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ロストロギア  作者: イザベラ&@T
1/2

~第1話 引っこ抜かれたからあなただけについて行く~

『ロスト』それがこの惑星の名前だ

陸と海の割合が6:4と言うなんとも微妙な割合で出来た惑星である。



この惑星は全人口1億と人間が少ない

が、だからと言って他の生物が多いかと言われればそうでは無い

この惑星の頂点に立つのは人間である。


何故なら、人間には『武器』あったからだ

しかも、他の生物が使う事が出来ない強力な武器。


その名も『制約武器』。通称『ロギア』

何処で作られたか、誰が作ったかは定かでは無い。


だが、その力は強大だった。


ある物は海を割り、地を裂く

ある物は嵐を発生させ、雷鳴を轟かせる

ある物は一振りで周りを焦土と化した。


それは一つで天災となる。


だが、ロギアを使うには名前の通りに制約を受けなければならない

その制約を守らなければそれ相応の罰則がロギアから与えられる

ロギアには意思があり、時にはロギアその物が人間を破滅させる事もある。


人間はロギアに位を付けた

それは畏怖からか、それともどれほどの力か分かりやすくする為か……


位は1位~15位まであり、比較的安全な物を10~15位、持つと危険な物を6~9位

そして、天災級の物を1~5位と定めた。


だが、その位付けも人が勝手に付けたもの

本来なら人間が及ぶことの出来ない物、それがロギアである。

そしてこれはロギアを巡る物語である

   とあるところに一人、世界を旅するのが趣味な男がいた。名前は『ルイン・ラギット』

   彼は旅の途中で適当な店で刃こぼれしないという不思議な剣を安く仕入れた。

   この剣が物語の引き金になるとも知らずに……


   


     ここは緑豊かな木々が生い茂る大きな森。葉と葉の間から漏れる太陽の光が気持ちいい。獣や虫が住む何の変哲もない森だ。

     そんな森に一人の男がいた。地図を持って何やら周りを見渡している。


 ルイン「さっきもここ来たな」

 

     迷子だった。


ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー


 ルイン「俺この森に来て何時間経つんだろう?いっこうに出られる気がしない

     はぁ、多分このままここで死んで死肉を動物に食べられて俺の人生終わるんだろうな」

   

     ちょっと遠い町まで行くためにこの森を通りかかっただけなのになんでこんな目にあわなくちゃいけないんだ

     そもそも目的の町に行くために森なんか通らず素直に遠回りしていれば良かったんだろうなぁ、クソ!

     酒が飲みたい気分になってきたぜ全く。


     いつまでも文句を言っていても仕方ないので足を動かす

     どこぞの童話みたいにパンくずを道に落としながら動けばある程度迷わずに進めるのだろうが今は道しるべに使えそうなものを持っていない

     それに、俺は食料を食事以外には絶対に使いたくない。理由は簡単。最近になって何故か腹が減りやすいからだ。空腹ゆえに1~2回死に掛けたことがある。

     

 ルイン「いてっ」


     何かにつまづき俺は転んだ。何につまづいたのか見てみると、地面が真っ赤に染まっていた

     そして、俺の目の前には槍を持った女の子がうつ伏せで倒れていた。


 ルイン「うわ!死、死体?」


     かわいそうに。まだ大人にもなってない女の子が誰にも知られること無く死んでいくなんて

     俺は今まで色んなところを旅してきたがさすがに人の死と直面したことはないな。

     

     その場で目をつむり、手を合わせて合掌する。


 ルイン「せめて安らかに眠ってくれ」

  

     近くで咲いていた適当な花を摘み、女の子の頭の前に置く

     花を置いた瞬間女の子の手が俺の腕をつかむ。

 

 ルイン「ひっ!」

 女の子「痛い」

 ルイン「は、離せ」

 女の子「足が・・・・・・痛い」

 ルイン「ああああああ!ゾンビイイイイイ!」  

 女の子「勝手に殺すな」

 

     うつ伏せで倒れていた女の子が俺の腕を離すと今度は仰向けになる。


 女の子「誰がゾンビだ戯けが。あたしは『ベルティア』だ。人を勝手にゾンビにするなんてとんでもない奴だ。で、あんたは?」

 ルイン「え?俺?俺はルインだ。ルイン・ラギット」

ベルティア「あー、いるいる。名前を言ってからフルネーム言う奴。もうその自己紹介ってかなり古いよね」

 ルイン「うるさいなー、いいだろ別に。それで君はこんなところで何してたの?」

ベルティア「ちょっとここで狩りをしてたんだけど足に牙をうけてしまってな」

 ルイン「牙?もしかして足噛まれたのか?」

ベルティア「うん。まぁね。しかも足首に植物のつるが絡まっちゃってさ・・・・・・ちょっと引っこ抜いてもらえる?

