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これはとある異世界渡航者の物語  作者: かいちょう
12章:定例クエストをこなそう!

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ヴィーゼント・カーニバル(12)

 ズエの森の中の小高い丘。


 そこでは多くのギガバイソンのメスがコーサス要塞郡に挑むオスたちを品定めしていたが、1頭の若い雌牛だけは違っていた。

 彼女だけはコーサス要塞郡を違った目で見ていた。


 他のメスたちがオスたちを品定めをしている中、彼女だけはただ一点、()だけをずっと見ていた。

 ()だけをずっと目で追っていた。


 その想いは日に日に高まっていく。

 そしてついにはその想いを抑えきれなくなった。


 ()に会いたい!

 ()を間近で見たい!

 ()に触れられたい!


 そう思うようになった。

 そして抑えきれなくなった感情はもう止められない。


 彼女はこっそりと群れから離れて小高い丘を下り、森の外へと向かう。

 すべては()に会うために。

 会って想いを伝えるために。




 ゴリラアームを使っての斬撃は完璧にレヴェントンの体を斬り裂いた。

 体が斬り裂かれ、大量の血を撒き散らし地面に倒れたレヴェントンを見て、さすがにこれは死んだだろうと警戒を解く。


 「はぁ……はぁ……まったくいきなり進化しやがったが一体どうなってやがんだ?」


 アビリティーユニット・アックスモードを横に置いてそのまま地面に座り込む。

 とはいえまだ油断はできない、何せまだレヴェントンが引き連れてきた多くのギガバイソンたちが残っているのだ。

 しかし、彼らが自分に攻撃を仕掛けてくる事はなかった。


 結局のところ、彼らはレヴェントンの特殊スキル「強制統率」で操られていただけにすぎないという事なのだろう。

 「強制統率」が解けた以上は、レヴェントンの意思に従う義理はないという事なのか、最初にレヴェントンが倒れた時からずっと混乱した様子のギガバイソンたちも含め、こちらに襲ってくる気配はなかった。



 そんな地上の様子を歩廊で見ていたフミコとリーナは。


 「やったよリーナちゃん!! さすがかい君だね!」

 「はい! フミコお姉ちゃんと一緒にマスターのサポートができました!」


 そう言って喜び、リーナはTD-66とエマの方も確認して無事を確認しほっと胸をなで下ろす。


 「ティーくんもエマを守ってくれてありがとう」


 そんなリーナの声がTD-66に届いたのか、TD-66は歩廊を見上げてリーナに手を振ってきた。

 それを見てリーナも笑顔で手を振り返す。


 そんな戦いは終わったという空気が漂う中、しかしフミカだけは険しい表情を浮かべて考え込んでいた。


 レヴェントンを筆頭としたギガバイソンの群れが現れてからフミカは一度も戦闘に加わっていなかった。

 とはいえ、フミカは元々別のギルド<明星の(アシェイン)>のメンバーであり、自分達の仲間ではない。

 あくまでサポート役という立場でギルド<ジャパニーズ・トラベラーズ>と行動を共にしているのだ。


 だから協力を求められない限りは加勢するつもりはなかったのだが……


 (あのギガバイソン、どうもおかしい……というよりか、この感じどこかで?)


 カイトとレヴェントンの戦闘を見てからずっと思考を巡らしている。

 あれと似たような何かを昔見た事がある。

 果たしてそれはいつだったか?


 フミカは思い出そうとするが、しかしすぐには思い出せない。

 そんな中、カイトが斬り裂き倒れたレヴェントンの死体からはいまだに赤紫色の靄のようなオーラが溢れ出ていた。

 それを見てフミカは訝しむ。


 (そもそもギガバイソンが短期間であそこまで進化できるわけがない……だとすればそれを促したのは確実にあの赤紫色の靄だ。しかも死体になってもまだ消え去っていない……あれは一体? いや、あれってまさか!?)


