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これはとある異世界渡航者の物語  作者: かいちょう
14章:討伐クエストをこなそう!

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地球からの転生者(2)

 スロル山の山頂には冷たい風が常に吹きすさんでいる。

 特にこの時期は季節的な事もあって、じっとしていると凍えてしまいそうになるが、しかし今は戦闘後という事もあって、その冷たい風が心地よかった。


 恐らくは頬に当たる冷風が自身の体を戦闘の緊張感から解き放ってくれているからだろう。興奮した頭を冷やし、冷静になるには丁度いいように思えた。

 なのでしばらくはその場に座り込んで風に打たれていたが、しかしずっとそうしているわけにもいかない。


 まだやる事は終わっていないのだ。

 そして何より、さすがに全身が冷えてきた。そろそろ体を動かさないと。


 そう思って起き上がり、倒れているハンスのほうを向く。

 ハンスは起き上がろうともせず、ずっと倒れたままだ。

 そんなハンスを見て、さきほどの攻撃でまさか死んだのではないだろうな? と一瞬焦ったが鑑定眼はまだ機能している。


 ハンスのステータスが表示されるあたり、まだ生きてはいるだろう。何せ鑑定眼は死体には反応しないのだ。

 安堵のため息をついてからゆっくりとハンスに近づいていく。

 そして、倒れているハンスの隣に立ち、その顔を見下ろしながら尋ねた。


 「よぉ、調子はどうだ?」

 「最悪だ……わざわざ聞くなよ、そんな事」

 「それもそうだな」


 ハンスの答えに苦笑しながら、疾風双節棍カザマルを疾風剣カザマルとアビリティーユニット・ヌンチャクモードに分離させる。

 直後、2本の疾風剣カザマルは霧散して消えた。それからアビリティーユニット・ヌンチャクモードを解除する。すると……


 「っ!?」


 激しい疲労感に見舞われ、思わず倒れ込みそうになるが、なんとか踏ん張ってこらえた。


 「ふぅ……危ね」


 浮かび上がる大量の汗を拭い、深呼吸して心を落ち着かせる。


 (混種能力を使った反動か……これまでの混種能力と違って地味な能力だったから反動はないと思ってたんだが、油断したな)


 そう思ってから万能薬改を取り出し、一気に飲み干す。

 とはいえ、正直なところ混種能力を使った後の疲労感は回復アイテムではどうにもならないのだが、何もしないよりはましである。


 そんなわけで、疲労感はまったく抜けきっていないが、やる事はやらなければならない。

 空になった万能薬改の瓶を真横に放り捨て、懐からアビリティーチェッカーを取り出しアビリティーユニットに取り付け投影されたエンブレムを押す。


 『Take away ability』


 音声が鳴り響き、アビリティーユニットを倒れているハンスに向けた。

 直後、ハンスの体から光の暴風があふれ出し、アビリティーユニットへと吸い込まれていく。


 「ぐっ!! うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


 ハンスは苦しそうにのたうち回るが気にせず収束を待つ。

 やがて、すべての光がアビリティーユニットに吸い込まれるとアビリティーチェッカーの液晶画面の上に新たなエンブレムが浮かび上がった。

 それはハンスから能力を奪った証、それを確認してから小さくため息をつく。


 (随分と時間がかかったな……いや、かけすぎたと言うべきか)


 何はともあれ、これでようやくこの異世界から次の異世界へと進むことができる。

 一方で、長くこの異世界に滞在しすぎたせいで生まれてしまった居場所や仲間についても考える。

 考えてしまう。


 (あとはハンスを殺せば終わりだが……しかしそうなるとギルド<ジャパニーズ・トラベラーズ>はどうなる? リーナちゃんやココたちは……せめて別れの挨拶くらいはしとくべきか? いや、俺やフミコ、ハンスの記憶の一切ががなくなる以上、別れの挨拶は不要か……そう、そんなのは俺のエゴでしかないよな)


 そんな風に考えていると、倒れているハンスがこちらを見上げて声をかけてきた。


 「なんだカイト……もしかしてギルドメンバーの事でも考えているのか? これまでも色んな異世界で同じように記憶を奪ってきたんだろ? なのに今更どうして気に掛ける?」


 そのハンスの問いかけに思わず苦笑してしまう。


 「これまでも、か……正直、ここまでの長い期間同じ異世界に滞在した事はなかったし、現地人を仲間にした事もなかったからな? どう後始末すべきか、いや違うな……このまま気にせず放置して次に進んでいいのか迷ってる」


