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チャッカマン・オフロード  作者: 古川アモロ
第7章「神も仏もないシナリオを焼き捨てる海へ」
48/250

第48話 「チャーチ」




 研究所での大さわぎから、もう2カ月たった。


 ここは……どこだろうか。


 現在の時刻は20時15分。

 ここは教会の礼拝堂のようだ。


 ステンドグラスの窓から、月明かりが差しこんでいる。カラフルな光が、祭壇(さいだん)、長椅子(イス)、カーテンを照らした。 


 祭壇には10本の蝋燭(ろうそく)が供えられている。慰霊(いれい)のための、故人の名前が彫られた蝋燭だ。

 月明かりと蝋燭の明かりが、礼拝堂の2人をゆらゆらと照らす。


 

 ふたりの人間。


 ひとりはシーカだ。

 ずらりと並んだ長椅子の最前列に、どっかりと腰かけている。左(ほお)()った傷あとが痛々しい。


 そして、もう1人。

 祭壇の前に立つ男がいた。


 長い白髪(はくはつ)の男は、どうやらこの教会の神父のようだ。真っ黒な祭服をまとっている。だが、その顔は仮面(かめん)(おお)われているではないか。

 ドクロのような、仮面のアイテムだ。


 アイテムの名を “ 穢卑面(エヒメ) ” という。


『ケケケ。いきなりやってきて驚いたぞ。1332年ぶりか……久しいな、()()。久しいな、煙羅煙羅(えんらえんら)




挿絵(By みてみん)




 再会を喜んでいるらしい、仮面のアイテム。

 以下、穢卑面(エヒメ)と記載する。


『おい、朽ち灯よ。聞いているのか? なんだ、眠っているのか』

    


『そうなのだ穢卑面(エヒメ)よ。これがまた笑える事情でな』 


 朽ち灯はなにも答えない。

 代わりに、煙羅煙羅(えんらえんら)が答えた。

 

 ……なんという、異様な会合だろう。


 シーカも神父も、人間はまったくしゃべらない。

 なのに、アイテムの(しゃべ)ること喋ること……


   

『では早速(さっそく)だが……シーカだったか? 死ね』

『そして朽ち灯、煙羅煙羅よ。お前たちもルディ(・・・)りつけ』

『ふたたびひとつに……』


 穢卑面(エヒメ)が恐ろしいことを言い出した。


「ムス!」

 (まゆ)をしかめるシーカ。

 死ねと言われて、さすがのこいつもカチンときたらしい。

 


「ふざけるな穢卑面。すまないシーカ君、気を悪くしないでくれ」

 

 神父だ。

 穢卑面(エヒメ)をかぶる神父が、はじめて口を開いた。落ち着いた口調……中年をすぎたくらいの、高齢の男の声だ。



「き、き、気にして、ないよ」

 シーカは、にっこりと笑顔を向けた。

 左頬(ひだりほお)()いキズが、ぐにゃりと曲がる。


 アイテムも含めて、コイツがいちばん人間味がない。

 困ったもんだよ。




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いま書いてるやつよ。

 ↓

チャッカマン




イタいぜ!



チャッカマン




マンガ版 チャッカマン・オフロード
 

 
i274608/

アニメーション制作:ちはや れいめい様



ぜひ、応援よろしくお願いします。


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