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ゴルフ場の怪 〜40分でホラーは書けるのか〜

40分でも意外と書けるものだとびっくり。流石に2500字にはならなかったけど。

 ある日、見知らぬ老人から声をかけられた。


 うまいバイトがあるのでやってみないかと。


 見るからに胡散臭いので迷ったが、パチンコで有金全部を溶かしてしまった以上、乗るしかなかった。


 連れてこられたのは、今はもう使われなくなったらしいゴルフ場だった。


 気になるのはところどころ緑ではなく赤い芝が生えていることだ。


 まるで血のようだ。


 まさか、ここは殺人現場なのか。


 おっかなびっくり芝に手を触れながら確認してみる。


 どうも血に濡れて赤くなったのではなく、元々こういう色だったようだ。


 老人によると、どうも前オーナーの個人的な趣味だったとのこと。



 バイトの内容だが、ゴルフ場を歩き回ってゴミが落ちていないか確認するだけでいいらしい。


 ゴミ袋を片手に持ちながら、夕日をバックに足を進める。


 しばらく歩いたところでふと、妙な気配を感じた。


 反射的に振り返ると―――




 ―――背後にうつろな目をした男がのそりのそりと近付いてきていた。


 そいつは、全身が緑色だった。


 慌てて逃げ出すが、どこから現れるのか緑色の人間は次々に増えていった。


 首だけ後ろを向けると、もう数十、いや、それ以上にまで―――





 ―――悲鳴を上げながら再び前をみると、目と鼻の先に緑が。


 数秒前までは誰もいなかったのに。


 いきなり方向転換などできるはずもなく、派手にぶつかって転んでしまう。


 痛みに耐えながら頭を上げたときには、もう完全に囲まれていた。


 駄々っ子のように暴れ回るが、もう遅い。


 手が 手が 手が 手が


 雪崩のように迫ってくる。


 視界が真っ暗になった。




 数分後。


 岩のように動かなくなっていた男の体がピクリとしたかと思うと、ゆっくりと、うつろな眼をしながら立ち上がった。


 すると、足下の芝の緑色がスゥーと男の皮膚に乗り移っていく。


 足の指先 膝 腰 胸 首 そして頭の先まで


 文字通り全てが緑色になる。


 そして透明になった芝は、男の靴を起点に徐々に血のような真っ赤に染まり始めた。


 毛細管現象のようにあっという間に。


 あたかも、初めからそういう色であったかのように。


 男は他の者達と共にのそりのそりと歩み始め、やがてどこにも見当たらなくなっていた。


 ゴルフ場にはもう誰もいない。

長編を書けるようになるためにも10話ぐらいは続けたい。本当はもっと書くべきなんだろうけど。挫折しないようにとりあえず目標は現実的な範囲で。

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