 そして、フミカはようやく赤紫色の靄のオーラの正体に気付く。


 「そうか……あれは『隷属進化』だ! なんで今まで気付かなかったの? 嫌と言うほどこれまで見てきたのに!」


 そう言ってフミカは唇を噛みしめて壁をドンと叩いた。


 「フミカ!? どうしたの!?」


 そんなフミカの様子に驚いたフミコが声をかけてくるがフミカは険しい表情のまま言う。


 「このギガバイソンの襲撃は恐らくは偶然なんかじゃない……空賊連合の……『空の貴公子』ベルシの差し金だ! あいつがあのギガバイソンに力を与えてけしかけたんだ!」

 「『空の貴公子』ベルシ? 誰それ?」


 フミカが言った名前を、当然ながらフミコは知らなかった。

 当然だ。何せこの異世界のドルクジルヴァニアに着いた時、無干渉地帯のパワーバランスについてはケティーから説明を受けたが、それぞれの組織の重要人物については教えられていない。

 当然、ギルドユニオン総本部でも聞かされていない。

 だから名前だけ言われても「誰?」となるのは当たり前なのだ。


 「『空の貴公子』ベルシ、空賊連合の中でも中道派の筆頭である幹部よ。中道派であるがゆえに敵なのか味方なのかよくわからない奴で<明星の(アシェイン)>とはそれなりに腐れ縁があるわね」


 フミカはそう言って、以前戦った時の事を思い出す。

 あの時は確かゴーレムの中に赤紫色の靄のオーラを送り込んで操っていた。

 なぜそんな大事な事を今まで忘れていたのか?

 これも「空の貴公子」ベルシの特殊な力のせいなのだろうか?


 何にせよ、あのギガバイソンはベルシの『隷属進化』を受けている。

 となれば、まだ決着はついていない。

 フミカは地上で座り込んでいるカイトに警告する。


 「カイト! 気をつけて!! そいつはまだ死んでいない!! その赤紫色の靄を消さない限りは死なない!!」


 そう叫んだフミカにフミコが質問する。


 「フミカどういう事?」

 「あの赤紫色の靄のオーラは『隷属進化』によって強化された目に見える魂。言うなれば肉体が消滅しても、あの赤紫色の靄のオーラが健在な限りは死ぬ事はないの」

 「え? 何それ……そんなのって」


 フミカから説明を聞いてフミコが不安な表情になる。

 そして、その言葉は地上にいるカイトにも届いていた。



 「まじかよ……これで死んでないとか反則じゃねーか?」


 フミカの言葉を聞いて慌てて起き上がってアビリティーユニット・アックスモードを構える。

 とはいえ、この赤紫色の靄のオーラはどうやって消せばいいのだろうか?

 とりあえず炎で炙ってみるか?と炎の魔法「フレイム」を放とうとしたところで赤紫色の靄のオーラに変化が起こる。


 赤紫色の靄のオーラが形を変え、鋭い鋭利な刃となったのだ。

 そして自分の心臓を貫くべく、一気にこちらへと刃が伸びてくる。


 「ち!」


 これをアビリティーユニット・アックスモードを振るって弾くと、鋭い鋭利な刃は元の赤紫色の靄のオーラに戻り、レヴェントンの体へと戻っていく。

 そして斬り裂かれたレヴェントンの体を再生させると、レヴェントンが再び雄叫びをあげて起き上がった。


 「まったく、しつこい野郎だ」


 復活したレヴェントンを見てアビリティーユニット・アックスモードを構え直すが、レヴェントンは一瞬だけこちらを威嚇する動作をすると、素早く近くにいたギガバイソンの元に移動する。


 「な、なんだ?」


 そして、レヴェントンの「強制統率」から解放されて状況が飲み込めず混乱しているギガバイソンの顔を両手で掴むと強引に口を開ける。

 レヴェントンは上空に向かって咆吼すると、そのまま下を向き、口を強引に開かれて暴れ回って抵抗するギガバイソンに向かって、口から泥々としたヘドロのような赤紫色の靄のオーラを吐き出してギガバイソンの口へと流し込んでいく。


