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戦え、崩陣拳!  作者: 新免ムニムニ斎筆達
第一章 入門編
24/112

おまけ 第一章で登場した門派・技法

《門派》




崩陣拳(ほうじんけん) 

   

 人体に数百存在する筋肉全ての間に「繋がり」を作り出し「一つの筋肉」へ作り変えることで、全身の力を打撃部位へと集約させ、その力を攻撃力として相手に叩き込む拳法。

 猫は骨格の構造上、脚部と背中の間に「繋がり」が存在する。そのため、猫は脚力と背のバネの力を組み合わせることができ、それによって高いジャンプ力を発揮する。崩陣拳は、その理屈をヒトの体で実現させたもの。だが崩陣拳では下半身と背中に限らず、五体全ての筋肉を繋ぎ合わせるため、文字通り「全身の力」を使って打つ事ができる。そして、そのような力の出し方を「発力(はつりき)」という。

   

 発力法は主に、


  ・屈曲した下半身と腰背部を一気に伸ばす力を用いた『(てん)』、

  ・加速状態から急停止するときの衝撃力を用いた『(とう)』、

  ・全身の捻じり運動によって生じる螺旋エネルギーを用いた『(せん)』、

   

  の三つが存在する。    

   

 開祖は、還俗した少林寺の武僧「鄭煕陽(てい きよう)」。十九世紀、少林寺で学んだ様々な拳術や身体強化法をベースに、鄭独自のアレンジを加えて創始された。

   



劈掛掌(ひかしょう)


 河北省を起源とする中国拳法の一派。

 腰の捻りや胸の上下開閉の力によって、両腕を鞭のようにしなやかに、そして鋭く操り、相手を徹底的に叩き伏せる拳法。




六合刮脚(りくごうかっきゃく)


 変幻自在な蹴り技を得意とする中国拳法「戳脚(たくきゃく)」をベースに、あらゆる北派拳術の蹴り技を取り入れて創始された、足技主体の拳法。

 戳脚譲りの変幻自在で、かつパワーのある蹴りを、360度全方向へ打ち込んでくる。







《技法、技術》





頂天式(ちょうてんしき)


 崩陣拳修行者が一番最初に行うべき鍛錬法。

 上半身の力を徹底的に抜きながら中腰の姿勢を取り続けることで、ヒトが持つ脊髄反射の一つ「姿勢反射」を引き出し、全身の筋肉を効率よく使って自然に体を起こしていく。この「全身の筋肉が効率よく使われた状態」こそが「繋がりを持った筋肉」である。この鍛錬法では、さらにその状態を維持し続ける事で、「繋がりを持った筋肉」を体に馴染ませ、作り変えていく。




通背(トンベイ)


 崩陣拳の基本的な正拳の出し方。   

 腰(中国人にとっての腰とは、へそ周りのこと)と引き手を後ろへ引き込むことで、それらの動作の反作用力が「繋がりを持った筋肉」を経由して突き手に伝わり、その力で拳を前へ出す。

 正拳系の技法では、大体これを用いる。



開拳(かいけん)


 『頂天式』で「繋がりを持った筋肉」が出来上がった後に行う、発力の修行法にして技。

 足底で地面を踏み切る事で生じた大地の反発力と、『通背』による力を組み合わせて、正拳突きを行う。

 それらの力がうまく拳に集中すると、突き出された拳がずしりと重量感を得る。これが発力成功の感覚。

 開拳は、この成功の感覚が確実に出るようになって初めて完成といえ、次の段階である『三宝拳(さんほうけん)』へと進める。




三宝拳(さんほうけん)


 『開拳』が確実に成功するようになった次に修行する、三種類の突き技。

 崩陣拳において最も重要な発力法、『(てん)』『(とう)』『(せん)』の三つを学ぶための修行にして技法。

   

  ・『展拳(てんけん)』……屈曲した下半身と腰背部を一気に伸ばす力を使った発力法『展』を用いたアッパー。

  ・『撞拳(とうけん)』……加速状態から急停止した時に生じる衝突力を使った発力法『撞』を用いた正拳突き。

  ・『旋拳(せんけん)』……全身を捻る事で発生する螺旋エネルギーを使った発力法『旋』を用いた逆突き。


   


百戦不殆式(ひゃくせんふたいしき)


 崩陣拳の基本的な構え。

 半身になり、片方の手を前に構え、もう片方の拳をその肘の下へ添えおく。

 前の手で攻撃を受け流したり、相手の腕を掴んで引き倒したり攻撃を加えたりできる、オールラウンドな構え。




閃身法(せんしんほう)


 崩陣拳の身法(体捌き)。

 攻撃してきた相手の横合いへ素早く移動する方法と、直線状に放たれた相手の攻撃を全身のよじりで回避しつつ懐へ入る方法の二つが存在する。

 回避と同時に、自分にとって有利な位置を取ることができる。




旋風擺蓮(せんぷうはいれん)


 六合刮脚の技。

 回転によって遠心力をつけてから、骨盤を横へ開く力を使って放つ払い蹴り。

 一撃目が避けられても、骨盤を閉じる力を使った回し蹴りへとすぐに変化させられる。




磨脚(まきゃく)


 六合刮脚の技。

 蹴り足の先端を一度地面に引っ掛けて「タメ」を作り、デコピンの原理で強力な蹴りを放つ。

 威力の増強もできるが、地面に引っ掛けることでタイムラグを発生させ、相手の読んだタイミングを狂わせる効果も併せ持つ。




插捶(そうすい)


 六合刮脚の技。

 手を拳として握り切らず、第二関節まで曲げた状態で相手に添える。その状態から、肩を前に出すと同時に添えた手を握り締めて押し込む事で、極めて近い間合いでも強い突きが打てる。いわゆる「寸勁(すんけい)」に分類される技。

 六合刮脚で数少ない突き技であり、至近距離へ接近を許してしまった時のための思わぬ伏兵。




蹶子(けっし)


 六合刮脚の技。

 馬の蹴りのように、真後ろへ足を跳ね上げて蹴りを放つ。

 戳脚の看板技である「鴛鴦脚(えんおうきゃく)」にあたる技。




爬山脚(はざんきゃく)


 六合刮脚の技。

 片足を取られた時、もう片方の足を跳ね上げて蹴り付ける。

 蹴り使いにとって不利な状況の一つである、「足を取られる」という状況から脱するための技。




硬劈脚(こうへききゃく)


 六合刮脚の技。

 踵落としと同時に自分の上半身を前傾させることで、蹴りの力に自重も加えて振り下ろす。

 威力は大きいが、隙も大きいため、決め技に用いられる。




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