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チャッカマン・オフロード  作者: 古川アモロ
第7章「神も仏もないシナリオを焼き捨てる海へ」
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第53話 「デストロイヤ」




 場面は、大きく変わる。 

 とある海上だ。


 とあるミサイル駆逐(くちく)艦が、大海原を南下している。そこにトラ、フォックス、ニニコの3人はいた。


 せわしく船員たちが行き来する甲板(かんぱん)に、ザシュ、ザシュとトラが歩く音が響く。


 トラにとって、こんなに歩きやすい地面ははじめてだった。

 超重量の長靴なのに、そんなに大きな音も振動もしない。見た感じコンクリートのようだが、どうも違うらしい。軍艦の甲板というのは、どういう素材でできてるんだろう。


「オーナー……じゃない、博士(はかせ)。データをまとめました」

 

「ご苦労、トラくん。君はじつに優秀だな」

 手すりにもたれる(・・・・)フォックス。

 

 フォックスは、めちゃくちゃイメチェンしているではないか。

 長かった髪をバッサリ短くし、黒縁(くろぶち)のメガネをかけている。科学者っぽい白衣が、ばさばさと海風で(あお)られている。

 本当に、博士みたいな格好だ。


 ただし白衣の下は、ショートのチューブトップだ。おへそ丸出しである。短いスカートから、大胆(だいたん)に生足を見せている。


 そして右腕にはギプスを巻いていた。

 籠手(こて)を隠すように包帯を巻きつけている。言うまでもなく、アイテムを隠すための偽装(ぎそう)だ。


「うむ、痛てて。潮風が骨折にしみるなぁ」

 誰も聞いていないのに、フォックスは右手のウソ骨折をアピールする。これっぽっちも痛そうな顔をせず、右腕をさする。



 そこへニニコが、カンコンと艦橋(かんきょう)の階段を下りてきた。


「フォックス……じゃない、お姉さま。少佐が呼んでますわ」 


 ニニコはとても可愛(かわい)らしい姿だ。

 白いサマードレスがひらひらと、青い海によく映える。ポニーテールに()った髪に、スカーフのリボンがよく似合う。



 いや……なにこれ?


 博士?

 お姉さま?

 フォックスのことだろうか。


「ニニコちゃん。少佐さんとお呼びしなさい、うふふ」

「ごめんなさい、お姉さま。うふふ」


 フォックスとニニコは、仲のいい姉妹を(よそお)う。

 とんでもなくぎこちない(・・・・・)演技だ。



 …………こいつら、マジでなにしてやがる? 


 しかも軍艦の上で。

 なんでこんな、お芝居をしてるのだろうか。



 

挿絵(By みてみん)


 


「ふぅ……」

 トラがやれやれといった顔で、ボリボリと髪をかき上げる。


 トラの印象も変わってしまった。

 濃いオレンジっぽい髪色だったはずだが、そこに黒のシマ模様が(はい)って、なんか本当の(とら)っぽくなった。

 べつにメッシュなんか入れてない。シーカに燃やされてから、髪色がすこし変わってしまったらしいのだ。


「燃えたから毛質が変わるなんて聞いたことねえけどなあ。でも現にこんな……まいったな」

 ブツブツ。

 あいかわらずトラは、ひとりごとが多い。



 そこに―――


「やあ、ここにいたのかね。博士」


 真っ白な軍服を着た人物が現れた。

 50代くらいの、将校らしき軍人だ。




挿絵(By みてみん)

 



「すまないね、ニニコちゃん。ついでがあったので降りてきてしまったよ。いやあ、今日はいい天気だね」

 ほほえむ軍人。

 フォックスの前まで歩み寄り、ニヤニヤと笑みを浮かべた。


「ちょっといいかな、バーベキュー(・・・・・・)ファイア博士(・・・・・・)


 軍人の目は、あきらかにフォックスを見下している。ほかの誰にも聞こえないような小声で、あろうことかバーベキューファイアの名で彼女を呼んだ。



「ええ、よろしくてよ。それにしても出世なさいましたね、レインショット中尉(ちゅうい)

 フォックスの表情は、笑顔だ。

 とてつもなく嫌悪感に満ちた(・・・・・・・)笑顔。おそろしく冷たく、とても小さな声で、彼の名を呼んだ。



 レインショット?

 中尉(・・)

 ジョンソン少佐じゃなくて?



「博士、ついてきてくれ。私の部屋で話そう」

 

「わかりました。じゃあトラくん、ニニコちゃん。お行儀(ぎょうぎ)よくしてるのよ?」

 2人に、にっこりと笑いかけるフォックス。

 

 歩き出した軍人。

 ジョンソンなのか、レインショットなのか……とにかく彼のあとについて、フォックスも艦内へ向かった。



 これは……なにがどうなってるのか?




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いま書いてるやつよ。

 ↓

チャッカマン




イタいぜ!



チャッカマン




マンガ版 チャッカマン・オフロード
 

 
i274608/

アニメーション制作:ちはや れいめい様



ぜひ、応援よろしくお願いします。


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