 自分のこの言葉を聞いてハンスは鼻で笑うと。


 「今更だな……お前の旅の概要を聞くに最初からわかってた事だろ」


 そう吐き捨てた。

 そのハンスのいい様に思わず小さく頷き。


 「そうだな……確かに今更だな……そう、わかってた事だ、これまで考えないようにしてきただけだ。そして手をつけてこなかった。それだけの話だ」


 そう言って頭をガシガシと掻いてから。


 「そして、今更悩んだところで、ここでハンスの能力を奪った以上、もう後戻りはできない……つまりは俺のこの世界での旅はここまでなんだよな。ならギルドやこの世界の仲間の事を考えても仕方がないな……ありがとうハンス、おかげで吹っ切れた」


 そうハンスに礼を言った。

 言われたハンスは軽く舌打ちすると。


 「別にカイト、お前の背中を押したわけじゃないんだけどな……」


 不機嫌そうにそう言って、覚悟を決めたように目をつむった。

 そんなハンスを見て「ふぅ」と一息ついてからアビリティーユニットをハンスへと向けてレーザーの刃を出した。


 「じゃあなハンス。お前とのこのスロル山の攻略、結構楽しかったぜ」


 その言葉は果たして最後にハンスに届いたかどうか……レーザーの刃はハンスが何か言う前に心臓に突き刺さった。




 ハンスを殺してから数十分が過ぎたが、スロル山の山頂の風景はずっと変わらずそのままで、変化は起こらなかった。

 その事に首を傾げながらも、もしかしたら次元の狭間の空間の調子が悪くて接続するのに時間がかかっているのかもしれないと思い、もうしばらく待ってみる事にした。


 しかし、それから数分待ったがやはり次元の狭間の空間への入り口である空間の歪みは生じない。


 「おかしいな? いつもなら能力奪って殺したらすぐにでも歪みが生じるのに……どうなってるんだ?」


 フミコが一緒にいないから空間の歪みが出現しないのだろうか? とも思ったが、かと言ってフミコが来るのを待っているとその他の面々もやってきそうな気がする。

 能力を奪って殺した以上、ハンスに関する記憶は皆から消えているとは思うのだが、面倒な事になるのは目に見えている。

 ならば、誰かが来る前に空間の歪みが出現しない原因を突き止めなければならない。


 とりあえずスマホを取り出してギルド本部にいるケティーに連絡を入れる。

 ケティーにムーブデバイスで次元の狭間の空間に戻ってもらい、次元の狭間の空間の桟橋からこの異世界に入ってこれるか確かめてもらおうと考えたのだ。


 今いる異世界でのミッションを終え、次の異世界へと向かう場合、当然次元の狭間の空間側からはもう入り口が閉ざされていてこの異世界には入ってこれない。

 逆に次元の狭間の空間側からこの異世界にまだ入れるという事は、この異世界でのミッションがまだ終わっておらず、まだまだ次の異世界へ向かうことはないという事になる。


 (しかしこの異世界でのミッションが終わってないなんてありえるのか? ハンスからはちゃんと能力も奪ったし、ちゃんと殺した……だったらもうここでやる事は残ってないはずだろ! それともあれか? このスロル山の中でヤーグベルトと戦ったのがまずかったのか?)


 そんな事を考えているとスマホが鳴った。画面にはケティーの名前が表示されている。

 なのですぐに通話に出た。


 「もしもし? どうだった」

 『普通に桟橋は入り口として機能してるよ、問題なく出入りできる』

 「まじかよ……」


 ケティーの報告を聞いて頭を抱えたくなった。

 一体どういう事だろうか?


 『ねぇ川畑くん、本当に転生者から能力奪って殺したの?』

 「あぁ、それは間違いない……はずなんだが」

 『でも桟橋は普通に開通したままだよ?』

 「……そうだよな、空間の歪みもまったく現れる気配がないし」

 『その場にフミコはいないんだよね?』

 「あぁ、もしかしたらそれが原因なのかもしれないが」

 『うーん、どうだろ? 仮にそうだとしても、桟橋の入り口は先に閉鎖されると思うんだよね』


 ケティーの言葉を聞いて少し考えてからケティーにある確認をする。


 「なぁケティー、次元の狭間の空間にカグのやろうはいるか?」

 『え? カラスだったらさっき広場で見かけたけど』

 「っ!!」


 するとケティーから次元の狭間の空間内にカグがいたとの返答が返ってきた。

 ここ数日、やつの姿を見てなかったが、どうやら今は次元の狭間の空間にいるようだ。

 これはとっ捕まえて色々と問いただすチャンスである。


 「ケティー! 今から次元の狭間の空間に急いで戻る!! だからケティーはカグのやろうが逃げないように見張っててくれ!! 何なら取り押さえてもらっても構わない!」

 『へ? 川畑くん何を言ってるの? 今スロル山の山頂なんでしょ? 急いで戻るってどうやって?』

 「風魔法と火魔法で生み出したブースターでのアフターバーナー全快飛行魔法で急行する!! だから絶対にカグのやろうを逃がさないでくれよ!!」

 『え? ちょっと川畑くん!?』


 ケティーの戸惑った声が聞こえてきたが気にしている余裕はない。今は一刻を争う。

 そう、神を自称するカグのクソやろうの事だ。またすぐに雲隠れして大事な事を伝えないに決まっている。

 だが、そうはいくか! 今回ばかりはヤーグベルトの件も含めて言いたいことが山積しているのだ。

 逃がしてたまるか!! 絶対に問い詰めて洗いざらい吐かせてやる!!


