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13話 魔石について

九曜って格好いいよね。


 一先ず、これから戦うであろう魔物は、動物を凶悪にしたような存在だそうだ。

 言葉が通じず独自の生態をもち、人を見れば襲い掛かってくるる。

 中には特殊な力を持つ者もいるそうだ。

 共通して体内に魔石と呼ばれる器官を持っており強い者ほど大きい魔石を持っているらしい。


「その魔石を牛耳っているのが冒険者ギルドというわけか」

「ええその通りです」


 魔物の素材を独占しているのが冒険者ギルドである以上こな重要そうな魔石という物を管理しているのも冒険者ギルドと言うことだ。


「魔石か何かのエネルギー源になってそうだな」

「よくお分かりですね。

魔石は、魔道具やゴーレムなどの燃料として使われています」

「魔道具ね。

 ランタンとかの代わりになる物もあるんだろうな」

「その通りです。

 この世界に来たばかりとは思えませんね」

「まあ、お約束だしな」

「お約束?」

「とにかく、国が冒険者ギルドの魔石独占を認めていると言うことは冒険者ギルドが魔石を独占して値段を吊り上げるなんてことはしていないんだな」

「そうですね。

 冒険者ギルドは、どの国の貴族より清廉潔白で有名ですからね」


 なるほどと頷きつつ森の探索に入る。

 とはいえ、こちとらただのおっさんなので潜伏スキルもなにもあったモノではない。

 なのでやることは森を迷わないように歩きつつ目標であるゴブリンを探すだけである。


 暫くして狼の群れを見つけた。

 向こうも気が付いているようで此方を警戒している。


「なんだか気が立っているようですね」


 ヘイルの言葉に感心する。


「分かるのか?」

「ええ、しきりに辺りを見渡しているあたり何かしら探しているようです」


 狼の群れは此方から目を離して直ぐ後ろを見る。

 そこに草むらからゴブリンが飛び出してきた。

 ゴブリンは、驚いたようで慌てて草むらに逃げようとするが、あっさりと狼に噛みつかれ押さえ込まれる。


「ゴブリン弱っ」

「ええ、ですがあれは囮ですね」

「ん?」


 ヘイルがそう言うと木々の上からゴブリンが飛び降りてきた。

 そして、噛みついた狼を囲んで叩く。

 他の狼達は黙ってそれを見ているなんてこともなく奇襲してきたゴブリンに襲いかかる。

 乱戦だ。

 しかし、身体能力の差か狼達が優勢になっていきゴブリン達を制圧してしまった。


「うーん、戦闘経験を積むためにもゴブリン達と戦いたかったが」


 とか言っているとゴブリン達の死体が煙の如く消えてしまった。


「うん?

 ゴブリンの討伐証明はどうすれば良いんだ?

 あれでは討伐証明の部位の剥ぎ取りも出来ない」

「それは、元より無理ですね

 そもそも最下級とはいえ邪精霊にあたるゴブリンは、死体を残しません。

 それに討伐証明は、ギルドカードで行います」


 ヘイルの言葉を聞いて驚く。


「行動が記録されるのか!?」

「え、ええ、話が早いですね。

 その通りです。

 冒険者は荒くれ者が多いので、犯罪対策としても使われています」

「それは、国が取り入れたりはしないのか?」

「冒険者ギルドの秘匿技術の一つですから、残念ながら取り入れることは出来ないのです」

「なるほどね」


 技術的にもマウントをとっているのか冒険者ギルド恐るべし。

 その後、あっさりと見つけたゴブリン達を見習い騎士(アプレンティスナイト)の膂力を利用しごり押しで所定数倒した俺は、冒険者ギルドへと戻る。


「流石、勇者様、戦いの経験が無いとは思えないほどの戦いぶりでしたね」

「そうだな、女神の力のおかげだ」


 あからさまなチート能力ではないが、それでも英雄に相応しい力だと思う。

 見習い騎士(アプレンティスナイト)でこれだから騎士(ナイト)や上級の職になったらどれ程強くなるのか

 俺は手に入れた魔石を眺めつつ冒険者の町ブルスティアに帰るのだった。

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