表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チャッカマン・オフロード  作者: 古川アモロ
第10章「恥も外聞もないトリップを焼き捨てる馬鹿者たちへ」
74/250

第74話 「クラッシュ」




挿絵(By みてみん)




「う! い、イヤ……あ、あぶ、う、ぷはッ! ぷぺッ、ぺ……」


 ニニコの口に、()義肢(ぎし)(つめ)を突っこまれた。


 口内に広がる鉄のにおい。

 なんとかツメから逃れようと、ニニコは抵抗する。だがどんなに懸命(けんめい)に首を振っても、ツメは口から出ていこうとはしない。

 痛い、痛い……!

 

「ケヘン! ゲふぇ……は、はにを……!」

 猛烈(もうれつ)な吐き気。

 暴れすぎたせいで、ニニコの口が切れた。また血―――今度は、ニニコ自身の血が口からこぼれた。


「あはははは。せっかく()いてあげたのに、また血だらけになっちゃいましたねえ」

「ごろじてやる……おええ!」


「ママに逆らうからよ。マジでムカつく……!」



 と――――――


 兵士たちの声がした。

 通路からだ。


「博士!」

「動かないで下さい!」

「そこで止まりなさい、博士!」


 出口の向こうで、水兵たちが叫んでいる。

 博士、と。



「博士! あなたを拘束します、どういう意味ですか!」

「クソッ! お母さま(・・・・)の命令は捕獲だ。撃てねえぞ」

「構うか、構うかよ! オレは誰!?」




「なんですか、一体……?」


 ニニコをいじめていたマリィが、声のするほうへ首を向けた。


 通路の向こうで、なにか起こっているらしい。

 男たちのさわぐ声がする。


「やかましいですねえ。さっきの彼ら、なにをモタモタしているんでしょうか? なに……博士って」


 ぴくり。

 そこまで言って、マリィは眉をひそめた。


 ……博士?

 まさか、フゥのことでは?



 ※ ※



「博士! ここは通しませんぞ!」

「どうしてもってんなら、俺を倒せ!」


 司令室に面するせまい通路で、フォックスは水兵らに行く手を(はば)まれていた。

 


「どいていただけませんか? 急いでますの」


 フォックスは白衣を左手にぶら下げている。いや、なにか(・・・)を白衣に包んでいるらしい。なにを持ってきたのだろうか。

 マクラくらいの大きさの、重そうななにか……



「博士! それはなんです、こちらによこしなさい! ギャハハ!」

「早くしろ、中身はなんだ! 見せたら撃つぞ。あ、ちがう。見せなかったら撃たないぞ、いや」


 屈強な大男たちが、撃つの撃たないのとわめきながら近づいてくる。明らかに、ハイドランジアのトリップ状態だ。

 フォックスは(ひる)むこともなく、つぶやいた。



「ここにいる野郎どもの、アゴはどこだ?」


『あっちにも、こっちにも』



 バキバキバキバキバキバキバキバキバキ!

 バキバキバキバキバキ!


「ぐぎゃ!」

「ゴァ!」

「ギャ……!」




挿絵(By みてみん)




 目にもとまらぬ速さ!

" 焼き籠手 " が水兵たちのアゴに、右ストレートを見舞う。完全にオートでだ。


 しかも、まるでヘビー級のボクサーのパンチだ。

 それが30連撃!


 ブっ飛ばされた海兵たちが、バンバンと壁にたたきつけられる。10秒もしないうちに、全員をノックアウトしてしまった。

 

 もう立ちはだかる敵はいない。


 司令室のなかへ、フォックスは踏みこむ。



 その目に、マリィの姿をとらえた。

 ()義肢(ぎし)に拷問されるニニコを、フォックスはじろりと(にら)む。


「探したぜ、サルガッソ」


 ()し殺すような声で、フォックスがつぶやく。

 悪魔のように冷たい声。


 右手の籠手が、ガシャリと音をたてる。


 左手の白衣の包みもだ。

 ガシャリ、と音をたてた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いま書いてるやつよ。

 ↓

チャッカマン




イタいぜ!



チャッカマン




マンガ版 チャッカマン・オフロード
 

 
i274608/

アニメーション制作:ちはや れいめい様



ぜひ、応援よろしくお願いします。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