このアプリは成り代わりソフトです。 ♀⇔♂チェンジリングクロスリング
今まで、私の作品を見て下さりありがとうございます。
そのささやかなお礼ですが、良ければ見ていってください。
人間には、色々な種類がある
男嫌いや女の子に話したことのない男、王子キャラに女顔男子、フェロモンむんむんの女の子、
女気無しのおっさんなどなど・・・実に様々である
計4つの恋が生まれるのかもしれない
『さて、今回は・・・』
NO.☓☓☓ 男嫌い女子と女子慣れ☓の男子
あのことを思い出す・・・
「あの・・・よければ使ってください」
喧嘩で倒れこんでいたオレ(少々苛立ちで目つき悪かった)に心配してくれて、ハンカチを渡してくれた人
あの後、走って名前もお礼も言えなかった・・・ 同じ学校の制服だから会えると思い、
友人たちに手伝ってもらい、名前もようやく見つけ分かった
だけど・・・
「なあ・・・」
「!(ビクッー!)」
神崎藍菜さん、その人に声をかけたら
シュタタタタターッ・・・とすぐさま逃げられてしまった
「え・・・?」
・・・なんで?
「ああ、あいつ男嫌いだよ。知らなかった?」
なん・・・だとっ・・・!?
「はぁぁ~どうしよう・・・」
男嫌いじゃ、声をかけるのも一苦労だ・・・
ケータイをいじりながらオレ・宮野遊弦は溜め息をついた
『チロリンッ♪』
新着メールが届いた音だ 見なきゃ溜まるし・・・
ポチッとメールを開いた
『件名:あなたは、誰と成り代わりたいですか?
気になる子に回数は限られますが、七回あの子の体に入れちゃう☆
※ただし、性目的の使用は罰を与えます
こんなチャンス、二度とないかも!?!?
アプリをクリックしますか? 』
・・・
・・・・・・
悪戯メールか・・・
だが、
「面白い、乗っかってやるよ」
インキチでも、嘘でも、偽物でも・・・
「あの子にお礼を言いたい」
そして・・・
チラッと見た 渡したいものが、あるんだ・・・
ポチッとそのアプリをダウンロードをしていくと
『チャララ~ンッ♪』
変わった音楽を残してオレは意識を失った
・・・
「・・・きてくださーいぁ」
・・・?
「起きてくださーいぁっ」
・・・!?
ガバッ
「あっ、やぁーっと起きたんですねぇ」
・・・誰だ? コイツ
「えー、あなたは『選ばれました』ぁ」
「・・・は?」
「ボクぅ、このアプリの説明者・ロビンといいますぅ」
・・・コイツ、男?女? どっちだ・・・?
ジッと見て観察する
バーテンダーとバニーガールをミックスしたような服装に、ラベンダー色の髪とその髪に合う
黒ウサギの耳・・・
「ああそうそう、ボクぅ女でも男でもないですからぁ」
「!?・・・なんで分かったんだ?」
「ここに来た皆さんはボクぅを見ると大体こんな感じになるから、もしかしてとぉ・・・」
・・・分かるな、その気持ち
「さてさて話を戻してぇ。あなたはなんで望んだんですかぁ?」
なんで、成り代わりたい・・・か
それは、
「前、喧嘩して倒れていたオレにハンカチを貸してくれた女の子にお礼を言いたくて・・・だけど
その子、男が苦手みたいでさ。それなのに声をかけてくれた理由が知りたいんだよ、それ以外のことで
ソイツの体を使いたくない・・・」
「・・・わかりましたぁ。あなたの願いをかなえましょうぅ」
覚えているのはそれだけで、目を開けると・・・
ラベンダー色のベッドとたくさんの可愛らしい小動物のぬいぐるみや綺麗に整理された本棚
・・・?
・・・・・・?
!?
「なんじこりゃあっ!?」
なんでいいにおいしていんの!? あれここ俺の部屋じゃないよな!!?
