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神魔と踊れ邪道勇者よ  作者: 千堂龍一
異世界転移と死と再生
3/8

#3 異世界転移。そして双子の女子

途中残酷な描写があります。そういう表現が苦手なかたは退避してください

何度か修正が入ってますが、流れとしては変わっておりません。

17.12.2.新たに二人追加。


 目を覚ました宗司は、自分達が木の側で倒れていることに気付いた。

太陽の向きから昼くらいだろう。空は紫がかっていて地面は砂地であり、車とは違う細い轍がいくつか地面に刻まれていた。

 そのため、ここが異世界なのだということ実感する。

また、恐竜のような三つ指の大きな足跡もあった。


『なんの足跡なんだろうか』


よく見ようとして起き上がるが痛みはない。傷もなかった。古い傷もしっかり消えていた。先のほうには山があって何処となく田舎を連想させていた。草が、ぼうぼうに生えているところとそんなに生えていないところで何処が道かが分かる。


「「「「「ここが異世界」」」」」

5人で顔を見回す。

制服姿はそのままだけれど、宗司の手には革手袋がはめられていた。足には上履きではなく学校指定の白いスニーカーを履いている。


「とりあえず時間でも見るか」


宗司はスマホを取り出して時間を見るとちょうどお昼だった。続いて知りたいことがある。目を向けるとウインドウが表示されていた。それをタッチして凛のステータスを見る。


『天道凛 種族:人間 性別:女 年齢:17 T:160 B:86 W:56 H:88

LV:91 西洋剣士 天道流剣術士 魔術師

特殊スキル 真名の確認 ステータス確認 調理 自動MP回復

HP:9871-9871

MP:9800-9800

神力99-99 気力31-31

経験値12345914 次のレベルまであと9881

属性:光、水、土、風

右手:なし 左手:なし 武器:刺突剣 頭:なし 身体:異世界制服 腕:なし

力:888 素早さ:889

知性:116 体力:773

幸運:152 攻撃力:1169

命中率:1253 防御力:32

回避率:2251』


となっていた。スリーサイズまでわかるのかよ。あの神様も女好きなのかなと思った。


一通り見たところで大和が変な顔をしているのに気がついた。


「あのさ、宗司。お前のステータス。僕のほうでは見られないんだが」


「あっ。本当。私の方でもみられないわ」


凛も宗司のステータスを確認してつぶやく。


「えっ」


自分のステータスを見る。


『御堂宗司 種族:人間 性別:男 年齢:17

LV:121 剣士LV:121 剣術LV:123 格闘技LV:123 魔導師LV:121

特殊スキル:手加減魔法 調理師 ステータス看破 魔法掌握術 陰陽師 

気功師 神 魔 MP消費半分 自動MP回復 才能限界無し

HP:99999550-99999550

MP:999925-999925

神力:9991-9991

気力:99981-99981

魔力:99981-99981

経験値:189999981

次のLVまであと9999981

属性:火、水、氷、雷、風、土、無、光、闇

右手:防刃手袋+なし 左手:防刃手袋+なし

武器:防刃手袋×2 ただの木刀×2』


 とまだまだ下はあるようだがステータスが凛とは全く違うことに気付く。

レベル121って一体。しかもまだ強くなれる要素はあるようだ。

大和のほうを見るとLV92となっていた。スキルに医療とある。徹と薫に至ってはレベル81だ。


「あー。なるほど」


 宗司だけとんでもないレベルになっている。ゲームなんかでは上位の存在だとステータスを見ることができない。ダメージなんかを与えてようやく見られるのだ。


「なんか悪ぃ。なんか俺だけおかしなことになっているみたいだ。でも、これだけ差があるとちょっと襲われた場合、軽くやっただけで敵なんかミンチになるぞ」


宗司が髪の毛を掻きながら言った。