 正直、見ていて気分を害する、思わず吐いてしまいそうな光景であった。


 「おえ……なんじゃあれ? 気持ちわりー」


 顔を背けようかと思ったが、そうする前にレヴェントンがギガバイソンの口にヘドロのような赤紫色の靄のオーラを流し終えた。

 レヴェントンは両手を放してギガバイソンを地面に放り捨てる。


 するとギガバイソンは苦しみだして地面をのた打ち回るが、すぐに全身から赤紫色の靄のオーラが溢れだし、咆吼を上げると一気に2本足で起き上がった。

 レヴェントン同様、両前足は筋肉隆々な腕へと変化している。


 「ま、まじかよ……2本足の牛型モンスターが増えやがった」


 どうやらレヴェントンは赤紫色の靄のオーラを仲間に飲ませることで自分と同じ進化を促せるようだ。

 つまりはここに集結したギガバイソンたちすべてが2本足の牛型モンスターに進化する危険性がある。


 「冗談だろこれ……」


 しかし鑑定眼で新たに2本足の牛型モンスターに進化したギガバイソンを見てみると種族名が「ギガバイソンE-(マイナス)」であった。

 補足説明にはギガバイソンEの劣化版と書かれている。

 特殊スキルも「強制統率(脆弱)」と、どうやらレヴェントンが増やしたギガバイソンE-(マイナス)にはレヴェントンのような力はないようだ。


 だとすればギガバイソンE-(マイナス)は更に2本足の進化態を増やす事はできないだろう。

 ならば、ギガバイソンの群れからレヴェントンを引き剥がせばギガバイソンE-(マイナス)はこれ以上生まれない。


 (しかしできるか? 簡単に引き剥がせるか? そしてその後は?)


 考えて、決断する。

 ここで戦っていてもレヴェントンの戦力を増やすだけだ。

 ならば、何が何でもギガバイソンの群れからレヴェントンを引き剥がさなければならない。


 通常なら城壁に食いつかせなければならないギガバイソンを自分達が進んで脱線させる。

 それを実行しなければならない。


 できるかどうかではなく、やるのだ!

 決断すればすぐに行動しなけば、3頭目のギガバイソンE-(マイナス)を生み出されてしまう。

 歩廊にいるフミコたちに指示を飛ばした。


 「フミコ! 俺は今からこのギガバイソンをここから草原へと誘導して群れから引き剥がす!! だから下りてきて手伝ってくれ!! フミコの手助けが必要だ!!」


 それを聞いたフミコは目を輝かせると両手を握りしめて嬉々として叫んだ。


 「もちろんだよかい君!! うん! そうだよね! あたしとかい君のコンビならできない事なんてないもんね!! これまでも、これからも!!」


 そして軽い身のこなしで胸壁の上に飛び乗ると、そのまま勢いよく壁を蹴って宙を舞い、自分がいる場所へと飛び込んできた。


 「わっと!?」


 なので慌てて両手を広げて飛び降りてきたフミコを受け止めた。

 意図せずお姫様抱っこのような形となったが他意はない、この状況なら自然とそうなってしまうのだ。

 にも関わらず、フミコは小さく「やった!」と呟いていた。


 「お、おいフミコ危ないぞ?」


 そう言うがフミコは悪びれた様子は無く笑顔を見せる。


 「えへへ、だってかい君は絶対受け止めてくれるでしょ?」

 「ったく」


 そう言ってフミコを地面に下ろす。

 フミコはすぐに下ろされた事に不満を抱くが、今はそれに付き合っている暇はない。

 続けて他のメンバーにも指示を飛ばす。


 「フミカ、すまないが俺たちはオリジナルのほうをここから引き剥がす! 恐らくはオリジナルでなければ2本足は増えないはずだ、だから残った2本足を機械の騎士さんと一緒に倒してほしい!! 機械の騎士さんも頼む!」


