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馬鹿の夢

作者: 智鶴

遠い景色と虚な記憶は

離れれば離れるほど美しい

霧の向こうから訪れる

朧な眠気と朝の気配

夜明けに聞いた烏の声に

雲を掴む様な背徳感


私が燻らす煙草の煙が

貴方は嫌いだったのでしょう

唯一二人を隔てたものは

誰にも掴めない虚な吐息

寄せ合った体温は歪なままで

恐らくは、二人とも

塗り重ねた過ちに気付いていた


貴方の嘘と、私の夢見た背徳感

其れは良く似て非なるもの

柔らかな貴方の肌に騙されて

何を失ったのかも分からない


        貴方はいつか

        思い出すのかしら

        私の想いと

        浅はかな覚悟を

        唇に触れた罪悪感を

        私はいつか

        思い出すのかしら


少し掠れた貴方の声が

夜明けに鳴いた烏に似ていた

何処かで響く鐘の音が

夢は終わりと言っていた






夢、嘘、愚か






馬鹿だなぁ






貴女を忘れるにはきっと

人生は短過ぎるし

思いを馳せるにはきっと

人生は長過ぎるのでしょうね


僕のいない夢を見ながら

誰かの腕の中で眠る貴女が

僅かでも

僕を思い出してくれればいいのに


僕はきっと馬鹿なので

今もそう願わずには居られないのです


        

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