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これはとある異世界渡航者の物語  作者: かいちょう
13章:緊急クエストをこなそう!

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ドルクジルヴァニア防衛戦(2)

 目が覚めるとベットの上にいた。

 ここはどこだろうか? なんて野暮な事は言わない。


 混種能力を使う前に打ち合わせはしてある。

 なので打ち合わせ通りに物事が進んでいるのなら、ここは混種能力:創造でポロンツ大草原地帯に造った城砦都市、フェイクシティー。その城壁の中にあるギルド<ジャパニーズ・トラベラーズ>の拠点の中の一室だろう。


 そして、その拠点はドルクジルヴァニアにあるギルド本部をそっくりそのまま再現している。

 なので、この部屋は見る人によってはギルド本部2階の一室と勘違いしてしまうだろう。


 とはいえ、自分は就寝時は次元の狭間の空間に戻って自室で就寝しているためギルド本部2階の部屋を使った事がない。だから既視感を感じる事はまずないのだが……


 「さて、一体何時間眠っていたのやら……ん?」


 そう呟いて体を起そうとしたところで自分の両隣に添い寝している人物がいる事に気づく。

 もしやと思って視線を横に移すとそこには予想通りの人物がいた。


 右隣にフミコ、そして左隣にはケティーだ。

 しかも何故か2人ともTシャツ1枚着込んでいるだけの格好であり、当然ながらパンツも穿いていないためおしりが丸見えの状態である。

 うん、これは一体どういった状況だろうか?


 混乱しているとフミコが目を覚ました。


 「んん……あ、かい君おはよう、もう体は大丈夫なの?」


 そう言ってフミコは可愛らしく右手で目をこすりながら左手を大きく真上に伸ばしてあくびをする。

 そうするとTシャツの裾が巻き上がってお腹とへそが姿を現した。

 更にブラもつけていないからか、Tシャツの生地が薄いせいもあって、胸の形もはっきりとわかるし軽く透けて見える。


 うん、これは思春期まっさかりの男子高校生には目に毒ってもんですよ。

 なのでフミコから視線を逸らすが、逸らした先ではケティーも同じような格好をしていて目を覚ました。


 「あ、川畑くん目が覚めたんだね? おはよ」


 そう言うケティーを見て、そういえば前にもケティーが自分のベットに潜り込んできたことがあったなと思いだし、その時確か不可抗力とはいえケティーの胸揉まなかったっけ? と考えたところでケティーがニヤーっとした表情になった。


 「な、なんだよケティー」

 「別に何でもないよ? ただ、川畑君、また私の胸触りたくなったのかなーって思って」

 「ブホー!!」


 思わず吹いてしまった。


 「な、何を言い出すんだいきなり!!」

 「いや、だって今懐かしそうに私の胸をまじまじと見てたし」

 「見てねーよ!!」

 「いやいや、隠さなくても視線でわかるよ? というか揉みたくなったならいつでも言ってくれれば揉ませてあげるよ? あの時みたいに」


 ケティーがニヤニヤしながら言うと隣からフミコの殺気がした。

 恐る恐るフミコのほうを向くと、メインヒロインがしちゃいけない殺意に満ちた表情をしていた。

 そのおぞましい表情に思わずビクっとしてしまう。


 「ひぃ!!」

 「ケティー、さっきから何言ってるの? あの時って何?」


 ドス黒い、殺意のオーラを纏いながらフミコが低い声でケティーに尋ねるが、ケティーはそんな威圧も気にせず小馬鹿にしたような態度で答える。


 「さーって、フミコに教える義理はないかな?」

 「なんだと!?」


 自分を挟んでいつもの喧嘩がはじまりそうになったところで、ベットの足下の端に体をもたれ掛からせて腕枕をして眠っていたリーナが目を覚ます。


 「ふぁあ……あ、マスター。気がついたんですね……ってフミコお姉ちゃんにケティーお姉ちゃん!! 目覚めたばかりのマスターの前で何やってるんですか!?」


 リーナの言葉でフミコとケティーは互いに何か言おうとしていたのを堪えて、唇を尖らせ「ふん!」と言って顔を背ける。

 そんなフミコとケティーにリーナは「もうダメじゃないですか!!」と注意しだす。


 それを見て、まさかこの2人の喧嘩をリーナが止める日が来るとはなと感慨深くなった。

 というか、メンバー最年少の幼女が注意する側ってどうなの?


