↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

遊園地のミラーアトラクション

作者: 神名代洸
掲載日:2017/02/06

彼女はヤキモチ焼きで、泣き虫だ。だが、そんな彼女が可愛くて仕方がない。

しかし、その彼女が恐怖で顔を歪ませるなんて思いもしなかった。


場所は遊園地。

ミラー越しに迷路を抜けるというゲームを二人でしていた時のことだ。

怖いものが嫌いという彼女が怖くないはずのこれを選んだのにまさかこれが怖い体験をするなんて。



今日は久しぶりのデート。

なかなか都合がつかない二人の予定が久しぶりにあったので前々から行きたがっていた遊園地に行く事にしたのだ。ただ、怖いのはダメというので、自然と遊ぶものは限られてくる。

ジェットコースターも怖いと言うのでまず除外。他にもお化け屋敷は怖いからやと言う。

他のものは大体はオッケーなので乗れるものは乗った。あとはミラー越しの迷路を遊ぶだけとなった。

1人ずつ入ろうという話になったので一人ずつ入る事に。


明るいはずなのに何故か気持ちがもやもやしている。何だろう…?

彼女は僕より先に中に入って行った。その後をすぐに追いかけたのだが彼女は何処にもいない。そんなにいくつも選択肢があるのか?しかしミーラーには彼女の姿は写っていない。

そんな時だ。

ミラー越しに彼女の姿が写り込んだのは。

てっきりそちらにいるのかと思い、歩こうとしたが突き当たりにぶち当たった。

「えっ?こっちじゃない…。とすると反対かな?」

僕はそう思い、反対に進む。

彼女を見失い、見つけては進むということを何度も繰り返した。

もうそろそろ出口についてもおかしくないと思っていたのだが、いっこうに出口へ出そうにもない。

僕は真剣に探し始めた。もちろん彼女が先に出ているはずなのだが…。

ガラスを伝いながら何とか出口を出た僕は先に来ているはずの彼女を探した。しかし何処を探しても見当たらない。

おかしいなと思ったので、携帯にかけてみることに。すると、「お客様がおかけになった番号は現在電波がかかりにくくなっております。」とアナウンスが。

建物内で電波が通らないって…どうなってるんだ?


一旦外に出て再度電話をかけたがやはり繋がらなかった。

おかしいよ。何で繋がらない?

僕は彼女がどうなったのか不安になってしまった。なので再度並んで入口から出口へと向かって行く。

途中彼女の姿を見た気がした。

何処で?

鏡をよく見てみると彼女がドンドンと何かを叩いてこちらに知らせようとしているように見てとれた。まるで見えない壁があるかのようだ。

まさか…?

僕は彼女が映る鏡の方へと歩いて行く。そしてそっとガラス越しに触れて見た。

すると彼女も同じ事をした。やっぱり変だ。彼女は何処だ?後ろを振り返っても誰もいない。でも彼女は確かにそこにいる。

怖くなった僕は携帯を手に電話をかけてみる。もちろん相手は彼女だ。

すると今度は繋がった。

ヤッタァ〜と思ったが、音声がはっきりとは聞き取れない。「…し。」とか「は…。」とか言葉が繋がらないのだ。

僕は必死になって彼女に何がどうなっているのかメールした。

するとメールにはこんな言葉が書かれていた。

『私もわからない。気がついたらこうなっていたの。出口がないよ〜。どうしたらいい?』

どうしたらいいと聞かれても僕にもよくはわからない。ただガラス越しに出口があるはずと答え、彼女を元気付けた。

少しでも希望があった方がいいと思ってのことだ。しかし、どれだけ一緒に回っても出口にはたどり着くことはできなかった。

彼女は泣き出してしまった。けれどもこちらには聞き取れない。他の参加者は僕が1人でその場にいることに不審がっていた。

1人で鏡に話しかけてるのだ。頭がおかしいと捉えられてもおかしくない。

僕はそんなことどうでもよかった。ただ彼女を助けることしか考えていなかった。

互いはメールでやりとりしながら少しずつ進んでいく。

彼女が見えなくなった時には知らせて彼女を呼んだ。メールだから知らせたと言った方がいいのかな?それでも少しずつ出口に近づいているのはさっき通った道だったので間違いないだろう。

そしてそれから10分。

ようやく出口まで来ることができた。

彼女も嬉しそうだ。

けれども待てよ?このまま出口からうまく出られるのだろうか?そもそもなんで鏡の中に閉じ込められたのかわかっていない。

僕はおそるおそる彼女に問いかけてみた。

(そもそもどうして鏡の中に入ってしまったのかわかるかい?)(わかんない。けど眩しかったから…。誰かの携帯かカメラの明かりが反射したのかなぁ?次の瞬間なんか不思議な感覚があってさ…。気がついた時には中にいた。)(そっかぁ〜。明かりかぁ。じゃあ同じ体験をしたら出られるかもしれないよね。)(そうだね。じゃあお願い。)(分かったよ。)

僕はそう言って携帯カメラの準備をした。

今あるのは携帯だけだったから。

パシャリと写真を撮りながら出口まで一緒に歩いていく。すると一瞬の光を感じたが気がついた時には目の前に彼女が立っていた。

僕らは嬉しくてその場で抱き合った。

周りの人は僕らを見て見ぬ振りをしている。僕らにとってこれが生きているという実感がわく行為だっただけなのに…。


僕らは迷路を抜け出て建物から離れた。

多分2度とこの迷路には入らないだろう。

同じ目には会いたくないから…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。