一話
ここは・・・・何処なんだ?一瞬前まで暗かったのに、急に眩しくなって意味が分からないんだが?今どうゆう状況なんだ。
それにさっきまで温かかった筈なのに、急に寒くなった。ころころ状況が変わって着いていけないんだけど。しかも、さっきまで、今まで感じた事がないぐらいの安心感に浸っていたのに、今は物凄く漠然とした不安感が、俺を包み込もうとしてるんだけど。
でも、それを何とか押さえて、それより何より、今も刻一刻と寒くなるこの状況を早く何とかしないと!・・・って!・・・うそだろ?・・・ちょっと待て、体の感覚がある!さっきまで魂だけの状態だったのに!・・・って事はもしかして生まれ変わったのか!?
ムト様、ありがとうございます。なんか生まれ変わり先を探してくれるって言ってたから、もっと時間が掛かると思ってたんだけど、意外に早く見つかったんだな。そうか、そう思うと、この状況やっと理解できた。そうか、この一連の流れが生まれたての赤ちゃんが体感する事なのか・・・・やばいな、洒落になってないな。俺はまだ記憶と意識を持ってるし、転生をするって知ってたからこれくらいで済んでるけどこの状況を全く知らない状態で経験したら、下手したら死ぬんじゃないかな。そうか、だから、生む方も生まれてくる方も命掛けなのか・・・・・って、ちょっと待て何で俺は、この状況で哲学っぽい事考えてるんだ!そうじゃないだろ!早く何とかしないと、そうだ! 今寒くて大変ですよって、アピールすればいいんじゃないか! 体があるって事は、声が出せるってことだな、では早速。
「おんぎゃあ〜! おんぎゃあ〜! おんぎゃあ〜! おんぎゃあ〜!」
どうだ! 伝わったか!言葉はまったく喋れないが、なんとか、俺の思いが! 誰でもいいので早くこの寒い状況を何とかしてください!。
そして、その時がきた! 何か温かい物に足元から浸かっていく感じがする!これは、お湯か!産湯とゆうやつかたぶん間違いない!なぜなら、足元からキレイに洗われてる感じがするから! どこのどなたか知りませんが! ありがとうございます。何とか一息着けそうです。
そして、すこし時間を掛けて、隅から隅まで丁寧に洗って頂きました。洗われている最中に余裕ができたので、回りの様子を窺って見たけど・・・全く分かりませんでした。
何せ、目はよく見えないし、耳もほとんど聞こえない、体も動かそうとしてみたけど、全然、力が入らないから動かしようがない。こんな状態で分かるわけがない、しいて言えば、複数人の人が世話しなく行ったり来たりしてるのが、かろうじて分かるぐらいか。
そんな訳で、はっきり言って、俺には何もすることができません、ですので少し前から徐々に押し寄せてきている、睡魔に身を委ねようとおもいます。
そうして特にこれと言った事もなく、おっぱいを吸い、お漏らしをして、赤ちゃんとしての役割を全うし日々を過ごし。時にあらぶる感情に身を任せおっぱいを吸いお漏らしもし、何事もなく平和に半年ぐらいがたった。
そして半年ほど経つと、最初は動かしずらかった体もある程度動かせる様になり、目もある程度見えるようになった、ただ連続で目を動かすと、かなり疲れるのであまりキョロキョロしたくない。耳の方も、最初に比べると聞こえる様になり、ある程度聞き分けられるようになった。なので最近は、起きてる間は情報収集に励んでおります。
いってるそばから、誰か来たようだ。
「お〜い二人とも元気か? 俺は元気だぞ〜」と言って近づき、俺の隣に寝かされていた、姉を抱き上げる。ちなみに驚くなかれ、俺が生まれた日に、もう一人俺の前に生まれていたのだ。あの時は、自分の事で一杯で気づかなかったが、少ししてから、俺の横で、同じ様に泣いてる奴がいたので気づいた。俺は、所謂双子の片割れで転生をしたみたいだ。
そんな感じで、姉を抱っこしていたら、後ろから近づいてきた女性に怒られた
「ちょっと、ロキ、シャロンはさっきまでグズって、ようやく落ち着いて少し前に寝てくれたのに。また起きちゃうじゃない。やめてよ、抱っこしたいなら、ノエルの方を抱っこしてよ。この子なら問題ないから」と言って、シャロンを優しく奪い、俺の隣に寝かしつける。
そして、姉の代わりに、俺を抱き上げ、ロキと呼ばれた男性に優しく渡す。
