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81.再入宮

エリーゼとカイゼルがお互いの決意を国王に伝えてからあっという間に一ヶ月が過ぎた…。


その間にエリーゼが正式に王太子妃として入宮する事が決まったのだった。


そして…


エリーゼは入宮当日…

家族との会話を済ませると王宮からの場所へと乗り込み王宮へと向かった。


エリーゼを乗せた馬車が王宮へ到着した。

馬車の扉が開きエリーゼが馬車から降りるとそこにはカイゼルがエリーゼを待っていたのだ。


「殿下…?」


エリーゼは目の前にカイゼルがいた事に驚き呟いた。


「エリーゼ…待っていたぞ…。」


カイゼルはエリーゼを愛おしそうに見つめながら言った。


「はい…。あの…殿下、お出迎えありがとうございます。」


エリーゼは嬉しそうに照れた様な表情を浮かべながら言った。


(前に王太子妃候補としてここへ着いたときには不安な気持ちしかなくこの場に立っていな…。でも…今は目の前に殿下がいる。それだけでさっきまであった不安な気持ちが消えてくみたいだわ…。)


エリーゼはカイゼルに話しながらそんな事をしみじみと思っていた。


「エリーゼ様…お待ち致しておりました。中で陛下と王妃様がお待ちです。」


カイゼルの後ろにいたフェイがエリーゼへと言った。


「フェイ様…お出迎えありがとうございます。」


エリーゼはフェイへと笑顔で言った。

そんなエリーゼを見てフェイはにこりと微笑んだ。


「さぁ…エリーゼ行こう。」


カイゼルはエリーゼにそう言うと手を差し伸べた。


「はい…。」


エリーゼはそんなカイゼルが出して手をそっと優しく取りながら言ったのだった。



エリーゼ達はガストンとアイリーンが待つ部屋へと到着した。



「おぉ。エリーゼ嬢…いや、エリーゼ妃よく来てくれたな。」


ガストンが笑顔でエリーゼへと言った。


「はい。陛下…。」


エリーゼはカーテシーをしてガストンへと挨拶をした。


「エリーゼ妃…ようこそ。」


アイリーンも笑顔でエリーゼを迎えた。


「はい。王妃様…。」


エリーゼはアイリーンにもカーテシーで挨拶をした。


「エリーゼ妃には明日から王太子妃教育に入ってもらう。今日はゆっくり休んで明日に備えてくれ…。」


ガストンは優しく微笑みながらエリーゼへと言った。


「エリーゼ妃…王太子妃教育といってもそんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。あなたなら十分こなせると思うから。」


アイリーンが優しく微笑みながらエリーゼへと言った。


「畏まりました。陛下…王妃様…お心添えありがとうございます。」


エリーゼは優しく微笑みながら二人へとお礼を言った。


「エリーゼ妃には新しく部屋を用意したから今日からはその部屋を使ってくれるといい。」


ガストンが笑顔でエリーゼへと言った。


「侍女にはマリアをつけるから安心してちょうだいね。」


アイリーンが優しく微笑みながらエリーゼへと言った。


「陛下…王妃様…お心遣い感謝致します。」


エリーゼは優しく笑みを浮かべながら二人へとお礼を言った。


「カイゼル…エリーゼ妃を部屋へと案内してやりなさい。」


ガストンがカイゼルへと言った。


「はい…。父上。」


カイゼルは頷きながら応えた。


「では…また時間を作ってお茶でも飲みながら話でもしようじゃないか。」


ガストンはエリーゼへと言った。


「はい…。是非。」


エリーゼは嬉しそうに笑みを浮かべながら応えた。


「よし…ではエリーゼ行こう。」


カイゼルがエリーゼへと言った。


「はい。殿下。」


エリーゼは頷きながら応えた。


そして、カイゼルはエリーゼを自室へと案内した。


「エリーゼの部屋はここだ…。」


カイゼルがエリーゼを連れて部屋の前で止まるエリーゼへと伝えた。


「ここが…。今日から私の部屋になるのですね…。」


エリーゼは部屋の扉を見つめながら言った。


「あぁ…。そうだ。今日からここがエリーゼの部屋だ…。それで…その…。」


カイゼルは頷きながら言うと何か言いたげな表情でモゴモゴと言った。


「殿下…どうかなさいましたか?」


エリーゼはそんなカイゼルを不思議そうに見つめながら尋ねた。


「その…エリーゼの部屋の隣の部屋が私の部屋になっている…ので…何かあれば…すぐに私の部屋を訪ねてくれても構わない…から…。」 


カイゼルは少し照れた様に自分の部屋を指差しながらエリーゼへと言った。


「えっ…?隣は殿下のお部屋なのですかね…。」


エリーゼは驚きながらも照れながら頬を赤らめながら言った。


(とっ…すぐ隣の部屋に殿下がいるなんて…どうしよう…。それだけで心臓の音がうるさいわ…。)