 通話を切ってスマホをポケットにしまうとすぐに飛行魔法を発動、一気に上空へと飛び上がり、雲の上の遥か上空まで飛翔するとそこで風魔法と火魔法を背後に発動してブースターとし、一気に飛行魔法で目的地に向かってミサイルのごとく突っ込んでいく。


 「うぉぉぉぉぉ!!」


 目指すはドルクジルヴァニアから少し離れた丘陵の中にある小さな森。

 その森の中に次元の狭間の空間への入り口である空間の歪みがあるのだ。


 普段はドルクジルヴァニアから出なければならない事と、ケティーのムーブデバイスのおかげで森に直接出向くことはないのだが、今は一刻も早くそこに向かわなければならない。


 (それなりの高度には達したつもりだが、もしかしたら地上から目撃されるかもしれないし、空賊どもにも遭遇するかもしれないが、今は気にしてる場合じゃない!! とにかく一刻も早く森にたどり着く!!)


 後先考えないブースター魔法の発動のおかげで、あっという間に森にたどり着くことができた。

 とはいえ、着地の事までは考えていなかったため、恐ろしいまでの勢いのまま森に突っ込み、大きな衝撃と共に大爆発が起こり、まるで隕石が衝突したかのような大惨事が起こってしまった。


 そのせいで森にはクレーターができ、木々のほとんどが焼ける大火事に見舞われ、煙がもくもくと上空にあがる事態となってしまう。

 さすがにこれはまずいとタイムリープ能力で時間を戻し、対策を取って安全に着陸し直した。


 「ふぅ、危なかった~」


 そう口にして額の汗を拭ってから、次元の狭間の空間への入り口である空間の歪みに向かう。

 森の中を進むこと数分、確かに空間の歪みはこの異世界に来たと時と変わらぬ場所に存在していた。


 「っち! 報告通りってか!」


 悪態をつきながらも空間の歪みの中へと入る。

 すると目の前には次元の狭間の空間の見慣れた光景が広がっていた。


 「ケティー!! どこだ!?」


 桟橋を駆けながら叫ぶ。

 すると食堂の広場の前でケティーがムクドリやハト、ウズラなどを捕獲する鳥捕りネットを手にしてこちらに手を振ってきた。


 「おーい! 川畑くーん!! 頼まれた通り捕まえておいたよ!!」


 そう笑顔で言うケティーが手にしているのは 防鳥ネットだが、しっかりと閉じられたその捕獲網の中では一羽のカラスが必死に暴れまわっていた。


 「こりゃ!! わしは神様じゃぞ!! この不敬者!! 離さんかい!!」


 そしてそのカラスはそんな言葉を喚いている。

 うむ、間違いなくあれはカグだ。

 しかし、あれってムクドリとかハトを捕獲する用のバートトラップだよな?

 あれ、カラスも捕れるんだ、へー。


 「ケティー、ありがとう!! 助かった!!」

 「いえいえ、他ならぬ川畑くんの頼みだしね! それに川畑くんが他ならぬ私に何を差し置いても一目散に急いで会いに来てくれるのに、その要望に答えないなんて川畑くんの恋人失格だよ。だからはりきっちゃった! てへ」


 そう笑顔で言うケティーを見て、鳥捕りネットの中で暴れていたカグが「ひぃ!!」と青ざめた顔で悲鳴をあげた。

 うん、こんだけビビらせるってケティー、一体どんな方法でカグを捕獲したんだ?

 まぁ気にはなるがこれは触れないでおこう……なので別の事にツッコミをいれる。


 「いや、いつ俺がケティーの恋人になったよ?」

 「え? 最初からでしょ」

 「どうツッコんでいいかわからん」


 そう言うとケティーが頬を膨らませてプンスカと怒り出した。


 「もう!! せっかく邪魔者がいない二人きりの時間なんだから少しは乗ってくれてもいいじゃない!! というか二人きりなんだよ? ふ・た・り・き・り!! 何とも思わないの? 何かしようと思わないの? 手籠めにしようとか思わないの?」

