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戦え、崩陣拳!  作者: 新免ムニムニ斎筆達
第四章 金行の奸計編
80/112

おまけ 登場した門派・技

★登場した門派


刮地脚(かっちきゃく)

 防御に優れた手法で上半身に鉄壁の守りを敷きながら、腰より低い蹴りで武術の命である下半身を集中攻撃することを主体とした拳法。

 ルーツは「蹴りの拳法」と呼ばれた戳脚(たくきゃく)。つまり、同じく戳脚ベースである六合刮脚とは兄弟のような関係。そのため、六合刮脚との共通点が少なからず見られる。

 戳脚には、大きく力強い蹴り技が中心の『武趟子(ぶとうし)』と、低く鋭い蹴り技が中心の『文趟子(ぶんとうし)』の二種類が存在する。前者からは六合刮脚が、そして後者からは刮地脚が生まれた。

 また、防御に使われる手法は八卦掌譲りであるため、八卦掌の技もいくつか使える。




★登場した技


開花一倒(かいかいっとう)

 崩陣拳の実戦技法の一つ。「撞」の力の応用。

 両前腕部を顔の前でクロスさせてデコピンのように「タメ」を作る。そのまま地を蹴って加速し、踏みとどまって急停止することで、その慣性力で両前腕部の「タメ」を開放。矢の如く正拳を打ち放つ。

 さらにその正拳が相手に深く食い込んだ瞬間、一気にパーに開くことで、打撃力をさらに倍加させる。

 通常の「撞」の力に「両腕の「タメ」」、「食い込んだ瞬間からの拳の急展開」の二つの力を組み合わせることで、非常に強大な威力を発揮させる。

 拳を開くタイミングを掴むのが少し難しいのと、隙が大きいのが難点だが、うまく決まれば『纏渦』以上のパワーを生み出せる。



猛虎推山(もうこすいざん)

 走雷拳の技。

 寸勁の一種。

 足底で地面を踏みしめた力を脊椎のうねりによって上半身へと伝え、重心移動とともに双掌を叩き込む。

 コンパクトな動作で大きな力を生み出せるため、至近距離の間合いで重宝する。

 理屈としては、崩陣拳の『浪形把』に少し似ている。



蹶子脚(けっしきゃく)

 刮地脚の技。

 片足を後ろへ小さく跳ね上げ、踵を叩き込む。

 六合刮脚の『蹶子』を低くしたような蹴り。



托天掌(たくてんしょう)

 八卦掌の技。

 片手で相手の攻撃を受け流すと同時に、もう片方の手を手刀にして相手を突く。

 防御と反撃を同じタイミングで行える攻防一体の技。

   


反背捶(はんはいすい)

 八卦掌の技。

 回転による遠心力を込めた裏拳を叩き込む。

 八卦掌には珍しい、拳を使った技。



磨脚(まきゃく)

 刮地脚の技。

 爪先を地面に引っ掛けて「タメ」を作り、それを開放する力で蹴り出す技。

 原理はデコピンと同じ。

 六合刮脚にも同じ名前の技がある。この技に限っては、両者の違いはない。



打樁脚(だとうきゃく)

 刮地脚の技。

 脚力と腰を急激に落とす力を同時に用いて、母趾球を相手の足甲めがけて蹴り下ろす。

 一見地味な技だが、高確率で相手の片足を負傷させる強力な蹴り。

 「打樁」とは「杭を打つ」という意味。

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