「まぁ、あんたがおかしいのは元々だから気にしたら負けね」


頭の後ろに巨大な汗をかいたような苦笑いをしながら凛が言う。


「僕、宗司には絶対勝てないって実感したよ」


大和は死んだ魚のような目になって感情のこもっていない声で言った。


「ちっ!いずれ僕が追い越してやる」


徹は今に見ていろよというような挑戦的な顔をした。


「なんで徹様よりも上ですのよ!納得いきませんわね」


薫は心底腹を立てて言った。


口々に感想を漏らしていると凛のスマホが反応する。


 着信は第1超神ゼウアリストとなっていた。


「ステータスは確認したようじゃの。武器なんかは売ることもできるが異世界のものだから付加価値は付くかもしれんが安いじゃろうて。とりあえずマップはそっちの世界使用になっておるから近くの町で服や元世界の硬貨を売ってお金に変えるといいじゃろう。では、がんばれ」


そう一方的に言って電話は切れる。


「こっちの意見何も聞かずかよ」


と宗司が突っ込みを入れると再び電話がなる。


「聞きたいことは分かるが、それは楽しみを奪うようでつまらんじゃろう。宗司君のことはわしでも完全には見られないんじゃよ。あと、魔法で力10分の1というのがあるから大丈夫じゃ。それで一流冒険者レベルじゃから100分の1くらいを、かけておかないと相手が弱すぎてつまらないじゃろうて。一応習得している魔法はスマホで見られるし、武器や所持品も可能じゃよ」


そういうと再び切れる。宗司はすでに超神よりも上なのだということを自覚し、死んだ魚のような目で、ため息をついた。見ると完全にあきれた二人の顔があった。徹と薫に至っては納得いかないだの、何だのかんだの言いながらほぼ二人の世界に入り込み始めていた。


 武器はどうやって取り出したらいいのかを考えるとウインドウが出て取り出したい武器名をつぶやいて装備と言えば可能と書いてある。


 魔法はと思うとウインドウが出るがスマホで確認してくださいとしか確認できなかった。

スマホで確認すると一般魔法から第六位階魔法まで様々だ。精霊魔法なんかも可能なようだ。

気を取り直して現在位置からマップの倍率を下げていく。


「えーっと……一番近い町はハクポス?」


情報を見ると新政マラシャ王国の中にある町らしい。


「そうみたいね。とりあえず歩こうか。歩くしかない。まぁ、幸いにして距離はそんなにないようだし」


凛が自身のスマホで確認する。

確かに1時間ほど歩けばゆっくりしてでも着く距離だった。既に町は視界に入っていた。




しばらく歩くと、宗司は何やら戦っている気配がした。


「!」


凛と大和も何かは感じとっているようだ。

などの声と共に金属がぶつかる音や爆発音が聞こえた。


「これは……戦闘音! 行ってみよう。凛、大和!」


魔法10分の1を使う。ステータスを見ると0、1しか減っていない。が、すぐに回復した。


「はい」


「応ッ!」


森の中に入って5分くらい行った場所で女の子二人が戦っていた。森の中では若干開けた場所ではあるものの、結構な雑木林の中であった。苔で地面が覆われているため、滑りやすそうだ。

太陽のような明るいオレンジ色の長い髪を腰まで届くポニーテールにした少女はガントレット。同じ色の髪をショートカットの外はねにしている少女はランスで攻撃している。双子なのだろう。顔が良く似ていた。


 どうやら異世界では定番の毛人間コボルトなのだが、ちょっと数が多くて子供くらいの高さしかないため、手間取っているようだった。後ろから一匹がショートカットに向かっていくのを宗司は気づいて飛び出した。


「オラァ!」


宗司は相手に向かって飛び蹴りを放った。気分は某仮面戦士だ。


「キュゥッ!キュハッ……」

威力がやはり強すぎたらしく、ダメージを与えられたモンスターは木に激突し、血を吐いて完全に絶命した。


「キュッ!?キュー」


コボルトの隊長らしい獣が驚いて周りを見渡した。気付かれたと思った凛は飛び出してレイピアで突進して突く。獣相手ならあまり手加減する必要性がないため、凛は躊躇いなく突いた。途端に獣の体液が飛ぶ。


