キャンプしたい
ひたすら歩いた私は森にたどり着いた。とりあえず飲み物食べ物の心配はないのだ。テントもあることだしキャンプをしてみよう!私は辞典を開いた。
「この森にきれいな湖はあるか?」
[あります。]
「場所は?」
[地図を出します。案内機能はオンにしますか?]
「うん。あるならオンにして。」
もはや不思議を不思議と思わなくなってきた。辞典に地図と点滅する赤い丸、黄色の星印が現れた。多分星印が湖だろう。辞典を開いたまま私は目的地に向かって歩き出した。
歩いて、歩いて、日が暮れてきた。目的地まであと少しのようだが足元が暗くて見えずらい。私はランタンをイメージし、心の中で出ろ!と言った。目の前にランタンが現れた。それでまわりを照らしながら歩き、そして目的地までたどり着いた。透明度の高い美しい湖が目の前に広がっている。湖のまわりは草花が咲き、大きな木もなくテントをはっても全く問題なさそうだ。もう暗いしとりあえずテントをはろう。私はリュックに辞典をしまってからテントを出した。出したらもう一人用テントとして利用できる状態で出現した。
「本当に便利だな…。」
私はつぶやきつつテントの中に入った。
「…」
テントの中は何故か明るかった。私はランタンをリュックにしまった。テントの中は広さがおかしい。20畳くらいあるように見える。高さは確実に3メートルはありそうだ。これも異世界転移特典というやつだろうか。きっとそうだ。そうに違いない。歩き疲れてお腹が減ったし喉も乾いた。私はよく利用していたファミレスのハンバーグセットを強くイメージし欲した。サラダ、ライス、鉄板でジュウジュしているデミグラスソースハンバーグが現れた。飲み物はペットボトルのお茶をイメージし出す。めっちゃおいしそう!
「いただきます!」
テーブルがないので食べにくかったが、あっという間に食べ終わった。残った食器はリュックにしまい、ソースが床にこぼれていたので布巾を出してふいてからリュックに入れた。リュックの中がごちゃごちゃしてくるのが気になる。私は大きなゴミ箱をイメージして出した。その中に食器、布巾、ペットボトルを入れリュックにしまった。物はいくらでも入るのだ。問題ないだろう。