プロローグ
21✖️✖️年私たち人類は、DNA検査によって職業が決定される社会に生きている。ともかく、2100年前後で、適した職業に就くチャンスを逃してしまい、いわゆるニートとして生きる人間が以上なほどに増えていった。
原因は、とても一つに絞り切れないが、主に学歴中心社会となってしまったことが起因となったことだが、現段階では定説となってはいる。こうした状況に見兼ねた政府は、男女問わず、24歳になるまで、定期的なでDNA検査を毎回行い、適した職業を精密に導き出している。
検査自体は、望めばいつでも受けれられるが、3歳、9歳、15歳、18歳、21歳はDNA検査が義務付けられている。26歳までに必ず特定の職業に就職しなければならない。26歳を越して、職につかずぶらぶらしている(つまりニート)者は、社会性が著しく乏しいと判断され、危険人物として目をつけられられる。これといった罰則はないが、世間からはゴミ以下の扱いを受ける。具体的には、ここでは記せないが、あれでは自死した方がマシではないだろうかと思ってしまうくらいだ。
また、反して、政府の検査の結果に従い、業種を選んだものは、給料に加え、毎年、100万円の給付が与えられる。その上、日用生活品が安く買え、賃貸あるいわ家のローンを組む際の審査が通りやすくなる。
こうした福利厚生もあり、職業率、社会全体の能率性が上がり、凄まじい経済効果が見られた。国債も毎年減少傾向にあり、一人当たりのGDPは年々上昇している。
この職業分配社会の中で私、ヤンは、生まれた。私は、この職業分配社会に全くもって不満を抱いない。それもそうで、父は経営者、母はその取締役として、実績を出し、ヤン家は常に満足が過ぎるほどの生活をしていた。
しかし、当然、レジスタンスがいる。職業適正の結果に満足がいかず、定期的にデモを起こしたりする暇な連中がいる。だが、そんな、反職業分配社会を主張するものは全て負け組の嘆きとしか思えない。
正確な検査のもとで与えられた職に不満を挙げるのは、己の虚栄心の高さを大にして証明している。なんと愚かだろうか...
私の、友達であるユアは、裕福な家庭ではない。彼女の両親は、私の父の会社の元で働いている。だが、彼女の両親は、己の能力不足を受け入れ、そんな生活を日々享受している。彼女もまたそうだ。彼女は最適職は事務職である。おそらく、彼女もまた、父の会社(いずれ私のものになるが)の下で働くことになるだろう。彼女は文句ひとつ言わず、むしろ、私の下で働けることが嬉しいと語っていた
だから、余計思う。なぜ、反職業分配社会らの人間はその知能の低さを誤魔化すようにピーピー騒ぐのだろうと。ずっと、あい慣れない人種だなと肌で感じていた。いや、正直に言えば、見下していた。実力もないくせに、ただ言葉を無駄にして、喚き散らかす奴らが哀れより、醜い存在に見えた。
最も愛しい友達であるユアが反職業分配主義コミュニティ、レバーソに所属するまでは。