プロローグ
閲覧ありがとうございます!
稚拙な文章ですが、最後まで読んでいただけたら幸いです。
現在私生活が忙しいので中々投稿できない状態ですが、時間を見つけて執筆していく予定です。
突然辺りが光に包まれた。それと同時に、あの吸引力と言えばでお馴染みの、とある掃除機のような吸引力でどこかに吸い込まれ、引き摺り込まれた。
ボフン!と大きな音を立てながら、投げ出された先は床…とも言える硬い場所で、それはそれは見事な顔面着地であった。
「へぶッ‼︎」
打ち付けられた衝撃で少女らしからぬ奇声を上げ、突っ伏したまま顔面の痛みに耐えている姿は、なんとも言えない無様な姿だっただろう。
「……え、アンタ誰?」
静寂を破り、頭上から突然声をかけられた。
少女は慌てて床に張り付いていた顔を上げるとそこには———胡座をかいた少年が空中に浮かんでいた。
ヒリヒリする痛みを我慢しながら辺りを見回す。家具もインテリアもない。———あるのは、壁と部屋の真ん中に扉が一つずつ。
「ちょっと、聞いてんの?」
知らない部屋をぼーっと眺めていると再度声をかけられ、肩がピクリと上がる。
「ねぇ、聞こえなかったの?ア・ン・タ誰っ」
「えっと…あの………?」
状況が飲み込めず終始おどおどしている少女を見て、話が一向に進まないと痺れを切らし、声の主ははぁ…と溜め息を吐く。
「ここ、“関係者以外立入禁止”のとこなんだけど」
「…す、すみません!じゃあわたしは帰り…」
「帰れんの?どうやって」
「えっと…、その扉から………?」
少女は壁の方の扉を指差し、首を傾げる。
「見たところさ、その服装って『ここのもの』じゃないし、アンタみたいな“鈍臭いやつ”オレ知らないんだよね」
鈍臭いと言われた少女はこめかみをピクッと動かし、浮かんでいた声の主の少年をガシッと乱暴に掴み、引き寄せる。
「ドッ、ドドドドンクサイ!?これでもわたし体育の成績三はあるん…」
「意味わからん」
少年はスパッと会話を切って、掴まれていた腕を振り払った。床から立ち上がり今度は洋服の埃をパッパと払うような動作をしたあと少年はふぅと短く息を吐いて、少女の背後の壁に歩み寄った。
「話、進みそうもないね。無理もないけど。まぁ、とりあえずさ」
そこで一回言葉を切り、少年は手を壁に当てる。ぶつぶつと何かを呟くと少年の目の前の壁一面がスッとなくなった。
「オレの名前はリオ。そして
———ようこそ『オレたちの世界』へ」
リオに手招きされ、壁だったところに近づくと、そこは少女のいた世界とは異なる、魔法が存在する世界が広がっていた。