プレゼント
さてご飯もたべたし改めてテント内を確認すると奥の壁に2つドアがあった。なんでテント内にドアがあるのか…いや、考えたら多分負けだ。私は恐る恐る左のドアを開けてみた。中には日本でおなじみのウォシュレット付き水洗トイレがあった!先ほどから尿意を感じていた私は疑問を持つ前にすぐさまトイレを利用した。何故か水が流れる。…後で辞典に聞こう。次に右のドアを開けてみた。中は右手に洗面台とタオル等がしまえそうな棚、左手にスライドドアがあり、ドアを開けるとお風呂だった!湯船は一人が足を伸ばして入れるくらいの大きさ。洗い場にはシャワーもある。お湯も水も何故かでるようだ。素晴らしい!後で入ろう。私は20畳の空間に戻り床に座って辞典を開いた。
「管理者ってなに?」
[管理者は色々な時空のあらゆる惑星を管理している者です。]
「異世界転移特典とは?」
[ごく稀にできるシステムの隙間をくぐって異世界に転移させられてしまった方のために管理者が用意した特典です。転移者が転移先でも生きていけるように身体の調整、なんでも知っている辞典、とりあえずの生活空間であるテント、なんでも入る時間停止機能付き収納が転移者にプレゼントされます。管理者からのお詫びの意味も含まれてます。申し訳ないがこれでなんとか生き延びて人生を全うしてほしいとのことです。]
システム不具合に巻き込まれた人へのお詫びか。プレゼントよりもとっとと元の世界に戻して欲しいとは思うがそれなりの誠意は感じる。まあ色々便利だし。前向きに生きていけそうな気が少しはする。
「このテントの色々な機能ってどうなってんの?」
[管理者からのプレゼントということでそういう機能がついています。明かりはあなたの望む明るさに自動調整できます。水お湯もトイレお風呂洗面台では望むだけ出て、お風呂洗面台では蛇口で調節可能です。排水についてもテントの仕様ということで問題ありません。また、テント自体あらゆる災害や攻撃に耐えられる仕様となっており、テントの中にはあなたの許可した者以外は入れません。]
…なんか凄すぎて逆に申し訳なくなってきた…そして安全確保がとりあえずできたからか急に眠気が襲ってきて、寝落ちした。