うわ〜えげつない舌打ち。姫様の前じゃ絶対しないくせに」


「うるさいなぁ。いないんだからいいだろ」


僕の後ろを走るジンに苛立ちをぶつける。

本当だったらジンに探させた方がすぐに見つかるのに、それを思いつかないくらい僕は焦っていたのだろう。

アメリーの気配を探りながら走っていたら別の気配が、アメリーのそばに急に現れたことに驚く。


誰だ!?


知っているようで知らないような気配。

アメリーの身に危険が迫っているのか?それとも助けなのか?

早くそばに行かないと!

焦る気持ちを抑え込み、アメリーの気配を見誤らないよう集中した。




細い路地をいくつも曲がり、走り続けやっとアメリーに追いつくが、知らない誰かの首にしがみつくように抱きついているのが見えた。


「アメリー!!!」


僕の声にパッと顔を上げたアメリーは、泣いていた。

大きな瞳からポロポロ涙が溢れて止まらない様子だったが、僕に気付くと顔を曇らせ抱き付く相手の肩に顔を押し付け、まるで僕を拒絶するように首を振っていた。

なんで?!

拒絶に酷く傷ついたが、アメリーが抱きついている相手を許せない気持ちが湧いてくる。

僕のアメリーに触るな!

しかし奴は、アメリーを抱きしめたまま立ち上がると急に屋根の上に飛び上がったのだ。


「なっ!」


その動きに見覚えがあったが、そんなはずはない!?

でもそうであっても許せない気持ちには変わりはないが。


(その手を離せ!!)


怒りで使えないはずの魔法を手の平で練り火の玉を作って相手に向かって投げつけるが、僕を嘲笑うかのようにひらっとかわし、屋根の上を駆け出した。


「待て!アメリーを返せ!!」


軽々とアメリーを抱き上げ走り出すその後ろ姿。

見たことのない服装だけど、お前はやっぱりリヤトなのか?!

でも、なんで??


「ジン!アメリーを奪い返せ!」


「えー!できなくないと思うけど、相手が悪いよ。殿下に危害を加えるなら俺だってマジにならざるおえないけど、それ以外では俺あの人に本気になれないし」


「やっぱりリヤトか!」


「それしかいないでしょ。それに師匠は本気で姫様を守るだろうから、まず勝ち目はないね」


「なぜだ?」


リヤトに追いつけないと判断したので足を止め、ジンを見上げる。

すると不思議そうにジンは僕を見て、


「なぜって?だって今の師匠の護衛対象は姫様だから。半年ほど前、殿下の影を引退してから姫様の直属の影としていつでもくっ付いていたでしょ?!ってか、殿下知らなかったの?」


「・・・知らない・・・」


「姫様には言わないとは陛下が言ってたけど。殿下も知らなかったかぁ」


母上がアメリーを切り捨てるだ何だ言って僕を散々脅かしていたくせに、リヤトを護衛につけているなんて。

アメリーのことちゃんと守ってくれていたんだ。

でもら教えてくれなかってのは何で?

わざと!?・・・ありえる!

イタズラ好きな父上が笑ってる顔が目に浮かぶが、今回は教えておいて欲しかったなぁ。



目を瞑り去って行ったアメリーの気配を探る。

すると、リヤトが向かっている方角から、どこに行こうとしているかが分かった。

なんだかんだ言っても、リヤトは僕の味方でいてくれるらしい。


「ジン。アメリーを迎えに行く前にちょっと寄りたいとこがあるんだ」


僕の言いたいことがすぐ伝わったジンは笑って頷きすっと身を潜め、僕の護衛に戻って行った。



さぁ、僕のお姫様を迎えに行こう。

僕はくるっと向きを変えると、走りだしたのだった。
















新年度が始まりますね。

こうしんおそくなってすいませんでした。

前年度の納めと、新年度の準備でてんてこ舞いでほぼ書き上げていたのですが、そこから先に進めませんでした。

誤字の報告も確認もせずにそのままやったりと、もうおしくなっていました。

反省です。

でも私の好きなことができる大切な場ですので、頑張って書いていけたらと思っています。

よろしくお願いします!!

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