 思わず苦笑しそうになるが、そこでリーナの格好がフミコやケティーと同じく、Tシャツ1枚着込んでいるだけの格好なのに気づく。

 Tシャツがブカブカすぎるせいでパンツの有無は判断できないが、幼女のこの格好はアウトかセーフか? と現実逃避のように思考をそれにのみフル稼働させていると。


 「あ、カイトさん気がつかれたんですね……」


 ベットの横からシルビアの声が聞こえた。


 「カイトさま!! 起きたらまずココの事を一番に見てください!! カイトさまのココはここですよ!!」

 「え? カイトくん起きたの? ……ふぁぁぁ、完全に熟睡してて目覚める瞬間見逃しちゃった……」


 次いでココやドリーの声も聞こえてくる。

 なので声のしたほうに目を向けると、シルビアとドリーもフミコたちと同じくTシャツ1枚着込んでいるだけの格好であった。

 ココにいたってはTシャツすら着ていない、全裸である。


 思わず部屋の室温を確かめようとしたが生憎とこの部屋には温度計など設置されていない。

 なので現在の温度がいくらか確かめようがないが、とはいえ真夏のうだるような暑さや蒸し蒸しした湿気などは微塵も感じない。


 つまり今、この室内において暑さを凌ぐための行為として下着もつけずTシャツ一丁になっているわけではないという事だ。

 では彼女達はなぜTシャツ1枚のみの格好なのだろうか?

 ココが全裸なのはギガバイソンだからの一言で片付けられるが、他はそうではない。


 それとも自分と一緒にここで仮眠をしていたからTシャツ1枚なのだろうか?

 可能性はそれが一番高いだろう、うん。とりあえずそういう事にしとこう。

 でも一様理由は聞いておくか。そう思い尋ねた。


 「なぁ、なんで皆Tシャツ1枚だけの格好なの?」


 すると皆がそれぞれの顔を見合った後、ドリーがシルビアのTシャツの端を掴んでまくし上げ。


 「いや、シルビア()()はちゃんとパンツ穿いてるよ?」


 そう笑顔で言ってきた。

 ドリーにTシャツをまくし上げられてパンツを晒されたシルビアは顔を真っ赤にして。


 「っ!! ちょ、ちょっとドリー!? 何するの!!」


 叫んでドリーの手を払いTシャツを元に戻してパンツを隠す。

 そんなやり取りを見て思わず目を背けるが、そこで気がつく。


 「ん? ()()()()()()って……他はみんな下着つけてないの?」


 そう口にするとドリーが。


 「だってそうじゃないとカイトくんが目覚めるまで1時間交代で……」


 と、何かを言おうとしたところでシルビア、リーナ、さらにはベットから飛びかかったフミコとケティーに羽交い締めにされ、口封じされた。

 な、なんだ一体?


 というか、みんな下着つけてないのにそんな暴れたら、その、何とは言いませんがこっちから丸見えなんですが……


 「え? 何?」


 思わずドン引きしていると、ドリーの拘束に参加していない全裸のココが笑顔で。


 「あ、カイトさま、実はみんなでカ……ぐぎゃ!?」


 自分が眠っている間に何があったか言おうとしたが、即座にフミコたちにドリーと同様に羽交い締めにされた。

 しかし、そうするとココは全裸であり、この中でも最もダイナマイトボディーであるため目の前に直視していいのか非常に迷う光景が展開されるのであった。


 (うん……ちょっと、この状況どうすればいいんだ?)