ちなみに、ここで、俺の事を含めて、新しい家族を紹介する。まず始めに、この『ロキ』と呼ばれた男性が、俺の新しい父親だ。正しい年齢は分からないが、たぶん二十代後半から三十代前半だと思う、それから、髪の色は赤で、瞳の色は茶色で、肌は白く、身長は、170㎝は余裕で越えていると思う。体格は、たまに裸でうろついているから、知っているが、細マッチョと言われる感じだ。顔は上の中といった感じで10人いれば7人は振り向くといった感じ。職業は、現役冒険者で、ダンジョンに潜って稼いでいるらしい。
そして、今俺を優しく抱き上げ、ロキに渡した女性は、新しい母親で、名前は『エステル』と言う、髪の色は金髪で、瞳の色は青色で、肌は白く、とても優しそうな顔をしている。年齢はロキと同じぐらいだと思う。身長は165㎝ギリ届かない感じだと思う。ちなみに、オッパイはデカイたぶんだが、Fぐらいはあると思う。毎日お世話になっております。(意味深)
ちなみに家は、冒険者相手に、道具屋を営んでいるらしく、エステルはそこで、自作のポーションや買い付けた商品を売っているらしい、昔は、エステルも冒険者だったが、子供が出来たために、一生懸命貯めたお金で商売を始めたらしい。まだはじめて、数年だが、ロキと昔の知り合いのお陰で安定しているらしい。
そして、姉を紹介します。一人は、俺と同じ日に生まれた姉、名前は、『シャロン』髪の色は、父親に似て髪は赤、瞳の色は母親ゆずりの青色で、肌は白く、何かにつけて、よく泣き、よく食べ、よく眠り、元気一杯の姉です。将来どんな風に育つのか楽しみです。
そして、もう一人、ここにはいないが、毎日、両親のどちらかに連れてきてもらい、顔を合わせている姉、名前は『ティナ』年齢はたぶん二歳ぐらいだと思う。髪の色は、これまた父親似で赤。瞳の色は茶色で、肌は白く、とても可愛らしい顔をしている。将来間違いなくモテるだろう。
そして最後に俺、名前はノエル、髪の色と瞳の色は母親譲りだ、肌は白く、以前鏡で見たら、とても眠たそうな顔をしていた。両親共に美男美女と言っても差し支えは無いと思うので、将来に期待したい。っと、家族紹介をしていたら話が進んでいたらしい。
「ちょっと待て、俺は、ノエルを抱っこしたいんじゃなくて、シャロンを抱っこしたいんだ。それに、見てくれよ、この嫌そうな顔、赤ちゃんてこんなに露骨に表情にでるのか?眉間にシワが寄ってるぞ」と言って、母さんに渡そうとする。
それにたいして母さんは 「それは、あなたの抱っこの仕方が悪いからそんな風になるのよ、仕方ないわね。かしてみて、こうゆう風に優しくしてあげると・・・ほら見なさい、嫌そうな顔なんかしないじゃない。まったくこれだから、父親はダメなのよ」と言いつつ、あやしてくれる。それを見た父さんは。
「おかしいだろ! ティナやシャロンは問題なく抱っこできるのに、何でノエルだけ露骨に態度が違うんだ! それによく見てみろ、普段眠たそうな顔してるのに、お前に抱っこされるときだけ、生き生きしながら、オッパイを触りまくってるじゃないか、おかしいだろ!? これって俺だけの問題なのか」と、抗議してくる。
そして俺は思う、どこの世界に、意識と記憶を持って転生した奴が、好き好んで父親に抱っこされたいと思うのか、鍛えられた体のせいで、安定感はいいが、その代わりに、抱かれ心地は最悪に近い。俺は、女じゃない、そんな体で抱かれて喜ぶのは女性だけだ、それに俺は、あーー!ではない。性癖はいたってノーマルだと、よけいな事まで思いながら、母さんのオッパイを触りまっていると。
「おかしくないわよ、まったく、生後半年の赤ちゃんに何考えてるの?今日はたまたま気分が悪かっただけでしょ。それに、普段からティナやシャロンに比べて全然手が掛からないのよ、生まれた時は、あまりにも泣かないから心配したけど、今はちゃんと呼べば反応するし、問題は一切無いわそれにおっぱいに興味があるのはあたりまえよ、ないほうが逆におかしいわよ」と言って、ロキの意見を否定する。
「ほんとうにそうなのか、俺にはなんだか、邪な感じがするんだが、俺の気のせいか?」とよく聞こえないが何やらぶつぶつ言っているが、エステルは気にする事なく、さっきからオッパイを触りまくっている俺に笑いかけ、お腹が空いてるのかしら? と、言いながらオッパイを飲ませようとしてくるので、お腹は空いていないが、ありがたくいただく事にした。
それからまた、情報収集しながら、穏やか日々が過ぎていく、あれから時がたち。ようやく三歳に成った