2023/1/11の出来事①
どこいる?会わね?
uからLINEが入ったのは私がちょうど友人とのご飯の約束がキャンセルになり電車の中で家に帰るか悩んでいる時であった。
いいよ。今どこ?
池袋のネカフェ泊まってる。逆にどこ?
いいよ。私がそっち行く。
30分くらいで着くと連絡を入れ待ち合わせ場所を指定した。uは生まれも育ちも関西なのでこっちの土地勘はさっぱりないから東口のフクロウの像の前の住所を送った。
私とuが出会ったのはニュージーランドだ。ワーキングホリデー中に仲良くなったうちの一人である。ただuはワーキングホリデーではなくバックパッカーとして旅行している時にたまたまニュージーランドに来ていただけであったから実際に共に過ごした時間は少ない。ただニュージーランドでの二年間で知り合った日本人の中でも強烈な方ではあった。
指定した待ち合わせ場所にいた彼は季節外れに真っ黒に日焼けした肌に半袖のTシャツ、左右で別のサンダルを履いていた。もちろん、マスクはしていない。
よっ!Aじゃん。久しぶり~
肌が黒いせいか歯が白く見える。おでこにかけたサングラスは長方形の形をしていた。
このサングラスやばいっしょ。かけるとさ、ほらっ心霊写真の人みたいに目隠れるのよ。これかけてると大抵の国で声かけられるね。友達めっちゃ増えるよ。まだ日本ではないけど。
uは昨日の便でフィジーから成田に帰ってきたのだった。コロナの影響なのかフィジーから日本への直行便がなくなってしまったとのことでニュージーランドからフィジーへ行き、乗り継ぎでまたニュージーランドへ行っていたらしい。
transit(乗り継ぎ)が12時間もあったんだよ。だから空港を出てバスで市内まで行って途中で仲良くなったイギリス人の若者と朝までクラブで遊んだんだよ。だから飛行機の中はクタクタでずっと寝ていたから12時間のフライトがあっという間だったね。
彼の隣の席の人は彼の野良犬のような大衆を半日も嗅ぎ、格安航空を利用することのデメリットを思い知ったことだろう。
長時間立ち話をしていて不審に思った警察がきたら説明に困るので私たちは近くのスターバックスに入ることにした。私はもっと安いとこにしようと言ったのだがuが奢ると言ったのでお言葉に甘えることにした。
やべぇ、財布ネカフェに忘れてきちった。ごめん後で返すから貸してくんね?
結局私が払った。