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第6章:舞踏会の策略

花園に緊張が漂う中、ヴァイオレットは優雅に歩み寄ってきた。


「認めたわ。でも、それがどうしたの?証拠はあるの?」


サンドラ『あら〜ら〜!証拠なんて必要ないですわよ〜。エリザベス様の美貌こそが、最大の証拠ですわ!』


エリザベスは思わず口に出してしまった言葉に、内心で顔を赤らめた。


(ちょっと、サンドラ!そんなの関係ないでしょ!)


シャーロット『冷静に。ヴァイオレットの自信、どこから来てるのか考えて』


ジャスティス『正義は必ず勝つ!さあ、エリザベス、真実を暴くのよ!』


エリザベスは深呼吸をし、冷静に尋ねた。


「ヴァイオレット、なぜそこまで自信があるの?」


ヴァイオレットは不敵な笑みを浮かべた。


「簡単よ。今夜の舞踏会で、全てが明らかになるわ。そこで、誰が本当の悪役令嬢か、はっきりするでしょうね」


アルベールが突然、話に割って入った。


「舞踏会?エリザベス、君は聞いていなかったのかい?」


エリザベスは困惑した表情を浮かべた。


(舞踏会!?聞いてない!)


サンドラ『はぁ〜?舞踏会ですって?エリザベス様にお声がかかってないなんて、あり得ませんわ〜!』


シャーロット『待って。これは罠かもしれない。慎重に』


その時、臆病な声が小さく囁いた。


臆病な声『で、でも…舞踏会って、素敵だよね。綺麗なドレスに、優雅な音楽…』


エリザベスは、その声に導かれるように、ふと夢見心地になった。


「舞踏会…素敵ね」


ヴァイオレットは勝ち誇ったように言った。


「そうよ。今夜、全ての真実が明らかになるわ。さあ、エリザベス。準備はいい?」


サンドラ『おほっほっほ!もちろんですわ〜!エリザベス様の華麗なる舞踏会デビュー、皆さまの度肝を抜いてさしあげますわよ〜!』


アルベールは困惑した表情で言った。「エリザベス、大丈夫かい?」


エリザベスは、内なる声々を抑えつつ、優雅に微笑んだ。


「ええ、もちろんよ。楽しみだわ」


ヴァイオレットは意味ありげな笑みを浮かべ、立ち去っていった。


花園に残されたエリザベス、アルベール、マリアンヌ。


マリアンヌが小声で言った。「エリザベス様、大丈夫ですか?舞踏会のこと、本当に知らなかったんですか?」


エリザベスは、動揺を隠しつつ答えた。


「え、ええ。でも大丈夫よ。なんとかなるわ」


(どうしよう!舞踏会なんて…)


サンドラ『問題ありませんわ〜!エリザベス様の華麗なるダンスで、皆を魅了してあげましょう♪』


シャーロット『ダンス!?私たち、踊り方知らないわよ!』


ジャスティス『舞踏会で真実を暴くのね。準備しなきゃ!』


臆病な声『こ、怖いよ〜。でも、綺麗なドレス着たい…』


エリザベスの頭の中が大パニックに陥る中、アルベールが近づいてきた。


「エリザベス、僕が教えようか?舞踏会のエチケットとダンスを」


エリザベスは、複雑な表情でアルベールを見つめた。


(アルベール…あなたは味方?それとも敵?)


サンドラ『まあ〜!アルベールったら、親切ですこと〜。でも、エリザベス様はそう簡単には落ちませんわよ〜♪』


エリザベスは、サンドラの口調で答えた。


「あら、ありがとう。でも、エリザベス様にダンスを教えるなんて、10年早いですわ〜」


アルベールは苦笑しながら言った。「そうかい?でも、君の力になりたいんだ」


その瞬間、臆病な声が大きくなった。


臆病な声『待って!私…私、ダンス習いたい!アルベールさんに教えてもらいたい!』


エリザベスは、その声に驚いた。


(あなた…そんなに積極的だったの?)


臆病な声『う、うん!舞踏会って憧れだったの。それに…アルベールさん、優しそう』


エリザベスは、思わず声に出してしまった。


「あなたの名前は?」


アルベールとマリアンヌは困惑した表情を浮かべたが、エリザベスの中で、小さな声が答えた。


臆病な声『私は…シンデレラ。憧れを叶える、夢見る女の子』


エリザベスは、微笑んだ。


「分かったわ、(シンデレラ)アルベール、ダンスを教えてくれる?」


アルベールは嬉しそうに頷いた。「もちろんさ。さあ、始めようか」


エリザベスは、不安と期待が入り混じる複雑な思いで、アルベールに手を差し出した。舞踏会まであと数時間。真実の時は、刻一刻と近づいていた。



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