表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チャッカマン・オフロード  作者: 古川アモロ
第1章「途方もないノルマを焼き捨てる今日へ」
1/250

第1話 「ブーツ」


申し訳ないです。


第1章は漫画のネームを流用してますもんで、絵がひどいひどい。


第2章からは、真面目に挿マンガしてますんでご勘弁を。


と、1章のマンガは下のURLからpixivに飛べます。

よかったらぜひご覧ください。







挿絵(By みてみん)




 ドン、ドンッ。


「開けて、出してぇ!」


 教会の裏庭に、少年の悲鳴がひびく。

 頑丈(がんじょう)なレンガを積み上げた、小さな小屋。そこに少年は閉じこめられていた。いや、正確には自分から入ったのだが。


 コケをまとい、教会そのものよりも古びた、窓すらない小屋。

 鉄ごしらえの厚い扉をドンドンドンとたたく音と、助けを求める少年の声が、教会の庭に響きわたる。

 

 ドン、ドン、ドン。

 ガチャガチャガチャガチャ!

 なんとか扉を開けようと、少年がノブを回しているらしい。


「助けて、ここから出してえ!」



 ※ ※



「まってろボウズ、いま出してやる!」

「おい、もっと力を入れろ! くそッ、なんて重いんだ!」


 教会の庭師だろうか。

 小屋の外では、大男2人が汗だくになっている。押すんだ、いや引くんだ! 力任(ちからまか)せに扉を開けようと、必死になっていた。


 だが、ビクとも動かない。

 少年の腕力で開いたはずの扉がだ。


「駄目です! カギは開いてるのにビクとも……」

「わ、私、神父さまを呼んできます!」

 修道女のひとりが、(あせ)りながら礼拝堂に向かった。



 そこへ―――



「なにごとです、(そう)ぞうしい!」



 さわぐ声を聞きつけたのだろう。

 年老(としお)いた神父が、ふうふうと息を切らせて()けつけてきた。状況がわかっていないところを見ると、呼びに行った修道女とは入れちがいになったらしい。


「あ、神父様……! 子供たちがかくれんぼをしていて、あの、その……」

「男の子が……閉じこめられたんです!」

 わあわあとわめき(・・・)たてる、2人の修道女。

 

「なんですって……!」

 ぞっ、と神父の顔色が変わる。

 目を見ひらき、表情が(こお)りついた。


「こ……この小屋は “ 悪魔 ” が封印された禁断の()! 教会が建てられて300年、誰ひとり入ることを禁じられているのに……!」


 ただならぬ言葉に、その場にいた全員が青ざめた。

 悪魔。

 そんなものがこの小屋に……?


 

「ど、どうすれば……神父様!」

「ああ、神父さま……」

「落ち着くのです! なかの少年に(さと)られぬよう……」


 騒然そうぜんとなる裏庭。


 と、小屋の中から絶叫。


   

「丸聞こえじゃ――――――!」


 聞こえていたらしい。

 少年の悲鳴が、中庭にこだまする。

   


 ※ ※



「なに、悪魔って!? なんの話??」

 少年の声がさらに悲痛なものに変わった。そら、無理もない。


「あ、ああ……こええよ、怖いよ……」


 薄暗がりの小屋のなか、少年が震えあがるたびホコリが立ちのぼる。すすり声をもらすたびに(こま)かい(ちり)が舞い、鼻や口の粘膜(ねんまく)を傷つけた。


「ゲホ! ウエエホ、ぺッ……ぺ……!」

 少年が()きこみながら、床にヒザをつく。



 そのとき。

 



『足…………』 



 闇の中に、(うな)るような声がした。

 低い、低い、悪魔の声が。


 足、と。



「なっ、だ、誰だ!」

 びくり!!

 少年が飛びあがり、暗がりの中を見わたす。


 だがどんなに目を()らしても、4メートル四方の真っ暗闇には、誰の姿も見えない。誰もいないではないか。


 では今の声は……?



「う、うそだろ! あ、悪魔……?」

 ヒイッと小屋の(すみ)へと飛びのき、室内を上から下まで見張(みは)る。だが、やはり誰もいない。


「い、いるのはわかってるぞ悪魔め! 俺なんか食べても、うまいもんか! た、食べる!? 神様……!」


 がたがたと震えながら、必死に虚勢(きょせい)をはる少年。

 かわいそうに、錯乱状態のようだ。



『足だ、足がある……』


『1000万歩(ある)け……』


『足……足ィイイ……』



 小屋の(ゆか)が、カタカタと震えだした。

 壁、天井、そこらかしこで音がする。


 ―――1000万歩?




挿絵(By みてみん)




『足……』


 悪魔の声がふたたび聞こえるや、室内のレンガがひとつ、またひとつと浮かびあがった。


 カタ、カタ、カタ、カタ……

 あっちでもこっちでも。

 5つ、8つ……


 カタ、カタ、カタ、カタ……



 いや、レンガではない。


 立体パズルのようなブロック。

 凹凸(おうとつ)や突起のついた、パズルみたいなブロックだ。


 皿状の、棒状の、(つつ)状の、さまざまな形のブロックの群れだ。

 浮いている。



「あ……うわ……!」


 あまりにも非現実的な光景に、少年は凍りついた。


 瞬間!

 ふわりふわりと浮かぶブロック群が、ザアと少年に襲いかかってきた!


 そして、彼の足に結集してゆく。

 


「うわあ!」


 ザアアアアアアアアアアアアア!


 カチャン、ガチャン、カチャン。

 ガチャ、ガチャン、ガチャン。


 凹凸を組み合わせ、突起を別のパーツの穴に差しこみ、ブロック群が合体していく。まるで積木細工!



 その形は―――……


 長靴だ。



「うわあ、うわああああああ! ああ……」


 少年の両足に、長靴が組み上がっていく。

 ガチャン。

 ガチャン!

 


『1000万歩あるけ……』


 長靴がしゃべった。

 悪魔の声で。


『1000万歩(ある)け……』

『それまでは決して外れない』

 

『絶対に離れない……』




挿絵(By みてみん)




 少年が呪われた。

 長靴に。


 少年の悲鳴が、教会中に(とどろ)いた。


「うああああああああああん!」


 轟きまくった。

 





挿絵(By みてみん)



ちはやれいめい様から、本作を動画化していただきました。


https://mypage.syosetu.com/487329/


スッゲー。

なんというアニメ……


こういう作品です。

この通りの作品です。


んじゃ、始まり始まり~。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いま書いてるやつよ。

 ↓

チャッカマン




イタいぜ!



チャッカマン




マンガ版 チャッカマン・オフロード
 

 
i274608/

アニメーション制作:ちはや れいめい様



ぜひ、応援よろしくお願いします。


― 新着の感想 ―
[良い点] あらためて1話目から拝読。 1000万歩は無理だわぁ。 1歩1メートルとして1000万メートル=1万km。 地球1周が4万kmらしいので1/4周って。。 無理だわぁ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