飾られている物が百八十度違わくね!!?
ふと写真立てを見てみると両親に囲まれて、笑顔の少女
この顔は・・・
「もしかして・・・」
鏡がある場所に向かい、姿を見てみると・・・
いつも二つ結びになっている髪が今下されて、初めて見る長いロングヘア 綺麗でつぶらな瞳
血色のいい頬に、桜色の唇 鏡に手を伸ばした小さくて細い指
服装は可愛いパジャマ
まぎれもなく、この姿は・・・
「あの娘じゃねえか・・・」
そう呟き終えると、ノックの音が響いた
コンコン ビクッと驚いていると
「智夜~起きているの??? 早く寝なさい」
「は、はーい!!」
人が居なくなった気配を感じてからこう感動した
あの娘の声、久しぶりに聞いた・・・っ・・・
感動を胸に一杯させたまま、寝た
どうせ、携帯を握りしめたまま寝落ちしているから起きたら元通りだろう・・・と
チュンチュン、スズメに起こされて身体を起こすと違和感が襲ってきた
なんかすげーいいにおい・・・ オレの部屋のにおい・・・じゃねえ!!!!
飛び上がると再び鏡に向かった
夢で思っていた姿のままだ・・・
青ざめた少女が目に写っている 狼狽していると
ガチャ
扉が開いた音がした
「起きているなら、早くご飯を食べなさいね」
この娘のお母さんだろうか 慌てて返事をし、顔を洗った後リビングに行った
食卓を見てみると美味しそうな和食の朝食
「頂きます」
オレんちはトーストとかの洋食だから、和食は初めてだ
美味しそうに食べていると、意外そうな目で
「アンタ、前漬け物や納豆出したら嫌がっていたのに・・・」と言われてしまった
あの娘、漬け物と納豆嫌いなのかよ・・・っ 内心舌打ちをすると
「今日はそういう気分なのっ!!そろそろ着替えないといけないから、行くね!」
歯を磨いた、顔も洗った後は・・・ さて、最大の難関だ
「どうやって着替えようか・・・」トイレだってそうだ、どうしよう
悩んでいると、昨日意識を失った時に出てきたアイツが現れた
『おはようございますぅ~ いい朝を迎えたみたいで何よりでぇ~
着替えとかトイレってどうしよう・・・って悩んだ使用者のキミ!安心してくださいぃ。そういう時は藍菜ちゃんの身体をボクが代わりに乗っ取り、代行するシステムに変わりますぅ』
おま、お前性別不明なくせにいいのかっ!?
『だって、ボクには人間が持っている性欲が無いので安心をぉ~』
そ、それならいいが・・・
安堵をするオレを横目に、素早く着替えるロビンだった
「・・・大変だった」
げっそりとした状態でそう呟いた放課後
放課後になるまで、ほっっんと大変だった 授業では苦手分野の問題を当てられるし、先生に雑用を頼まれるし
それに・・・
『~♪♪♪』
着信の音が鳴り響きまくっていた
「これで50件、突破だよ・・・」
続き聞いた着メロにうんざりしていた
あの娘、これで男嫌いになったのかな・・・?と思い悩み廊下を歩いていると
「なんで、オレのことを見てくれないの・・・?」
目の前に顔が前髪で隠れた男がカッターを持って現れた
「え」
「今日は昨日の倍のメールを出して寂しくないようにしたのになんで今だってそうだ」
うわごとをブツブツと呟きながらジリジリと詰め寄ってくる男に、オレは・・・-
コツコツ・・・ オレの足音が廊下に響き、
パアアァァンッ・・・!
ビンタした音が木霊した
「・・・え」
「な・に・が・寂しくないようにだ!下らないっ!!! 好意の押し売りをしているんじゃねえ!!
