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私の周りで咲いた花  作者: 一了
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数日後、検査の結果私もこの家の人達も皆問題ないと出たらしい。本当に良かった。


まだ挨拶すらしていないるりちゃん父は職場の近くのホテルで寝泊まりし、私と間近で接触した人は結果が出るまで自宅待機しなければいけなかったせいで、肩身が狭すぎて半分くらいの大きさまで肩が削れるかと思った。ご面倒をお掛けし大変申し訳なかった。


そして今日は今後の為の面談が行われる。主に私の住む場所や仕事についてのことらしい。シンプルに助かる。この世界は少しお金にも違いがあるから、持っているお金は使えない。つまり今の私は一文無しです。


役所の人に案内されて小さい部屋に通される。役所ってもっと賑やかなスペースでやり取りするんじゃないの?こんな静かなところで何を話すの??


別の世界から来たと証明されれば特別支援金が支給される?それを嫌がる人もいる?ほーん、じゃあしょうがないか。他の世界線とはいえ、支援金は税金で払われるんだろうし、それに納得できない人もいるよね。今後は私も払うことになるけどね!



「それでは、これが現在登録されている情報となります。ご確認ください。」


はぇー。


「他の世界から来たというのは、こんなに早くわかるものなのですか。」

「✕✕様はパスポート等をお持ちでしたので、身元の確認などが比較的容易だったそうです。何も証明するものがなければ残念ながら支援を受けることが難しいこともあります。」


ひぇー。


持ってて良かったパスポート!やっぱり時代は日本のパスポートですわ~!免許証がない代わり発行して正解だったってこと。情報の記載に問題無しでーす。


「では、今後の住居に関してですが、このまま星宮家に住むことも可能とお伺いしておりますが···」

「いえ、これ以上ご迷惑をおかけするわけにはいきませんので。」


すでに迷惑かけまくってるのにこれ以上とか無理すぎ。胃が溶け消えるわ。

手渡されたいくつかアパートの資料を眺める。改めて見ると一文無しにはお家って高い買い物なんだな。


「初期費用は別の世界のものをこちらで買い取る方を紹介することもできますので、ご一考ください。」


漫画とかで見たことある展開だ!

いくつか買取価格の例を挙げてもらうと、まあまあなお値段だ。珍しい素材とかのものは持ってないのに、何に使うんだろう。研究みたいな感じ?


「また、携帯電話などの電子機器などはさらに高く買い取っているところもあります。」

「そうなんですね。どういったように使われるのでしょうか。」


「携帯などは履歴などを調べ、そちらの世界についての考証などを行います。」


やめてください死んでしまいます。


「そう、ですか...でも、これには大切な思い出などがありますので...1人ぼっちになってしまいましたが、せめてこれだけは、大切にずっと持っていたいんです。」


なるべくしおらしく見えるようにそっと目を伏せる。何を言うとんねん、絶対渡さんからな。楽しいオタクライフ(ボッチver)には、聞かれても答えられない履歴が沢山あるんだよ!2次元の創作的なアレとか、キャラに合う花や色とかを片っ端から調べたりとかな。白だけで何百色もある上に、色言葉とかもあるんだぞ。めちゃくちゃ楽しいんだぞ。これは脈絡がなさすぎて、履歴見た人は困惑すること間違いなし。


「そうですよね。無理にとは言いませんので大丈夫ですよ。」


その後は落ち込んで見えるこちらに同情したのか、より優しく対応して貰えました。うへへやったぜ、棚ぼたじゃん。しかし流石は別の世界。えげつないことをしようとするなぁ。この世に履歴やらなんやら見られても平気な清廉潔白な人間がいるとでも思ってんのか。


ちなみに私がこちらに来てすぐに飲み物を買った時の小銭は無事回収され、何か調べたいとかで実際より高い金額でこちらのお金になって私のところに戻ってきた。ラッキー。


その後、無事ギリギリ3ヶ月は暮らせそうなくらいのまとまったお金が手に入り、住むアパートも決まった。


あとは···、えっもしかして就活リターンズ!?

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