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チャッカマン・オフロード  作者: 古川アモロ
第6章「にべもないアイテムを焼き捨てる幻想へ」
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第44話 「ロケットブースター」




挿絵(By みてみん)




 ガラス壁をブチ破り、ホールにトレーラーが飛びこんできた。

 散乱する破片(はへん)、破片、破片!


 ガラス!

 コンクリート!

 配管!

 断熱材!

 ありとあらゆるガレキを()き散らしながら、トレーラーはギュルギュルと反転する。


 屋内でよくもこんなムチャな運転を……ホールの面積すべてを利用し、トレーラーはすべるように反転した。


「あああ、クソッたれ! 退避しろっつったろ、乗れ!」


 フォックスだ。

 運転席の窓から身を乗り出したフォックスが、怒鳴(どな)りまくる。


「モタモタすんじゃねえ! ぎゃあ左手野郎、アイテム増えてんじゃねぇか! もう知るか!」

 ひととおり(さけ)んでアクセルをふかす。

 もう逃げる体勢だ。


 ドゥン!

 エンジンの音が響く。

 

 ギュルギュルギュル!!

 ドドドドォ!


 爆音を上げたトレーラーは、ふたたび外に向かって走り出した。この女、ぜんぜんトラとニニコを待ってあげない。

 

 

「お、お、お待ちを……ニニコ、来い!」

「きゃあ!」

 あわてて追いかけるトラ。

 ニニコをかついで、ドタドタとトレーラーに()け出す。


「とぉッ!」

 ジャンプ! 


 ガゴッ!!

 最後尾のコンテナに、長靴を貼りつけた。


 ま、間に合った。


 ほ―――ッ! 

 大きくため息をつくトラ。


 ひ―――ッ! 

 トラにしがみつくニニコ。



 ドオオオオオオン!

 ドガシャ―――――――――ン!


 トレーラーが外に出た。

 入ってきた穴から出ればいいものを、新たにガラスを粉砕して飛びだす。


「ぎゃー!」

「わ―――!!」

 ガラスが降りそそぐ。


「痛てててて!」

「怖い怖い!」


 ドドドドドドドドド……!


 脱出。

 ものすごいスピードだ。


 走る。

 走る!

 研究所は、すでに数十メートルも後ろにある。


 シーカの姿はもう、(まめ)ツブほどに小さくなってしまった。



「あ、あ、あ……」

 すでに50メートルも彼方(かなた)を走るトレーラーを、目を(ほそ)めて(にら)むシーカ。

 (あせ)る様子もなく、ジッと立ちつくしている。

 

 あ、いや。

 左拳を、グイと構えた。


 この距離から、パンチ……?


「あ、あ、あ」


 しゅう、しゅう……

 しゅ、しゅ……シュ、シュ。

 シュッシュッシュッシュッシュッシュッ。


 煙羅煙羅(えんらえんら)は、どんどん(けむり)を吐きつづける。

 それも、すごい勢いでだ。

 (ひじ)煙突(えんとつ)……いやノズルから、機関車のように煙が吹きだす。



(あつ)よし、撃てるぞ』


「あ、う」


 煙羅煙羅の合図と同時に、シーカが拳を突き出す。

 と!!




挿絵(By みてみん)




 ズドオオオオオオオオオオン!!


 ノズルが大量の煙を吐き出した。

 その勢いで、シーカは前方に加速する。


 いや、飛んでいく!




挿絵(By みてみん)




 キ――――ン……!!

 

 飛ぶ。

 ミサイルみたいな噴射煙を描き、シーカは飛んでいく。まるでスーパーマン……いや、徹甲弾だ! 

 わずか数秒で、トレーラーに追いついた。


 ドガァァ!!!!


 超高速鉄拳!

 文字どおりのロケットパンチが、コンテナに(たた)きこまれた。


「ぬお!」

「キャー!」

 悲鳴。


 


挿絵(By みてみん)

 



 ドオオオオオオオオン!


 シーカのパンチで、トレーラーがちょっと加速した。

 10トントレーラーを押すほどの衝撃!!



「うわ! ゴチン。ブブー!」

 運転席のフォックスが、ハンドルで頭を打った。 

 クラクションが2回鳴る。


「痛え! な、なんだぁ?」


 フォックスはサイドミラーを(にら)んだが、ただただ闇夜が広がっているだけだ。研究所はもう、はるか後ろだ。


 トレーラーが直面している危機は、コンテナで起こっている。

 現在進行形でだ。


 サイドミラーでは見ることのできない、トレーラーの最後尾では―――



「落ちるわ、落ちるわ!」


 足をバタつかせるニニコ。

 コンテナの天板に、必死でしがみついていた。真っ赤に染まった触手が、ヒュルヒュルと風に舞っている。

 落ちる、落ちる!


「ひい、ひい!」

 どうにかニニコは、コンテナの天井によじ登った。

 


『娘はどこだ! 血をぜんぶ飲んでやるぞ!! どこだ!』

 煙羅煙羅の絶叫。


「ぬ、ぬ、抜けない」

 シーカはシーカで必死だった。

 彼の左腕は、深々(ふかぶか)とコンテナに突き刺さっている。煙羅煙羅のパワーを見くびっていた。まさか、ここまでの威力があろうとは。


 ぐいぐい。

 コンテナの鉄板をも貫通してしまった。左腕がまったく抜けない。


 いや、抜けたらマズい。

 いまスッポ抜けたら、走るトレーラーから落っこちる。


「や、や、やばい」

 


 転落の心配をしてる場合じゃない。

 シーカの頭上には……


 トラがいた。


 

「ようこそ。よくも(・・・)手ぶらでおいでくださいました」

 

 トラは、シーカの真上に立っている。

 水平にだ。

 コンテナの側面に、2本の足で立っているではないか。


早速(さっそく)ですが、お引き取りを。この世からな……」

 



挿絵(By みてみん)




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いま書いてるやつよ。

 ↓

チャッカマン




イタいぜ!



チャッカマン




マンガ版 チャッカマン・オフロード
 

 
i274608/

アニメーション制作:ちはや れいめい様



ぜひ、応援よろしくお願いします。


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