虫唾がはしったわ! そんなに好き好きアタックをしたいんだったら、ダッチワイフにでもハスハスしてろっ!! ・・・あの娘はてめえの愛玩動物じゃねえんだよ!!!」
そう言い終え、立ち去ろうとすると
ガッ 手を掴まれ、カッターを持った手が振りかざされようとしているのを見て
ある事実を思い出した
あ・・・
「なんで藍菜ちゃんはそんな乱暴な言葉使いをするのひどいひどい」
オレ、今女になっているの、忘れてた・・・
カッターの刃が今、オレに・・・っ!!!
・・・? 痛みが襲ってこないことを不思議がり、恐る恐る目を開くと
!!
ポタッ・・・ オレの腕から出た血が滴る音が耳に響いた
えっ? 今オレが神崎さんの身体にいるから、オレの身体は誰の意識が使っていることになるんだ???
困惑していると オレの姿をした人が男に詰め寄ってきた
「・・・誰の女に手を出し手やがる」
「え」
「神崎藍菜はオレの女だと言ったんだよ」
「そ、そんな「いいからそこを立ち去れよ。ああ・・・次の惚れていく女にもこうしてみろよ。次はどうなるか、な・・・?」ひぃっ・・・!!!」
怒っている姿にビビりながら、男はカッターを持ったまま向こうへ逃げて行った
「・・・・・・ふぅ」
「!!血、まだ出ているっ!保健室・・・」
その後、すぐに保健室に向かった
「先生、怪我人・・・っていないし」
保健室で先生がいなかったから、オレが・・・
手当ての道具と分からねーし、どうし
カチャカチャ、テキパキ 青ざめて全く動けなかったオレを気にせず、オレの身体を使っている誰かが自身で手当てをしていた
「なんで、「私は貴方に助けてくれた女の子・神崎藍菜です。先程は有難うございました、保健委員長なので道具の場所は把握しているんです」あっ、これはご丁寧に・・・」
お互い深々とお辞儀にし合い、話が少しずれた
って、
「なんで、こんなことに・・・」
「私もあの迷惑メールかと思って、なんとなく考えもなしにクリックしたら、この姿で・・・」
お互いがお互いを見合う
「最初はこの姿になって、安心したのです」
コレなら、アイツの執着から逃げられますしね・・・
力無く笑うと
「さて」
「??」
「この姿で貴方を騙り、付き合っている宣言をしてしまったわけですが・・・ 鞄の中に入っていたハンカチ、汚してすみません。買ってK「それ!!・・・元々アンタにあげるつもりだったんだ。だから・・いい。むしろ、こっちがまた買うから」えっ・・・?」
「数年前、ヤンチャをして怪我を負った時貸してくれたハンカチ今は汚れて返す代物じゃなかったから・・・それで」
「・・・そういえば、そんなことがありましたぁ・・・」
嬉しそうに、花のように微笑むと
可愛い可愛いくっそめっちゃ可愛いなオイ
「こうなった以上、お願いするのはおこがましいのですがあの男が諦めてくれるまで『恋人』の契約をしてくれませんか?」
「う゛ぇっ!?」
「・・・ダメ、ですか???(コテンッ)」
「・・・っ、いいぜ」
入れ替わりから数時間で元に戻った二人は、同級生から偽恋人という関係に変えたけれど
いずれ、本当の恋人になるかもしれない・・・
財宝も地位も、愛に比べれば塵芥に過ぎない こういう恋の名言があるが
この恋の場合は、元ヤンキーだという男の事実も、女が先程まで男に関して大変な目に遭ったという事実も、こういう不思議なことからのきっかけに比べれば、塵芥に過ぎないというかもしれない
『今回の恋は、こういったんですかぁ。次は・・・ふぅん、このカップリングかぁ。
どうなるのかぁ、楽しみですぅ』
携帯やパソコンの中の電子世界で、事を楽しそうに見ているモノがいるとか・・・
見て下さり、ありがとうございました。今後もよろしくお願いします