 「はは……何を言い出すんだこの子は。後々面倒な事になりそうな事は勘弁してくれ」


 引き攣った笑顔でそう言うとケティーがさらに頬を膨らませる。


 「もう!! 今なら私が皆に言いふらさない限り、私に何してもOKだって言ってるのに!!」

 「……いや、その皆に言いふらさないってあたりが信用ならんのだが?」

 「もー!! そんな事言うならこいつ逃がしちゃうよ?」


 そう言ってケティーが鳥捕りネットを開いてカグを逃がそうとしだしたので慌ててケティーをなだめる。


 「あーわかった!! わかった!! ケティー悪かったよ!! うん、こんな空間でふたりきりだと、変な気起こしちゃうかもなー」


 すごく心のこもってない棒読みのセリフであったが、しかしケティーは満足したようだ。

 笑顔でうんうん頷くと気分が良さそうにこんな事を言ってくる。


 「よろしい。じゃあお礼として今度デートしてもらおうかな?」


 またそんなすぐにフミコにバレて面倒ごとになりそうな事を……

 思わずため息がでそうになったが、今はケティーの機嫌を損ねてはいけない。

 せっかく生け捕りになっているカグをみすみす逃すわけにはいかないのだ。


 なので覚悟を決めて承諾する。


 「……いいよわかった。また今度な」


 この返事にケティーは満面の笑みを浮かべると。


 「やった! 絶対だよ? 約束したからね!」


 そう言って両手をあげて万歳をして喜びを爆発させる。

 おかげで鳥捕りネットが地面に落ち、中に捕らえられていたカグが「痛っ!!」と声をあげた。




 デートの約束を取り付け、ニコニコ笑顔のケティーから鳥捕りネットを受け取る。

 鳥捕りネットの中のカグは「出せー!!」と騒いでいたが、気にせず閉じ込めたままカグを問い詰める。


 「さて、随分顔を見せてなかったが今までどこで何してやがった? こっちはてめーに問いただしたい事が山ほどあるんだぞ!」


 すると鳥捕りネットの中のカグは小バカにしたような顔で「ふん」と笑うと。


 「まずはわしをここからだせ! まったく神に対して不敬じゃぞ?」


 そう上から目線で言ってきた。

 当然ながら、はいわかりましたと解放するわけがない。


 「てめーが質問に答えたらな?」


 なのでそう返すと。


 「質問ね……まぁ色々とわしに聞きたいんじゃろうが、わしが今この場で答えてやれる事はひとつだけじゃ」


 そうめんどくさそうに口にした。

 その言いぐさに思わずキレてしまいそうになった。


 「あぁ!? ひとつだけだぁ!? 何寝ぼけた事ぬかしてやがる!!」


 そんなんなそんな自分を見てカグはため息をつくと。


 「はぁ……おぬし、なんでわざわざここに戻って来たんじゃ? 目撃されるリスクを冒してまでなぜ?」


 そう尋ねてきた。


 「そりゃ、いつまで経っても空間の歪みが発生しないからだろ! なんでこの次元の狭間の空間は次の異世界に向かわない? なんでこの異世界にまだ留まってるんだ?」


 なのでそう答えて問いただすと、カグはさらに大きなため息をつく。


 「はぁ……そんな事もわからんとはの? 呆れたわい」

 「は? なんだと!? どういう事だ!」

 「どういう事も何も、貴様のいる場所に空間の歪みが発生せず、この次元の狭間の空間がここに留まっとるという事は、この異世界での任務がまだ終わってないという事じゃ。猿でも理解できる答えじゃぞい」


 カグのこの回答に思わず「は?」と声をあげた。

 おい、この自称神は何を言ってやがる。


 「この異世界での任務がまだ終わってない? 何をバカな事を言ってやがる! 俺はさっき、ハンスのやつを……ターゲットの異世界転生者から能力を奪って殺したんだぞ? なのになんでまだ任務が終わってないんだ? おかしいだろ!」


 そうカグを問い詰めると、しかしカグはこれを素直に認める。


 「そうじゃの……おぬしは確かに地球からの異世界転生者から能力を奪い、殺したの」

 「おい! だったらなんでまだこの異世界に留まってるんだ?」


 そう問い詰めると、カグは今まで以上に呆れた表情を浮かべた。


 「はぁ……まったく、何度言わせる? だから任務が終わっとらんからじゃと言っとるじゃろ?」


 このカグの堂々巡りの言葉に再び突っかかるが。


 「だから任務が終わってないってどういう事だ!? てめーさっき確かに認めただろ!! 俺が異世界転生者から能力を奪って殺したと!! だったら……」


 そこで気付く。


 「いや、待てよ? この無干渉地帯には地球から以外の転生者も無数に存在してる……だとしたら」


 こちらの反応を見て、カグがニヤリと笑った。


 「ようやく理解したか? まったく……貴様、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()? そんなルールはないぞ?」


 カグの言葉を聞いて、唇をかみしめる。


 「この世界にはまだ他に……地球からの転生者がいるのか!」

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