「キュウ。キュキュウ」


大和も飛び出して木刀でコボルトを叩いていく。


「無事ですか」


凛はショートカットに聞いた。


「あなたたちは一体……」


ショートカットのほうが声をかける。


「話はあとだ。とりあえずこいつらをつぶすぞ。凛。お前はショートカットの子の後ろを守ってやってくれ。大和。お前はポニーテールの子だ。俺は数を減らす」


宗司は指をゴキゴキ鳴らすと凛と大和に言う。向かってくる若干、後ろのほうにいるコボルトを蹴り飛ばしたり、ジャンプして頭上から攻撃してきたコボルトをアッパーで殴り飛ばす。


「ちょっと何命令してんのよ。私の方が立場は上よ」


凛が文句を言う。


「学校ではそうだが、喧嘩や実践経験では圧倒的に俺のほうが上だ。文句は後で聞いてやる。」


宗司が言いながらも、二匹の首根をつかみ互いの頭を叩かせながら後ろから来る敵を裏蹴りで返す。などまだ余裕があった。

「うっとぉしいですわよ」


薫が扇子をコボルトの頭を狙い叩きつける。


「邪魔だぁ!僕の邪魔をするなぁ!うらぁ!」


徹は苦無を袖口から出しては投げている。服から蛇口をひねって水がでるように出てくるように出すクナイ。一遍、服の中を見て見たい気がするが、そんなことをいっている場合でもない。



 数分後、二百は居たコボルトが死体の山と化していた。


「ありがとう!」


そう言いながらショートカットの女子が宗司に抱き着く。ランスは腰に、盾は背中に留めている。


「うん。ありがとう」


ポニーテールの女子も後ろから抱き着いてくる。両側に大変柔らかいものが当たって気持ちいい。

ちょっとくらい触れてもいいよなと思い手を伸ばそうとするが


「宗司! 何してんのよ!」


凛が腰に手を置いて言う。


「なんだ。凛もしたかったのか」


「違うわよ。……そりゃぁ、私だって初めてのモンスター討伐だし、宗司に甘えたいって気持ちはあるけど……でも、そんなことより話とか聞かないと」


(うわ。可愛い)


と宗司は凛の顔を見て思った。でも、いつまでも鼻の下を伸ばしているわけにはいかない。


「すまん。いつまでもこうしていたいけれど話ができない。悪いが離れてくれ」


「「はーい」」


双子は離れると少し残念そうな顔を見せる。

(可愛いな)


「僕もいるんだが、なんで宗司ばっかり。僕は神藤大和」


やれやれといった顔で大和は言う。


「俺は御堂宗司」


双子の顔を交互に見て言った。


「私は天道凛よ」


凛は胸の下で腕組をして言う。


「僕は霧島徹だよ。宗司なんかに抱き着くんじゃなくて僕に抱き着くべきだったな」


それが一番良いんだとでもいうように徹がニヤつきながら言う。


「わたくしは十六夜薫ですわ。徹様の婚約者フィアンセですのよ」



「シンドウ? ミドウ? テンドウ? キリシマ? イザヨイ? ……変わった名前ね。それに変わった格好ね」


「あー。姓は御堂で名が宗司なんだけど。格好は後で説明する」


「へぇー。名前と苗字が逆なんだ。東国の島国にシャイパンって国があったわね。そこの人?」


「うんうん。確か、そこではそういう名前の付け方だったね」


シャイパンか。そういえば英語ではジャパンだったなと宗司は思う。二人の名前を教えてくれないかと聞いた。


 「ユイはユイ・コートフィリア。ユノと双子の姉妹よ」


ポニーテールが言う。ステータスを見ると


『ユイ・コートフィリア 種族:人間 性別:女 年齢:15 T:150 B:84 W:56 H:88

LV:10 我流武術士 魔術士

HP:229-229

MP:29-29

気力:1-1

経験値2349 次のレベルまで521

属性:火、風、無』


となっている。


「うんうん。ユノはユノ・コートフィリア。ユイとの双子の姉妹」


『ユノ・コートフィリア 種族:人間 性別:女 年齢:15 T:150 B:84 W:56 H:88

LV:10 我流剣術士 魔術士

HP:229-229

MP:29-29

気力:1-1

経験値2349 次のレベルまで521

属性:水、氷、風、光』

となっていた。


 「これだけの敵を二人でなんて無茶よ」


凛が気になっていたことを双子に言う。


「いやー、それなりに経験もしてきたしコボルトくらいならユイたちでも可能かなって思っていたんだけどね。ハクポスギルドの依頼では35匹だったけどこれはそれ以上いるわね」


