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チャッカマン・オフロード  作者: 古川アモロ
第10章「恥も外聞もないトリップを焼き捨てる馬鹿者たちへ」
76/250

第76話 「フラッシュバック」




挿絵(By みてみん)



 

 ドオオオオオオン!!

 消火器が爆発した。


 内部に満載(まんさい)された消火剤と炭酸ガスが、一気に()ぜる。すさまじい爆風が巻き起こった。


「はぎゃ……!」 

 


 ガシャアアアアアアアアアアアアアン!


 超防弾のはずの、司令室の窓。

 その1枚をブチ抜いて、マリィはブリッジの外へ吹き飛ばされた。

 

 宙を舞うマリィ。


「だ……!!」


 海に落ちる!

 いや、甲板の(へり)にぶつかる!


「クッ!」

 落下地点を海にするべく、マリィは体をひねる。()義肢(ぎし)を使えば、問題なく助かる高さだ。

 だが甲板に(たた)きつけられれば命はない。


 いや……ダメだ!

 確実に甲板に落ちる! 


 燃えさかる甲板に向かって落ちている!

 死ぬ!

 ()義肢(ぎし)のアームを、ぐるりと全身に巻きつけた。


 落下――――――



 ドガッ!!!

 

 ワンバウンド!

   


 ドガッ!!




挿絵(By みてみん)




 ジュウウウウウウウウウウウウウウ!


「あああああああああ!!」


 ()けた甲板の上に転がされる。

 どんな落ち方をしたのか、自分でもわからない。


 全身が痛い。

 全身が熱い。

 鉄板であぶられるエビのように、マリィは激しくのたうち(・・・・)回る。なんとか()義肢(ぎし)を使って移動しなくては。


 だが、アームを持ち上げられない……!


「ああああああああああ!」

 激痛!

 鎖骨(さこつ)が折れている。

 

「は、ハイドランジアを……」


 痛みで頭がくらくらする。

 ハイドランジアを取り出そうと、ゆっくりとポシェットを探った。痛覚をマヒさせなくては……だがポシェットの中には、プラスチックの破片と水の感触しかない。


 スプレーがすべて割れている。

 甲板にこぼれたハイドランジアが、ジュワジュワと蒸発していく。青とピンクの煙になって立ちのぼる。


「あ、ああ……じゅる、じゅる……」

 手に付着(ふちゃく)した2色の液体を()める。

 だがなにも起こらない。


 当たり前だ。

 吸引するのとは違い、消化されなければ効果は出ない。


(い、いや、両手を甲板に押しつけるんです)

(その蒸気を吸うんです)

(や、やらねば)


 手を、甲板につけた。

 ジュウウウウウウウウウ!


「ひぎゃあああああああああ!」


 叫んでしまった。

 吸うどころじゃない!


(あ、ダメですこれは)

(この皮膚が焼ける(にお)い……村のみんなの死体を、フゥが火葬したときと同じにおい)


(私が燃えています―――)



「ご……ごめんなさい、神様……私は悪くないとか、ウソです……」

「熱い……」



 死ぬ。


 死ぬ。



 そこへ――――――




「火のッ、用――――――心!!」


 ズドオオオオオン!!

 

 トラがやってきた。




挿絵(By みてみん)




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いま書いてるやつよ。

 ↓

チャッカマン




イタいぜ!



チャッカマン




マンガ版 チャッカマン・オフロード
 

 
i274608/

アニメーション制作:ちはや れいめい様



ぜひ、応援よろしくお願いします。


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