散策してみよう
おはよう。今何時か知らないけど。床に倒れるように寝ていたので首や肩が痛い。それに汚れたまま寝たので体がべたべたする。自分が臭い気がする。お風呂に入ろう。私は湯船にお湯をため、タオルやボディーソープなどのお風呂セットを魔法で出してゆっくりバスタイムを楽しんだ。
「はぁ~、サッパリした!」
バスタオルで頭をふきながらテントの空間に素っ裸で戻った私は着がえがないことに気づいた。いや、さっき脱いだ汚い服と下着ならあるけどあれを再び着たくはないじゃん?私は魔法でさっきまで着ていたものと同じデザインの服と下着を出した。なんで同じデザインなのかというとイメージがしやすかったからだ。イメージするって割と集中力がいるもんだ。
汚れた服をゴミ箱に入れリュックにしまい、軽めのご飯でも食べようと思ったがその前に!私はテーブルと椅子をイメージした。前にニ○リの通販サイトで見た4人用のテーブルと椅子のセット。よく思い浮かべて魔法で出した。
「よし!イメージ通り!」
私は椅子に座りテーブルの上にサンドイッチ(具はハム、レタス、トマト)とペットボトルのりんごジュースを出した。ようやく落ち着いて食事をすることができるようになった私は食べながら、この後テントの周辺を散策してみようとぼんやりと決めた。
辞典を手に持ちそっとテントから外に顔を出した。見える範囲に危険な動物はいないようだ。私はテントの外に出た。明るい陽射しのもとで見る湖はキラキラと輝いて本当に美しい景色だ。私はテントからあまり離れないように気をつけながら湖のまわりを散歩する。湖の中を覗いてみたが魚などはいないようだ。
しばらく歩いてから湖を眺めるように地面に座り辞典を開いた。
「この湖とてもきれいだけど、うっかり触ると危険だったりする?」
[あなたは水に触れても大丈夫ですがこの世界の生き物にとっては毒です。ですがこの毒に耐性がある生き物も少しいます。]
ああやっぱり。湖の中に生物が見当たらないからもしかしてと思ったよ。
「湖のまわりの植物には湖の影響はないの?」
[この湖のまわりと森の植物は湖の毒を取り込んでも大丈夫なものしかないです。しかし毒を取り込んでいるのでこの世界の大部分の生き物にとっては毒になります。]
だから昨日も森で生き物に出会わなかったのか。私が湖の水から影響を受けないのも異世界転移特典なんだろう。身体の調整されてるし。湖を眺めながらそんな事を考えていると湖から何かがゆっくりと這い出てきた。