表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

第7章:舞踏会の華麗なる幕開け

エリザベスの部屋は、華やかなドレスとアクセサリーで溢れかえっていた。舞踏会まであと1時間。


サンドラ『きゃ〜!どれを着ればいいですの〜?エリザベス様の美貌には、全てが似合いすぎて困っちゃいますわ〜!』


シャーロット『落ち着いて。まずは状況を整理しましょう。私たちの目的は…』


ジャスティス『真実を暴くこと!ヴァイオレットの陰謀を阻止するのよ!』


シンデレラ『で、でも…綺麗なドレスも着たいな…』


「みんな、お願い。もう少し静かに…」


その時、今まで黙っていた傲慢な声が突然、大きく響いた。


傲慢な声『愚か者どもめ!貴様らに何が分かる!この私こそが、真のエリザベス・ヴァンデルビルトだ!』


「あなたは一体…」


傲慢な声『フンッ!この私の名を知りたいか?いいだろう、教えてやろう。我が名はレギーナ・メルカトル。高貴なる悪役令嬢、その極みを体現する者だ!』


サンドラ『あら〜、随分と大層な名前ですこと〜。でも、エリザベス様の華麗なる美貌には及びませんわ〜』


レギーナ『黙れ、下郎!』


エリザベスの頭の中で、レギーナとサンドラの言い争いが始まった。その時、ノックの音が鳴り響いた。


「エリザベス、準備はいいかい?」アルベールの声だった。


「あ、ああ、もう少し待って!」


シャーロット『落ち着いて。ここが正念場よ。みんなの力を合わせましょう』


ジャスティス『そうね。真実のために、力を合わせるわ!』


シンデレラ『う、うん。頑張ろう…!』


エリザベスは深呼吸をし、優雅にドアを開けた。


アルベールは息を呑んだ。「君は…まるで妖精のようだ」


サンドラ『おほっほっほ!当然ですわ〜。エリザベス様の美しさは、この世のものとは思えませんもの〜♪』


「あら、お世辞が上手ね。さあ、行きましょう」


舞踏会場に到着すると、全ての視線がエリザベスに集中した。ヴァイオレットが、意味ありげな笑みを浮かべながら近づいてきた。


「まあ、エリザベス。素敵なドレスね」


レギーナ『フン、貴様如きが褒めても何の価値もない』


「ありがとう、ヴァイオレット。あなたも素敵よ」


その時、学院長が登場し、声高らかに宣言した。


「さあ、舞踏会の幕開けです。そして、今宵の目玉…魔法の鏡の儀式を行います!」


会場が騒然となる。


シャーロット『魔法の鏡?聞いたことない儀式よ』


ジャスティス『きっと真実を映し出す鏡ね。これで全てが明らかに!』


シンデレラ『こ、怖いよ〜。でも、逃げちゃダメ…!』


「魔法の鏡って?」


アルベールは複雑な表情で答えた。「その鏡は、人の本質を映し出すんだ。エリザベス、君は…」


その言葉の途中、ヴァイオレットが割り込んできた。


「さあ、エリザベス。私たちで、最初に鏡の前に立ちましょう」


レギーナ『よかろう。この私の高貴さを、その鏡に刻み付けてやろうではないか』


サンドラ『あら〜、楽しみですわ〜。エリザベス様の美しさ、鏡が壊れちゃうかもしれませんわね〜』


エリザベスは、内なる声々を抑えつつ、毅然とした態度で鏡の前に立った。


魔法の鏡が輝き始める。そこに映し出されるのは—


「な、なんてこと…」学院長が絶句した。


鏡には、六つの顔が映し出されていた。サンドラ、シャーロット、ジャスティス、シンデレラ、レギーナ、そして…記憶を失う前のエリザベス。


会場が騒然となる中、エリザベスは鏡に映る自分たちを見つめた。


「これが…私?」


アルベールが驚きの表情で近づいてきた。「エリザベス、君は…」


ヴァイオレットは勝ち誇ったように叫んだ。「見た?これが本当のエリザベス・ヴァンデルビルトよ!六つの人格を持つ、狂った悪役令嬢!」


エリザベスの中の六つの人格が、一斉に声を上げた。


サンドラ『あら〜、バレちゃいましたわ〜』


シャーロット『冷静に。これは予想外の展開だけど、まだチャンスはある』


ジャスティス『真実が明らかになったわ。でも、これが終わりじゃない!』


シンデレラ『み、みんな…一緒に頑張ろう…!』


レギーナ『愚か者どもめ!この程度で私が屈するとでも思ったか!』


そして、最後の声。記憶を失う前のエリザベスの声が、静かに、しかし力強く響いた。


「私たちは、一つなのよ」


エリザベスは深呼吸をし、会場の全員に向かって声を上げた。


「そう、これが私。六つの人格を持つ、エリザベス・ヴァンデルビルト。でも、それがどうしたの?」


会場が静まり返る中、物語は新たな局面を迎えようとしていた。

ついに明らかになるエリザベスの六重人格!そしてその真意の程は……!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