 とりあえず、視線を逸らして事態が落ち着くのを待った。

 そしてドリーとココが抵抗を止め、全員が落ち着いたところで尋ねた。


 「なぁ……俺が意識途絶えてる間、何してたの?」


 するとココ以外の皆が顔を赤くして視線を逸らした。

 ココは何か言いたそうだったが、リーナに頬をつねられて不満そうな表情を浮かべるだけで何も言わなかった。


 うーん、これは……

 気にはなるが自分が彼女達に何をされていたのか、あまり深く考えないようにしよう……

 うん、自分は意識がない間、ただベットで寝かされていた、それだけだ。

 そうに違いない。





 フミコたちが着替えるため他の部屋へと出て行ってから窓の外を見る。

 その景色はドルクジルヴァニアそのものであった。


 それは当然で、何せ混種能力:創造でポロンツ大草原地帯に造った城砦都市、フェイクシティーは城壁を除けば中の建物の配置など、すべてドルクジルヴァニアを参考にしているからだ。

 言うなればドルクジルヴァニアのコピーを最終防衛ラインに建造したのである。


 これは混種能力:創造で城砦都市を造る際に、内部の細かい部分までオリジナリティを出している余裕もそんな発想力もなかったからなのだが、結果的には作戦に参加する各ギルドの拠点をどこにするかという問題を話し合う手間が省けた。

 ドルクジルヴァニア市内をそっくりそのまま再現している以上、ドルクジルヴァニアで本部がある場所をそれぞれの拠点にすればいいのだから。




 フミコたちが着替え終わったので外へ出てフェイクシティーの中心部へと向かう。

 そこは元となったドルクジルヴァニアにおいてはユニオン総本部がある場所であり、そこを作戦本部としたのだ。

 作戦に参加するすべてのギルドはここに集い、これから打ち合わせを行うのである。



 さて、ユニオン総本部のすぐ近くにはドルクジルヴァニア市庁があるが、フェイクシティーにおいては市庁は再現せず、代わりに市庁があった場所に第2次世界大戦時にドイツが開発した42mはある超巨大な世界最大の列車砲である80cm列車砲を設置した。

 とはいえ、これがギガント襲来の際にどれだけ役に立つかはわからない。


 何せ80cm列車砲は威力も射程距離も圧倒的だが砲弾は超巨大で超重く、そのため装填に時間がかかり発射速度は1時間に3発から4発とあまり効果的に砲撃できるとは言い難い代物なのだ。

 何より砲身寿命が短く、その砲身の交換も重すぎるため容易にできるものでない。

 なので整備の面を考えれば、ここぞという時まで温存しておくのがベストだろうが、はてさてどこまで通用するだろうか?


 その他、城壁内に設置された大型の兵器という点では、作戦に参加するギルドのいくつかが持ち込んだ固定式の攻城戦用兵器、トレビュシェットがある。

 トレビュシェットは大型の投石機であるが、これがギガントと真正面から対峙する北側の城壁の内側に複数設置され、東西の城壁の内側にも複数設置された。


 それ以外にもかなりの数の大砲が城砦回廊に設置されたが、それらはこの異世界の火砲であるためどうにも心許ない。


 なので、いくつか地球の現代火砲を召喚し提供した。

 とはいえ固定式の大砲はカストム城門での交戦経験から危険と判断し、機動性のあるものに絞ってある。


 提供したのは日本の99式自走155mm榴弾砲にアメリカのM109A6 パラディンとXM2001 クルセイダー。

 イギリスのAS-90 ブレイブハートにドイツのPzH2000自走榴弾砲、ロシアの2S35 コアリツィヤ-SV 152mm自走榴弾砲に2S4チュリパン 240mm自走迫撃砲。

 中国の05式155mm自走榴弾砲に韓国のK9 155mm自走榴弾砲、シンガポールのプリムス155mm自走榴弾砲にアルゼンチンのVCA155 155mm自走榴弾砲だ。


 これらは履帯を装備しているため、城壁の外の不整地でも運用可能であり、ギガント襲来時の状況次第ではあるが、フェイクシティーに籠城しての砲撃一辺倒ではなく、城壁外に打って出ての攻勢も可能だ。