エリーゼはカイゼルに話しながらそんな事を考えていた。


「あぁ…。その…もし隣が嫌なのであればすぐに部屋を移動させるが…。」


カイゼルはソワソワしながら言った。


「えっ…いえ…あの…嫌ではありません。ただ…その…。」


エリーゼは慌てて応えた。


「その…何だ?」


カイゼルはエリーゼへと尋ねた。


「あっ…その…お隣に殿下がいらっしゃると思うと…何だかドキドキしてしまって…。」


エリーゼは頬を赤らめて恥ずかしそうに照れながら言った。


「っ!!!」


カイゼルはエリーゼの言葉を聞き照れている姿を見て愛おしくなりたまらず息を飲んだ。


「その…私もだ…。」


カイゼルもソワソワしながらぼそりと言った。


二人の間にふわふわした空気が漂っていた。


そこへ…


「エリーゼ様!!」


マリアがエリーゼを見つけてエリーゼの名前を呼んだ。


「あっ…マリアさん!」


エリーゼは自分を呼ぶ声にハッとなりマリアを見て言った。


「あっ…殿下…。殿下とエリーゼ妃様にご挨拶申し上げます。」


マリアはエリーゼと一緒にカイゼルがいる事に気づいて慌てて挨拶をし直した。


「あぁ。エリーゼに部屋を案内したなから後のことは任せたぞ。エリーゼが少し休んだら王宮内を案内し明日からの予定を伝えてやってくれ。」


カイゼルは一気に王太子の顔になりマリアへと伝えた。


「はい。畏まりました。」


マリアは頭を下げながら言った。


「では…エリーゼ私は執務室へ戻るから何かあれば遠慮せずすぐに言ってくればいいからな。」


カイゼルは優しく微笑みながらエリーゼへと言った。


「はい…。ありがとうございます殿下…。」


エリーゼも優しく微笑みながら言った。


そして、カイゼルは執務室へと向かったのだった。


カイゼルが行った後にエリーゼとマリアは部屋へと入った。


「マリアさん…。マリアさんは顔を見せてくれたのに忘れてしまっていてごめんなさいね…。」


エリーゼは目に涙を浮かべながらマリアへと言った。


「そんな…謝らないで下さい…。今こうしてまたエリーゼ様とお会い出来ただけで十分ですから。」


マリアも目に涙を浮かべながら言った。


「色々あったけれど…またこうして王宮で暮らす事になったからこれからもよろしくお願いしますね。」


エリーゼは涙を浮かべたまま笑みを浮かべながら言った。


「また…エリーゼ様…いえエリーゼ妃様の侍女としてお仕え出来る事を嬉しく思っております。こちらこそ不慣れな部分は沢山あると思いますが宜しくお願い致します。」


マリアも涙を浮かべながら笑顔で言った。


そして、二人はその後エリーゼの提案でお茶を飲みながら色んな話をしたのだった。


一時間と少し話をした二人はマリアの案内で王宮ないを歩き見回っていた。


歩いている途中で休憩を取っていたユーリとロイと遭遇した。


「あっ…ユーリさん…ロイさん…。」


エリーゼは二人の姿を見て二人の名を呼んだ。


「エリーゼ…様…。」


「エリーゼ様……。」


ユーリとロイは名前を呼ばれて振り返るった先にエリーゼの姿を見てエリーゼの名前を呟いた。


「ユーリさん…ロイさん…私…また王宮へ戻ってきました。マリアさんにも伝えましたがお二人の事も忘れてしまっていてごめんなさい…。」


エリーゼは涙を浮かべながら二人へと言った。


「そんな…。その様に謝らないで下さい…。今こうして記憶が戻られた事が何よりですので…。」


「そうですとも…。エリーゼ様が謝る事など一つもないのですから…。またこうしてエリーゼ様とお話出来る事が何より嬉しく思います…。」


ユーリとロイも涙ぐみながらエリーゼへと伝えた。


「また…こうして王宮に戻ってきてまだまだ分からない事が沢山ありますのでお二人にも色々と教えて頂けると嬉しいです。」


エリーゼは涙ぐみ優しく微笑みながら二人へと言った。


「もちろんでございます。また…厨房にも顔をお出し下さい。」


「毎日…エリーゼ様のお部屋に飾るお花を摘ませて下さい。」


ユーリとロイも涙ぐみながらも笑顔を浮かべてエリーゼへと言った。


「はい。ありがとうございます。」


エリーゼは笑顔で二人へと言ったのだった。


そんなエリーゼ達の様子をカイゼルとフェイは執務室の窓から見ていた。


「エリーゼは…王太子妃候補として王宮で過ごした短期間であんなにも使用人達に慕われていたのだな…。」


カイゼルはエリーゼ達を見ながら言った。


「そうですね…。エリーゼ妃様は本当に心優しいお方ですから殿下がいらっしゃらない間あっという間に使用人達の心を掴んでおられましたからね…。」


フェイもエリーゼ達を見ながら言った。


「私は…本当に愚かな事をしてしまったのだとあの光景を見ると改めて思うな…。」


カイゼルは表情を歪めながら言った。


「そうですね…。ですが…またこうしてエリーゼ妃様が王宮へと戻って来て下さいました。これからはまたあの様な光景を見れる日が沢山訪れる事でしょう…。」


フェイはふっと笑みを浮かべながら言った。


「そうだな…。エリーゼがいるだけで王宮の空気がパッと明るく変わっていくことだろう。私もエリーゼに負けないくらい皆に慕われる王太子にならなければならないな。」


カイゼルもふっと笑みを浮かべながら言った。


「そうでございますね。」


フェイは頷きながら言ったのだった。


そして、カイゼルはまた執務を進め始めた。


こうして…エリーゼは王太子妃として王宮へと戻り王太子妃としての生活が始まったのだった…

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