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第1話 宇宙創成

第10話後、登場人物一覧有り。

第13話に世界地図有り。

 ここは、どこだろう?

 何もない空間に、ただ浮かんでいる自分。

 熱さや冷たさもなく、永遠に広がる空間にただ浮かんでいるようだ。

 記憶にあるのは、太陽の100億倍もある超巨大なブラックホールに吸い込まれる瞬間まで。


 ここでは、恒星の輝きも見えず唯々(ただただ)暗黒の世界が広がっている・・・。

 どうやら、ここには自分一人しかいないようだ。

 左手で、右の腕を(つか)んでみると(つか)めたし、足を触ると、その感覚があったので人の形は保っているようである。

 宇宙船スペースヴェガには自分の他に7人の乗組員がいたが他の乗組員はどこへ行ったのだろう?

 そもそも、乗っていた宇宙船スペースヴェガはどうなったのか?

 それとも、ここは死んだ後の世界?

 どうやったら元の場所に戻れるのだろうか?


 そんなことを考えながら、ただ時間だけが1日、2日・・・1週間、1か月、1年・・・と過ぎていく。

 それとも、水を飲まなくても食べ物を食べなくても生きていられることを考えると、時間そのものが止まっているのだろうか?


 そして、最後にここは宇宙の果てなんだろうと、自分は精神生命体のようなものに変わったのだろうと結論付ける。


 俺の名前は、ゼド・アイザック、惑星アルファ・国際宇宙ステーションに所属し、宇宙船スペースヴェガに乗船する乗組員の一人である。

 年齢は25歳、独身、身長181センチ、彼女はいないが自分では顔は中々イケてるほうだと自負している。

 今だ、謎の多いブラックホールの調査を行っていたのだが、超巨大なブラックホールに吸い込まれる隕石群の衝突により、宇宙船スペースヴェガの機体に損傷を受け、宇宙船ごとブラックホールに吸い込まれてしまったのである。




 体の内に感じる膨大な圧縮された虚無のエネルギー。

 そのエネルギーは、最初のうちはコントロールできなかったが、今は想像するだけで想像したものが創造できるようになっていた。

 そして、ふと思ったのである。

 宇宙を創ろう・・・、と。

 その瞬間、時空のゆらぎが生じ、内なる膨大な虚無のエネルギーが解放され光速を超える速さで広がっていく。

 (いく)つもの恒星が誕生し、その何倍もの惑星が生まれ、膨大な熱量を持ちながら宇宙が出来上がっていく。

 そして、(つぶや)いた。


 「俺、神じゃん。誰も突っ込んでくれないけど・・・。」


 まさしく、この宇宙においてゼドは神であった。

 ああ、こうやって宇宙は生まれたのだと考えた。

 宇宙を満たす膨大な熱量は、何十億年と経つにつれ拡散し、ドロドロのマグマの塊だった惑星も温度が下がり、中には生命の息吹を感じることができたものもある。

 宇宙を創ったことによって、内に秘められた膨大な虚無のエネルギーは残り少なくなってしまったが、その残りのエネルギーで生命の息吹が感じられる惑星にて人型を成す。


 名前:ゼド・アイザック

 種族:人間(精神生命体)

 身長:181㎝

 髪:銀髪

 肌:白

 特技:虚無のエネルギーの残渣(ざんさ)


 ゼドは、残った虚無のエネルギーの残渣(ざんさ)により、海を創り、大地を創り、残った最後の虚無のエネルギーで大気を満たした。

 その大気を満たしたエネルギーは、聖霊力とも魔素力ともいえるものとなった。

 そして、数千年の間に、聖霊力が強い場所には、天使や精霊、聖霊が生まれ、魔素力が強い場所には妖魔、魔獣、竜種、悪魔等が生まれたのだ。

 この惑星には、ゼド以外の人間はいない。

 (しばら)くすると、自然と生まれた動植物、精霊、魔獣、妖魔、竜種 そして、天使や悪魔等が闊歩(かっぽ)する惑星となったのだ。

 ゼドの、自分でも気が付かない意志によりこの様な惑星になったのであった。

 ゼドは考えた。

 この惑星では、自分の無意識下における心核(ココロ)の在り方が投影されているのだと。

 そして、ゼドは虚無のエネルギーの残渣(ざんさ)により、肉体を創り出し、その体に自分の精神生命力を流し込む。

 こうして、虚無のエネルギーをほぼ使い果たしてしまったため、―とはいえ、多少の魔法のようなものは使えるが―自分一人ではほぼ無力な人間になってしまっていたのであった。


 名前:ゼド・アイザック

 種族:人間

 年齢:25歳

 身長:181㎝

 髪:銀髪

 肌:白

 特技:虚無のエネルギーの残渣(ざんさ)

最後まで読み切った人はいないかもしれませんが、よろしくお願いします。

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