地上へ
それから何日間かアンジェリカさんに下着を色々見て貰ったり遺跡で遊んだりと遺跡の改造には特に関わる事無く平穏に過ごした。ヨゾラは離れに帰ってこない。もしかしたらずっと遺跡で暮らすつもりかもしれない。まあそれもいいかなと思う。寿命が長いだろうヨゾラに異世界の食べ物以外の関心事ができて良かった。明日領主さんとハロルドさんを再び遺跡に連れて行くことになった。遺跡を地上に出す日も近そうだ。
「レン、今回は瞬間移動でお願いできるかね?」
アンジェリカさんが普通に瞬間移動を受け入れているので恐怖心が薄れたらしい。
私は遺跡のロッカー室に瞬間移動した。領主さんとハロルドさんは自分の身体を確認してる。
「おお、本当に何ともないな。これは良い。そうだ!各地にレンの瞬間移動用の家を用意すれば…」
「ジェグラシム様、その話はまた今度にしましょう。まず遺跡を何とかしないと。」
おお。ハロルドさん、領主さんの扱いが少し上手くなった?落ち着きを取り戻した領主とハロルドさんと共に動力室に向かった。
ハロルドさんがヨゾラに大きな袋を渡した。中には色んな魔石がぎっしり入っている。大部分が紫の魔石だが。領主さんがギルドに依頼して集めたそうだ。
[ありがとな。これで警備ロボットが色々作れる。冒険者エリアはすでに作ったからあとはロボットとお宝を配置するだけだ。]
ヨゾラが作業をしているのを眺めつつ私はふと頭に浮かんだ疑問を口にした。
「ねえ、この動力室と上のロッカー室に繋がる階段の扉が最初に調査に来る人に見つかったら不味くない?」
開く気配の無い謎のドアなんかあったら絶対開けたくなると思う。
「その件も含めて細かい調整を今日はするつもりだ。レンは遺跡を地上に出すという大仕事があるのだから今の内にゆっくりしておくといい。」
なんか私だけのけ者にされているような。
《レンがいると魔法で全部何とかできそうだろ?あいつらもそれじゃ面白くないんじゃね?》
ああ、ヨゾラが辞典に頼らないのと似た感じか。私は大人しく水丸のいるプールのお風呂を堪能しに行った。
《レン、もうすぐ地上に遺跡を出せると思う。今あいつらと最終確認中なんだが…ちょっと時間がかかりそうだな。》
ヨゾラ達がプールにやってきた。領主さん達は
「これは実際に試さねば!」
などと言いながら服を脱ぎスライダー方面に走っていってしまった。
「まあ、そうなるよね。初めて見るんだし。ヨゾラも遊んできたら?」
その後領主さん、ハロルドさん、ヨゾラ、水丸が仲良くボートタイプのスライダーを滑っているのが見えた。私は領主さん達の服のそばにそっとタオルを魔法で出しておいた。
一通り遊んだ後、男達は再び最終確認に向かった。そしていよいよ遺跡を地上に出す時が来た。遺跡の屋上にスペースを作り私だけ屋上に出た。ヨゾラは水丸にボウリング対決をせがまれてたし、領主さんとハロルドさんは最上階の温泉を堪能したいそうだ。色々お疲れだろうから是非ゆっくりしていただきたい。
遺跡全体に箱の魔法をかけ上部にドリルを付けて地上を目指した。地上にたどり着いてから遺跡全体を空中に浮かばせる。湖から少しずれた位置に出たようだ。今あけた大穴を土で埋めるイメージの魔法で埋め遺跡を地上に降ろした。動力室とロッカー室のあるフロアは地下にして欲しいそうなので微調整をしておく。最後に魔法で埋めた土をかっちかちにするイメージの魔法をかけた。また沈んだら困るしな。
瞬間移動でロッカー室に戻りガラスの壁のフロアに出る。ここが一階だ。フロアを見回り不具合が無いか確認しているとみんなが集まってきた。
「レン、凄い魔法だったな。体調は…問題無さそうだな、さすがだ。」
「レン、最上階は眺めがいいぞ。サジタマール領はこれから好景気間違い無しだ。」
《水丸また勝ったんだよ~!》
《いや水丸まじでボウリング上手いな》
ガチ勝負だったみたいだ。水丸すごい。
みんなで動力室に移動し、ヨゾラが少し何かを操作した。私が魔法で出した色々な物も配置できたようだ。
[よし、ここに続くドアはただの壁にしておいたぞ。新しく作ったエレベーターにも仕掛けしたから大丈夫だろう。レンが箱の魔法を解いたら瞬間移動で離れに戻るぞ。領主、ハロルド段取りは大丈夫だな?]
二人は頷いた。
私達は離れに瞬間移動した。




