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チャッカマン・オフロード  作者: 古川アモロ
第11章「一点の穢れもないマリィを焼き捨てる炎へ」
84/250

第84話 「レインショット」




挿絵(By みてみん)




「ぎょえ!」

 飛び上がるトラ。

 

 空気を引き裂くような高音を(かな)でながら、3発のミサイルがこちらに飛んでくる。

 

「ははははは……なんじゃ、そら」

 べたんと(しり)もちをついた。

 もう動く気力もない。

 いや、動けたとしてもどうしろってんだ。


「だめだ、こりゃ……」



 (せま)るミサイル。

 瞬間!




 ドオオオオオオオオオオオオオオン!

 ドオオオオオオオオオオオオオオン!

 ドオオオオオオオオオオオオオオン!!




挿絵(By みてみん)




 艦に衝突する数十メートル手前で、ミサイルは自爆した。

 いや自爆ではない。


 艦橋(ブリッジ)から3発の炎の矢が撃ちだされ、ミサイルを爆破したのだ。


 爆風――――――

 海上が、昼のような明るさになった。


 ミサイルの破片が、何百何千と降りそそぐ。

 幾億(いくおく)の火の()が、甲板に降ってくる。

 

 


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

※※※※※※※※※※※※※

※※※※※※




 司令室。


 海兵たちは、みな押し黙っている。

 言葉が出てこない。


 全員が、窓の外を……ミサイルの大爆発の様子をながめている。

 呆然(ぼうぜん)とだ。


 いやひとりだけ。

 背の高い下士官が、コンピューターの画面を(いま)々しく(にら)んでいる。とつぜん彼は、キーボードを床に投げつけた。


 バァン!

 キーボードが、バラバラに砕けてしまう。


「ふー、ふー……大尉(たいい)、やはり動きません。速射砲も近接防御砲(シウス)も、対空ミサイルもです……!」

 怒りをこらえようともせず、下士官は吐き捨てる。


「ウィルスです。なんらかのコンピューターウィルスに感染しています。迎撃(げいげき)システムがダウンしています……くそったれ!」

 ガシャア!

 足元の機材を蹴りとばした。



「そうか。貴様はすぐに代わりのキーボードを持ってこい」

 大尉と呼ばれた中年の将校(しょうこう)は、彼の行動をいさめることもせずに、ため息をもらす。


「ふぅ……なんにせよ助かりました、博士。あなたがいなければ、我々は()()みじんでした」


 おそろしい声。

 そして大尉は、フォックスの右腕を指さした。


「ところで、それ(・・)は何ですか?」




挿絵(By みてみん)




 ヒョオオオオオオオ……

 割れた窓から風が吹きこみ、(きわ)に立つフォックスの体を()らした。


 まっすぐ水平線に向けて籠手を伸ばしたまま、フォックスは動かない。


 雨が弱まってきた。

 西の空から雨雲が晴れ、月がのぞく。

 東の空から、日がのぼり始めた。


 雨が、止んだ。



 大尉が、今度は強い口調でたずねる。


「博士。さっきの炎はなんですか?」



「フォ……お姉さま……」

 おそるおそる、ニニコが声をかける。

 お姉さま、と。



 フォックスは答えない。

 周囲を取り囲む海兵たちも、目の前で起こった事態に言葉を失っていた。


 博士が右手から炎を放ち、ミサイルを撃ち落とした。

 なんだ、そりゃ……?



「今のはですね、レインショット(・・・・・・・)です」


 ガシャンと籠手を下ろし、フォックスは振り返る。

 

「さっきの炎は、レインショットです。雨を打ち消すんです、シャレてるでしょう?」

 


「なんちゃって……」




挿絵(By みてみん)




 炎に包まれるフォックス。

 いや燃えたのは、彼女の服だ。


 右腕から拡散した炎によって、彼女の服は焼けて……焼けてしまった。  


「大尉、お願いがあるんです。ジョンソン少佐を殺させてもらえませんか」


 振り返ったその顔は……泣いているのか? 

 いや、雨に()れているだけなのか。



「……なあんちゃって」

 


 なにも答えないニニコ。

 なにも答えない海兵たち。



 朝が、完全に明けた―――




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いま書いてるやつよ。

 ↓

チャッカマン




イタいぜ!



チャッカマン




マンガ版 チャッカマン・オフロード
 

 
i274608/

アニメーション制作:ちはや れいめい様



ぜひ、応援よろしくお願いします。


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