 そう言うと歩廊にいたフミカがやれやれと言わんばかりの仕草をすると。


 「わかったよ。すぐに気付かなかった私も悪かったし、ここは指示に従ってあげる」


 そう言ってフミカは軽い調子で胸壁の上に飛び乗り、そのまま軽くジャンプしてすぐにTD-66の隣へと降り立つ。

 そしてTD-66を見上げた。


 「そういう事だからよろしくね、機械の騎士さん? いや、ティーだっけ? ……どう呼べばいい?」

 『お好きな呼び方で構いません。一時ではありますがよろしくお願いします』

 「そ、じゃあお言葉に甘えさせて貰うねティー。こちらこそよろしく」


 言ってフミカは背中に差した大刀に手をかける。

 TD-66も拳を構えた。

 それを見てヨハンに声をかける。


 「ヨハン!! お前は2本足を相手にする機械の騎士さんとフミカに変わってエマちゃんを守れ!!」


 言われたヨハンはしかし歩廊で苦い顔をした。


 「カイト……そうしたいのは山々だが今の僕にはこれだけ大勢のギガバイソンたちを退ける力が」


 そう言うヨハンを見てアビリティーチェッカーのあるエンブレムをタッチする。

 それはまさにヨハンから奪った能力である「召喚」であった。


 「召喚……こい! 風神剣!!」


 右手を突き出して叫ぶと宙に魔法陣が浮かび上がり、そこから剣の柄が飛び出す。

 それを掴んで引き抜き、歩廊にいるヨハンに向かって投げつけた。


 「受け取れ!!」

 「わ!? 危ないじゃないかカイト! ってこれは!!」


 こちらが投げた風神剣をキャッチしたヨハンが驚いた表情となった。

 それは風の魔剣、一振りで竜巻を引き起こせるとまで言われる代物だ。


 「いくら俺に能力を奪われたっていっても、体はまだ扱い方を覚えてるだろ? 通常の武器より、こういった魔剣のほうがヨハンには合っているはずだ!! それで2本足を機械の騎士さんとフミカが相手にしている間、他のギガバイソンたちからエマちゃんを守れ!! 好きだった幼馴染みの大切な妹だろ? 絶対に死ぬ気で守り抜け!!」