 そしてフェイクシティー内での陣地転換による砲撃に機動性を持たせるため、トラックによる牽引式の自走砲もいくつか召喚し提供した。


 それらは日本の19式装輪自走155mm榴弾砲、スウェーデンとノルウェーが共同開発したアーチャー自走榴弾砲、フランスのカエサル155mm自走榴弾砲、イスラエルのATMOS 2000、スロバキアのズザナ 155mm自走榴弾砲、スウェーデンとフィンランドが共同開発したAMOS 120mm自走迫撃砲である。


 これらはタイヤを装備する装輪装甲車であるため、フェイクシティー内の素速い移動に適している。

 また城壁の外であっても整備された街道に平坦な陸路であれば運用は可能であるため状況次第では城壁外での攻勢にも使えるだろう。


 とはいえ、これらはあくまで長距離射程の火砲だ。

 いうなれば城壁にギガントの群れが辿り着く前、迫っている最中に使う兵器である。

 城壁の目の前まで接近されたり、壁を突破され城壁内に侵入を許した際にはその効果を最大限に発揮できない。


 なので、城砦内に侵入を許し、市街戦になった場合の火砲もいくつか召喚し提供した。


 それらは日本の87式自走高射機関砲にドイツのゲパルト自走対空砲、フィンランドのITPSV 90 マークスマンに韓国のK30対空自走砲。

 中国の09式自走対空機関砲にロシアの2K22 ツングースカとZSU-23-4 シルカ、イタリアのSIDAM 25にアメリカのM163対空自走砲とM247サージェント・ヨークである。


 これらは本来なら上空から飛来する敵機やミサイルを迎撃する防空システムであるが、強力な火力を空へと放つ対空火器は、巨大なバケモノであるギガントにも有効だろう。


 そんな多くの装甲車を召喚し提供したのはいいが、ここでひとつ問題が生じる。

 それはこれら地球の現代兵器をギルドの人間が使いこなすための訓練の時間が圧倒的に足りないという事だ。


 現代の兵器の訓練には最低でも3週間から1ヶ月はかかると言われている。

 しかしギガントがここに到来するのは数日後だ。悠長に操作方法やシステムを学んで理解し、習得させる時間はない。


 さて、どうしたものか? と思ったが、そこは魔法が存在する異世界。

 なんでも短時間で丸暗記ではあるが、複雑な行程を一瞬で理解する魔法が存在するのだとか……


 そんな魔法があるなんてずるいだろ! と思うかもしれないが、そこはちゃんとデメリットというか副作用も存在しているらしく、その魔法を使って短時間で習得した記憶や技術は、1日経てば綺麗さっぱり頭の中から消え去るというのだ。


 ようは日本におけるテスト前の一夜漬けのようなものだろう。

 1日過ぎても記憶に留めておく術もあるようだが、それをすれば半身不随になるなど、その後の人生に大きく影響する後遺症が身体に発生するのだとか。

 だから、その魔法を使って短時間で覚えた知識を誰も持ち続けようとはしないのだ。


 元より、この異世界において人間社会で魔法を使えるのは貴族のみである。

 言うなれば、その魔法は貴族さま達が学生時代の試験でズルするためのものなのだ。

 だからこそ、その後の人生設計に影響を受けないように、誰も記憶を維持しようとは思わないのだろう。


 しかし、それが今は欠点にもなりかねない。

 1日で操作方法を忘れられてしまっては意味がないからだ。


 とはいえ、1日は魔法で操作方法を習得して実際に自走砲を動かして訓練、次の日は自走砲なしで手順よりも連携の確認を確認し、その次の日はまた魔法で操作方法を習得して実際に訓練を繰り返せばなんとかなるのではないか? と考えついた。