      引っこ抜いたらAボタンでつかんで、今度はAボタンを離せば投げられるから。あ、それとあたしのことはベルって呼んでいいよ」

 ルイン「Aボタン?何の話?それに普通このタイミングで名前の呼び方言う?まぁいいや。今助けてやる」


     俺はベルティアの足にこれ以上傷をつけない様に引っこ抜く

     つるがブチブチと音を立てて千切れていく

     彼女を救出すると彼女は槍を杖代わりにしてフラフラと立ち上がる。

     

  ベル「痛たた」

 ルイン「怪我はないか?」

  ベル「あたしの足を見ればわかるでしょ」

 ルイン「あ、ゴメン。それで・・・・・・大丈夫か?」

  ベル「あたしの足を見ればわかるでしょ」

 ルイン「えーと、大丈夫じゃないって言いたいのかな?はいはい。あ、そうだ!ちょっとまっててね・・・・・・」

 

     たしか荷物の中に傷薬とか包帯があったはず・・・・・・あった!

     よし、これならベルの怪我をある程度治療できるだろう。


 ルイン「よし、ベル。足を見せてごらん。これで足の痛みは少しは減るだろう」

  ベル「あ?何だそれ?」

 ルイン「いいから、いいから。じっとしてて」

  

     ベルの足に傷薬を使い、包帯を巻いた

     うん、完璧だ。長いこと旅してると怪我もするからな。いつの間にか軽い治療ぐらいなら出来るようになったってもんだ。


 ルイン「はい、終わった。これで少しは楽になるだろう」

  ベル「おお!あんたこんな事も出来んのか?」

 ルイン「まぁね。どう?歩ける?」

  ベル「いや、別に元々歩けないほど痛かったって訳じゃないけど」

 ルイン「そうか。なら良かった。それで、さっき狩りをしてたって言ってたけど君は何者なの?」

  ベル「あたし?何者って言われてもなー」

 ルイン「じゃあ、自分の家とか家族とかは?」

  ベル「知らない」

 ルイン「え?じゃあ今はどこに住んでるの?」

  ベル「ここ」

 ルイン「ここって、この森?」

  ベル「うん」

 ルイン「えーと、この森に住む前はどこに住んでたの?」

  ベル「うーん・・・・・・どこだっけ?」

 ルイン「じゃあその槍はどこで手に入れたの?」

  ベル「森の獣倒したらドロップした」

 ルイン「本当に?」

  ベル「いや、知らない。もう覚えてない」

 ルイン「もしかして記憶喪失?」

  ベル「何それ?」

 ルイン「いや、何でもない」

  ベル「お前さっきからあたしに質問ばっかりするけど、お前はいったい何なの?」

 ルイン「あぁ、俺はしがない旅人さ。今は旅の途中でね、恥ずかしい話なんだけどこの森で迷っちゃって。

     この森を抜けると~~の町に行けるらしいんだけど。この森の抜け道知ってたりしないかな?」

  ベル「~~?何それ知らない。でもこの森の抜け道なら知ってる。案内しようか?地獄の果てまで」

 ルイン「地獄はいいけど、抜け道を知ってるんなら案内してもらおうかな」

 


     ベルティアという不思議な少女に抜け道を教えてもらい、見事に最初に俺が入った入り口に戻された

     できれば~~の町に続く抜け道を教えて欲しかったのだがベルはその町を知らないから仕方ないだろう

     素直に遠回りして行くしかないな。急がば回れとは正にこの事だな。


 ルイン「ありがとうベル。おかげで森を抜けることが出来たよ」

  ベル「うん。それで、お前はこれからどうすんの?」

 ルイン「俺は~~の町に行くよ」

  ベル「そうか。当然分かってると思うけどあたしあんたに付いて行くから」

 ルイン「ん?」

  ベル「だってそうだろ?引っこ抜かれたからあんただけに付いて行く」

 ルイン「まぁ別にいいけど俺と一緒にきたら二度とこの森に帰れなくなるかもしれないんだぞ?」

  ベル「あんた旅人なんだろ?あたしが帰りたくなったらあんたはこの森を目指して旅をすればいい」

 ルイン「何とわがままな!・・・・・・でもそれも面白いかもな。ははは」


     こうして記憶喪失(?)の少女ベルティアと共に旅することとなったルイン

     二人の旅はこれからどうなることやら。


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