 言われたヨハンは下を向いて小さく笑うと、すぐに顔をあげて胸壁の上によじ登る。


 「あぁ、言われるまでもない!! ミラの大切な妹は……エマは僕が守る!!」


 叫んでヨハンは地面へと飛び降りた。

 フミカのようにスマートにはいかないが、風神剣を振るって風を起こし地面に着地する。

 そしてエマの元へと走って行く。


 「エマ!!」


 しかしエマはヨハンを見てすぐに機嫌が悪くなった。


 「な、なんでヨハンが来るのよ!!」

 「言いたい事はわかる……僕が許せないのも承知の上だ。でも、それでも僕は君を守るよ! 今度こそ、大切な人を失わせてたまるか!!」


 ヨハンはそう叫んで風神剣を構える。

 そんなヨハンの後ろ姿を見てエマは複雑な表情になった。


 「な……何よ、何なのよ……なんでそれをお姉ちゃんにしなかったのよ」


 エマのそんな言葉は果たしてヨハンの耳に届いたのか、ヨハンは真剣な表情でギガバイソンたちを睨み付ける。



 TD-66にフミカ、ヨハンはこのまま任せて大丈夫だろう。

 なので残りのメンバーにも指示を飛ばす。


 「リーナちゃん! そのまま歩廊からみんなの援護を頼む! リエルとケティーはそのまま監視を継続してくれ!!」


 言われたリーナは両手を握りしめて鼻息荒く答えた。


 「任せてマスター!! わたしがちゃんとみんなの援護をおこなうから!!」


 そう言って狭間胸壁に以前ケティーが護身用に渡したアイテムの1つ、暴動鎮圧用放水砲を設置しギガバイソンたちに狙いを定める。


 それを見て準備は整ったとフミコに声をかける。


 「さて、それじゃあ始めようか!」

 「うん! あたしとかい君に倒せない敵はいないよ!!」

 「あぁ、そうだな!」


 そう言うフミコにサムズアップしてみせてレヴェントンへと向き直る。

 そしてゴリラアームだけだった体を完全に魔物へと変化させた。


 「うぉぉぉぉぉぉ!!」


 「ゴリラアーム」の全身完全変化形態であるギガントピテクスとも呼ばれる魔獣ビッグフットの姿になると咆吼をあげてレヴェントンを威嚇する。


 レヴェントンはこちらが魔獣ビッグフットの姿に変化した事に驚いた表情を見せたが、すぐに負けじと咆吼をあげ、こちらに向かって走ってきた。

 なのでこちらも拳を握りしめてレヴェントンを殴るべく駆け出す。




 ギガバイソンE-(マイナス)もレヴェントンに続こうとしたが、それをTD-66が横からタックルをくらわせて止める。

 タックルをくらったギガバイソンE-(マイナス)は悲鳴をあげながら地面に倒れ込んだ。


 『あなたの相手はわたくしたちですよ?』

 「カイトとフミコの元には行かせない!!」


 タックルをくらわせたTD-66に続いてフミカが背中の大刀を引き抜き、倒れたギガバイソンE-(マイナス)の体を斬り裂いていく。

 しかし、ギガバイソンE-(マイナス)は咆吼をあげて体中から赤紫色の靄のオーラを漂わせ、全身を鎧のように覆っていった。


 「ち!」


 フミカの斬撃は確かにギガバイソンE-(マイナス)の体をバラバラに斬り刻んでいくが、赤紫色の靄のオーラがすぐにギガバイソンE-(マイナス)の体をくっつけて元に戻していく。


 「ちょっと面倒だね、あれ」

 『はい、なんとかあれを無効化する術を考えましょう』


 TD-66はそう言って警備コントロール室にいるリエルにオプションパーツを依頼する。

 そうしてる間にギガバイソンE-(マイナス)は起き上がると上空に向かって咆吼をあげた。

 すると、今までキョトンとしていたギガバイソンたちが一斉にTD-66とフミカに向かって敵意を見せ、突撃の体勢をとる。


 特殊スキル「強制統率(脆弱)」だ。

 脆弱であってもここにいる数の敵意が誘導できるらしい。

 ギガバイソンE-(マイナス)がニヤリと笑うとギガバイソンたちは一斉にTD-66とフミコに向けて走り出した。

 だが……


 「させないよ!! これでもくらえーー!!」


 リーナが歩廊から暴徒鎮圧用放水砲を放ち、その水圧にギガバイソンたちがなぎ倒されていく。

 さらに。


 「これ以上は近づけさせない!! はぁぁぁぁ!!」


 ヨハンが風神剣を振るい突風を発生させる。

 その突風に多くのギガバイソンが吹き飛ばされていった。


 それらを見たギガバイソンE-(マイナス)が怒りに満ちた表情で咆吼をあげた。

 そんなギガバイソンE-(マイナス)にパイルバンカーを装備したTD-66と大刀を構え直したフミカが斬りかかっていく。



 そんな戦いなど気にせずレヴェントンは真っ直ぐに魔獣ビッグフットとなったこちらへと向かってくる。

 なのでこちらも負けじと加速し、タックルをかました。


 ギガバイソンEと魔獣ビッグフット、その巨体がぶつかり合い、衝撃が周囲に拡散する。

 一瞬怯んだ隙を見逃さず、咆吼をあげて一気に掴みかかる。

 しかしレヴェントンも負けていない。


 巨大牛と巨大なゴリラ、まるで怪獣映画そのままの激しい肉弾戦がはじまった。

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