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チャッカマン・オフロード  作者: 古川アモロ
第12章「なす術もないパニックを焼き捨てる神の使いへ」
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第91話 「NGワード」




挿絵(By みてみん)




 飛びまわる煙羅煙羅。

 煙幕に包まれる周囲。


 大混乱の港―――




挿絵(By みてみん)




 ニニコの手錠が、さらさらと消えた。

 それを、ぽかんと(くち)を開けて(なが)めていたレインショットが――― 


「キミッ! そ、そうか、助けに来てくれたのか!!」


 ものすごい表情で駆け寄ってきた。

 必死にシーカに(つか)みかかる。ニニコとシーカのあいだに、強引に割って(はい)った。


「アッ!」

 体当たりされるニニコ。


「ちょちょ、ちょ。だ、誰……!?」

 ドン引きのシーカ。



「キミは……君は、魔王軍(・・・)のエージェントか! そうだろう!?」

 目を輝かせながら、レインショットが叫ぶ。




挿絵(By みてみん)




 ……魔王軍?


 レインショットは、なにを言っているのか。

 シーカが首をかしげる。


「ニ、ニ・ニコ。こ、この、お・オッサン、なにを……」

「知らないわ! 魔王はその男よ!」

 困るシーカ。

 怒るニニコ。



「わ、私を逃がしに来てくれたんだろう? は、ははは。そうだろう、そうだろう……は、はは。あ、あれだけの上納(じょうのう)をしてるんだ。わ、私を見捨てるはずがないよな。は、はは……」


 レインショットはもう、正気を失っているのか?

 手錠をされた手で、シーカの服を伸びるほど引っぱる。助けに来てくれた、と誤解してる(・・・・・)らしい。

 

「ち、ち、ち、ちがうよ。参った・な」

 迷惑そうなシーカ。

 シッシッと手で追い(はら)おうとするが……レインショットは離れてくれない。


 煙羅煙羅(えんらえんら)の赤い煙はどんどん広がり、2メートル後ろに倒れているはずのトラ、フォックスの姿さえ見えない。

 騒乱が大きくなっていく。



「きみ……ほ、ほら、手錠を外してくれ。は、はは。す、すごい籠手じゃあないか。き、君のアイテムかね。この煙幕も……はは、す、すばらしい。は、はやく手錠を……」


 レインショットが、両手をシーカに突きつける。はやく手錠を外してくれ、と言わんばかりに。

 しつこい。

 

 あわててニニコは叫ぶ。


「だ、だめよシーカ! レインショットを助けないで! やめて!」


「やかましい、すっこんでいろ!」

 怒るレインショット。


 

「ん……ん? レ、レ、レイン……」

 シーカが(まゆ)をしかめた。

 教会で、ルディ神父が言ってたことを思い出す。


(はて、どこかで聞いたような……ああ!)

(こいつが、レインショットか)


 

 シーカがひとりで納得しているあいだも、ニニコとレインショットの口論は続く。


「あんたなんか死ね! ワーワー!」

「は、はははは! き、聞いたかね? わ、私に死ねだとさ。ははは……」

 死ねとか言うニニコ。

 笑うレインショット―――


 続けて、言ってはいけないことを言ってしまった。

 禁断のひとことを。


「この厄病神(やくびょうがみ)が!」

 鬼のごとき形相でニニコに言い放つ。



 直後。


 ズバン! 



 ……いやな音がした。

   


 

挿絵(By みてみん)




 厄病神。


 その言葉を聞いた瞬間、シーカが()()をヒュンと振るった。レインショットの手錠が、粉になって消える。


「はい。は、は、外した、ぞ」

 小さく答えるシーカ。

 とても冷たい目で、レインショットを見ている。



 レインショットの両手首をつないでいた手錠が、消えた。


 レインショットの手首ごと。


 血の一滴(いってき)さえ出ない。

 朽ち灯によって、彼の手首は消えてしまった。手錠とともに。



「あ、お?」

 1歩、2歩、レインショットが(あと)ずさる。悲鳴すら上げない。無くなった自分の腕を、じっと見つめている。



 一方、ニニコは―――


「あふ」

 変な声を()らし、レインショットの反応をぽかんと(なが)めていた。一瞬おいて、彼女の口から出た言葉は……


「……ざまあみろ」



「…………」 

 レインショットは、まだ自分の腕を眺めている。平気なはずはないのだ。激烈な痛みを感じているはずなのだ。

 それが……


 人間とは不測の事態において、かくも異常な反応を示すものなのか? 

 異常な、と表現していいのかすらわからない。

 なんの反応も見せない!


  

 そこに、もうひとり。


 もうひとり現れた。





「シーカ君」

   

 もうひとり、煙幕の向こうから現れた。

 ドクロの仮面の男が。


「困るじゃないか、シーカ君。その男は私が殺すんだ」




挿絵(By みてみん)




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いま書いてるやつよ。

 ↓

チャッカマン




イタいぜ!



チャッカマン




マンガ版 チャッカマン・オフロード
 

 
i274608/

アニメーション制作:ちはや れいめい様



ぜひ、応援よろしくお願いします。


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