ユイが額に手をあてたりしながら横目で討伐したコボルトの残骸を見た。


「うんうん。大丈夫だと思ってたの」


ユノが自身の手を合わせて言う。

確かにLV10は戦いに慣れ始めた頃だろう。だが甘い。


「それより俺たちは迷い人ってやつであんまりこのあたりに詳しくないいんだ」


「ついでに記憶喪失なの。だから名前以外はほとんど覚えていないの。この国のこととか教えてほしいんです」


「まぁ、僕達5人が幼馴染で名前と年齢、武術使いってことくらいは覚えているのだけど。生活や国のことなんかはあんまり覚えてないんだ。そこらへんのこととか教えてくれないかな」


 「なるほど。そういうことなら教えてあげるね」


「うんうん。ユノも教えてあげる」


「まず、ここは新政マラシャ王国の辺境の町ハクポス近くの森よ。町は衛兵が守っているのだけれど。

まぁ、あなたたちのことは身分が証明できないだろうから。そこらへんはあなたたちが上手くやってくれることを期待するね」


「うんうん。あなたたちなら大丈夫そうだし。あっ。そうだコボルトの毛皮とジュエルジェーム(魔石)を取らないと。これだけの数だと何度も往復しないと駄目ね」


「凛、大和ここは俺達の出番じゃないか」


「そうね。でも一人ではこの数は無理ね。二人でなら何とかできるけど」


「どういうことだ」


「僕と凛が持てる量は最大で50しか持てないんだよ……これを見てくれ」


そう言って大和がスマホのアイテムボックスを見ると最大50までしか持てませんと表示されている。


「「なぁにそれ」」


と双子が興味深そうに見てくる。


「ああ。僕達しか使えない魔道具だよ」


と大和が答える。


「あんまり気にしないでほしいんだけど」


宗司が言うと


「わかったわ」


「うんうん。わかった」


「俺のほうは……うわっ。1000以上だな。凛、大和で引き取ってくれ。俺は残りと皮とJJジュエルジェームを取る。」


宗司がスマホを見ながら言う


「宗司。やっぱりあんたどこかおかしいわよ」


とあきれ顔で凛は突っ込んできた。


「手分けしないと無理よ」


とユイが言ってくる。


「大丈夫だ。|バルク(一括)|サプレーション(分離)JJとコボルトの毛皮」


頭の中で魔石と毛皮をイメージして分離させる。


「えっ?ええっ? 分離魔法って確か英雄級の超上位魔法よ」


「うんうん。あなたたちって本当に何者なの?」


「そうなんだ。あまり詮索しないでほしいな。無属性魔法|ウェアハウス(倉庫)」


大和が言いながら宗司が分離した物を数えながら50を倉庫魔法にしまう。


「|無属性魔法バルク(一括)|ウェアハウス(倉庫)。大和は慎重すぎるのよ。こうすればすぐに済むじゃない。」


凛がそういいながら何やらウインドウを操作する。


「そういわれても性分なんだよ」



「慎重が悪いことじゃないけど、大和はな……少しは徹を見習ったらどうだ?」


「僕がどうかしたのかい?地道な作業というのは僕には向いていないんだ。早くしたまえ」


「ええっ?あなたたち。格納魔法も持っているの?もう、あなたたちには驚かされてばかりだわ」


「うんうん。それにしてもどんなJJを使っているの?高度な魔法を使うとJJは破壊されるってことは常識よ」


「それはちょっと突っ込まないでほしい。説明しにくいから」


「「わかったわ。でもいずれ教えてね」」


双子がユニゾンで言った。いずれってことは仲間になるってことだなと宗司は思った。

そうしてハクポスの町門まで行く道中楽しく歩いたのだった。








今日はここまで

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