平凡なメイドの私が王子様に求婚されました(ハロウィン回)

作者：つきはな　ゆめ

今日は特別な日なので、お城にいるメイドは全員休日です。

私とリズはあるお店に行き、衣装に着替えております。

『マリー、着替え終えたー？』

更衣室で丁度着替え終えたので、私はカーテンを開けて返事をしました。

『着替えたよー』

『わぁ！可愛いハロウィン衣装！！』

『ふふっ、ありがとう。リズも凄く可愛いよ！』

『でしょー？』

そう、仕事が休みの理由は一年に一度のハロウィンイベントがあるからです。

私達はハロウィンイベントを満喫する為に、衣類屋に行って仮装をしてます。

私は猫耳フードと猫の尻尾を付け、黒いワンピースにピンク色のリボンのアクセントが可愛い衣装を着ています。

リズは背中からちょこんと黒い羽が出ていて、私よりも尖っている黒い尻尾を付けています。

服装は黒いホットパンツに黒いベアトップを身に付けています。小悪魔な仮装ですね。

リズらしくて凄く似合っています。

『よし、それじゃあ行くよー！』

『うん！』

衣類屋に出たら時間帯は夜なのですが街全体がハロウィン色に染められ、とても明るかったです。

道端にパンプキンが置かれていたり、お店や露店などもおばけやミイラ、コウモリやガイコツの飾り付けが彼方此方にされているのでとても雰囲気があります。

それに、やっぱりハロウィンの仮装をしている人が多いので、街中もいつもとは雰囲気が異なって楽しさが倍増ですね。

子供達もはしゃいで楽しそうです。

二人で街の雰囲気を楽しみながら焼き鳥を食べて歩いていると、露店で美味しそうなパンケーキが焼かれていました。

うん。当然買いました。

路上に用意されているテーブルに一度座り、ゆっくりと食べる事にしました。

『んー美味しい！』

『生地もふわふわで蜂蜜をいけるねー！』

パンケーキを食べ終えた後はお菓子屋に入って飴やチョコを食べたり、とにかく美味しいものをいっぱい食べている。

むむー・・・これは太りそう・・・。

まぁ、偶には大丈夫でしょう。

明日の仕事でカロリーを消費させましょう。

『マリー！楽しいね！』

『うん！一緒にイベントを回れてよかったわ』

賑わっている街中を歩き、次は何処に行こうかなと迷っていたら、子供達が寄って来て元気な声で話を掛けられました。

『お姉ちゃん達！お菓子を頂戴！』

『『トリックオアトリート！！』

『えっ！？トリックオアトリート！？』

お菓子を上げないとイタズラされてしまいます。えーとお菓子まだ持っていたかなー？

ポケットの中に手を入れても、お菓子がありませんでした。あ、これはまずいわね・・・と思っていると、リズが大きな飴玉を3つ出して渡してました。

『これしかないんだけど、許してくれる？』

『うん！ありがとうお姉ちゃん！！』

『やったー飴玉だー！』

『ありがとー！』

リズは去って行く子供達に手を振ってお別れをしていました。

『リズ！ナイスだよ！！』

『ふふっ、でしょー？』

また子供達にトリックオアトリートと言われる可能性があるので、取り敢えずお菓子屋で飴玉を補充する事にしました。

賑やかなハロウィンを楽しみながら街を歩いたり、買い物をしていると時々子供達がトリックオアトリート』と声を掛けられるので、飴玉を補充して正解でした。

それにしても、仮装をしている子達は皆可愛いですね。大きな布を被っておばけみたいな仮装や、包帯を頭や腕に巻いてミイラの仮装をしていたり、黒いマントを羽織ってアイシャドウを入れてドラキュラな感じだったり、色んな仮装が見れた面白いです。

それから、子供達がお菓子を貰って嬉しそうな表情を見ると、こちらまで嬉しくなります。

お祭りをひたすら楽しんだ私達でした。

大きな時計台の針が12時と刺すと次々と街から灯りが消え、露店やお店も閉まってハロウィンのイベントが終了しました。

『ふー楽しかったわねー』

『うん！本当に充実したねー』

衣装を返す為にお店に向かい、歩きながら背筋を伸ばしているリズに声を掛けました。

『リズ！来年も一緒に行こうね。ハロウィン』

『当然！！』

何事も無くハロウィンイベントは終了し、私達は心も身体を満たして帰りました。

明日からメイドのお仕事を頑張ります！！