 実際、作戦に参加する多くのギルドも、作戦本部での打ち合わせでこの方法を提案してきたのだ。

 ならば後は召喚した自走砲を各ギルドに提供し、訓練は彼らに任せるべきだろう。


 そんな作戦本部での打ち合わせではこのまま何もせずに、ただギガントをこの地で待ち続けていいものか? という議論も巻き起こった。

 確かに、この地を最終防衛ラインに設定し戦力を結集させているとはいえ、ギガントどもをこのまま楽々と進軍させるのも癪に障るというものだ。


 とはいえ、少数のギルドがギガントどもの進路上にある村々や町の住民の避難誘導を現在行っているが、仮に彼らが避難させた後の村や町に留まってギガントどもと対峙しても無駄死にするのが関の山だろう。

 ならば、まとまった戦力のあるフェイクシティーでの決戦まで交戦しないほうがユニオンとしては戦力の温存になる。

 しかし、それはギガントどもも同じ事だ。

 そして戦力を温存して有利なのはどう考えてもギガントどもだろう。


 ならば、ここは機動力を生かしたヒットアンドアウェーの奇襲で連中の数をここに到達するまでに少しでも減らすべきではないか?

 そうなればやるべき事はただひとつ、漸減戦法(ざんげんせんぽう)だ。


 漸減戦法はかつて旧日本帝国海軍がアメリカ海軍との決戦に備えて用意した作戦である。

 その内容は絶対国防圏に迫るアメリカ海軍の主力艦隊に対し、まずは潜水艦による魚雷攻撃や航空機によるアウトレンジ攻撃によって、その戦力を減殺する。

 だが、アメリカ海軍の艦隊戦力をこの時完全に潰すのではなく、ダメージを負っているがまだ進軍できると思わせ、決戦の地(初期の構想では小笠原近海、その後はマーシャル諸島沖)まで誘導するのだ。


 そして水雷戦隊による夜襲を仕掛け、満身創痍の状態に追い込み、夜が明けたと同時に準備万端で待ち構えていた無傷の日本海軍主力艦隊が満身創痍のアメリカ海軍に艦隊決戦を挑み、一方的に叩いて勝利する。

 これがアメリカ海軍との雌雄を決する戦いを優位に進めるため旧日本帝国海軍が構想していた漸減戦法である。


 とはいえ、この作戦には多少……いや、かなり無理があった。

 そもそもの大前提からして、この作戦は間違っている。

 何せアメリカ海軍が旧日本海軍が設定した自らに優位な艦隊決戦の地に都合よく進軍する、必ず誘導できるという保証はどこにもないのだ。

 だからこそ、この作戦は実行される事はなかった。


 しかし、今回のケースは違う。

 ギガントどもは確実にここを目指している。

 だからこそ、漸減戦法は実行可能であるのだが、問題はどうやってギガントどもの数を減らすか? なのだ。


 そこである事を思いつく。

 カストム城門での戦いでM142 ハイマースは効果があった。

 何よりトラックで6連装のロケット弾発射機を牽引するハイマースは機動性がある。

 ならばこれをギガントどもが進軍している近場まで派遣して、奇襲を仕掛けられないか? と……


 ハイマース以外にもM1097 アベンジャーや中国の03式300mm自走ロケット砲も使って、連中の進軍ペースに合わせて移動しながら攻撃を繰り返す。

 こうして数を減らしていけば、フェイクシティーに到達する頃には雀の涙ほどかもしれないが連中の数は減っているはずである。


 とはいえ、ギガントどもがこれに対して反撃してこない保証はない。

 ならば護衛として機動性の高い日本の10式戦車やアメリカのM1エイブラムス戦車をつけるべきだろう。


 しかし、そうなると今度は人手が足らなくなる。

 何せ、作戦に参加するメンバー全てが自分が提供する装甲車や火器に携われるわけではないのだ。

 にもかかわらず装甲車の数を増やせば、それ以外の役割を担う人員が不足してしまう。


 作戦に参加する人材には限りがあるのだ。

 いくら漸減戦法が効果があるかもしれないとはいえ、一定数の人数を割くことはできない。

 とはいえ、一定数の人数でもって装甲車を運用しない事にはそもそも漸減戦法をする意味もない。

 悩ましいところであった。


 そんな時、ふと閃いた。

 うまくいくかは未知数だが、ひょっとしたら人材不足を大幅に改善できるかもしれない方法を。

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