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79.二人の決意

エリーゼとカイゼルはお互いの気持ちを打ち明けた後に王宮内へと戻ったのだった……


「父上…母上…伯父上…メディス伯爵家の皆さん、何も言わず急に飛び出してしまい申し訳ありませんでした。」


カイゼルがその場にいた皆へと謝罪した。


「陛下…王妃様…王兄殿下…お父様…お母様…お兄様…私からも謝罪申し上げます。話の途中で申し訳ありませんでした。」


エリーゼもカイゼルに続いて謝罪した。


「……。それで…急に出ていったからにはそれなりに意味があったと思ってよいのか?」


ガストンがカイゼルをキッと睨みつけながら尋ねた。


「はい…。王兄殿下には申し訳ないのですが…エリーゼ嬢を…エリーゼを王兄殿下に嫁がせる事は出来ません。」


カイゼルが真剣な表情を浮かべながらガストンへと言った。


「それは…何故だ?」


ガストンがカイゼルへと更に問いただした。


「私が…エリーゼを王太子妃として迎えようと思っているからです。」


カイゼルはガストンを迷いのない目で真っ直ぐ見ながら応えた。


「王太子妃だと?カイゼル自身が勝手にエリーゼ嬢を王太子妃候補から外しておいてか?」


ガストンは表情を堅くしてカイゼルへと尋ねた。


「はい。確かに一度エリーゼを私自身が王太子妃候補から外しました。しかし…今度はエリーゼを王太子妃候補としてではなく王太子妃として迎えに入れたいと思っています。もう二度とエリーゼを悲しませる様な事などは絶対に致しません。」


カイゼルは背筋を伸ばし真剣にガストンへと言い切った。


「……。そうか。カイゼルの言い分についてエリーゼ嬢はどう思っているのだ?」


ガストンは目を細めながら言うとエリーゼの方を向いてエリーゼへと尋ねた。


「はい。陛下…。私は殿下のご意向をお受けしたいと考えております…。もし…陛下、王妃様、お父様、お母様がお許し下さるのであれば王太子妃としての入宮をしたいと考えております…。」


エリーゼは真っ直ぐガストンの方を診ながら真剣な表情で伝えた。


ガストンはエリーゼの話を聞き少しの間沈黙した。


そんなガストンをエリーゼとカイゼルは不安そうに見ていた。


そして…


「そうか…。二人で話し合ったた結果なのだな…。二人の思いは十分に伝わった。」


ガストンは沈黙を破ると笑顔を浮かべながらエリーゼとカイゼルへと言った。


「「はい…。」」


ガストンの表情を見てエリーゼとカイゼルをお互い顔をホッとしながら見合った後に二人でガストンへと応えた。


「また…詳しい話は後日という事にしよう。エリーゼ嬢を無理させては良くないからな。メディス伯爵…それで良いか?」


ガストンがマイクへと尋ねた。


「はい。陛下…。後日また私の方から王宮へと伺わせて頂きます。」


マイクが頷きながら応えた。


「うん。では…今日のところはこれで話を終わるとしよう。」


ガストンが言った。



エリーゼ達は話が終わり帰ろうとしていた。


そこへアリストンがやって来た。


「エリーゼ!」


アリストンがエリーゼへと声をかけた。


「アリ…あっ…王兄殿下…。」


エリーゼはいつもの様に呼ぼうとしたがすぐに言い直した。


「はは…。アリおじさまのままで構わないよ。」


アリストンは笑顔で言った。


「でも…。」


エリーゼは戸惑いながら言った。


「私がいいと言っているのだから大丈夫だ。今までの様に呼んでくれ。」


アリストンは笑顔で戸惑うエリーゼへと言った。


「はい…。あの…アリおじさまは今日の事はわざと話を持ちかけたのですか?」


エリーゼは気になっていた事をアリストンへと尋ねた。


「ん?あぁ…。そうだよ。記憶が戻ってからもどこか辛そうなエリーゼを見ていたら居ても立っても居られなくなってな。メディス伯爵やガストンに協力してもらい一芝居うったという訳だ…。」


アリストンは優しく微笑みながら言った。


「アリおじさま…。」


エリーゼは微笑みながら言った。


「あの時…心配するなと言っただろう?上手くいくと…。」


アリストンは優しくエリーゼへと言った。


「はい…。アリおじさまのお陰で今の自分の気持ちに素直になる事が出来ました。」


エリーゼは頷きながら笑みを溢して言った。


「それは…良かったな…。一芝居うった甲斐があったというものだ。」


アリストンは笑顔で言った。


「ふふ…。あっ、でも…あの時は本当に驚いたんですよ?アリおじさまが…その…キスなんてしようとしたから…。あの時に殿下が割って入ってこなければどうしていたんですか…。」


エリーゼは少し頬を赤らめながら頬を膨らませて言った。


「はは…あの時はあぁするのが一番の方法だと思ったんだよ。それに…カイゼルなら絶対に割って入ってくると確信していたからな。」


アリストンは自信満々に笑いながら言った。


「そうなのですか…?」


エリーゼは戸惑いながら言った。


「あぁ。だてにカイゼルの伯父ではないからな。」


アリストンは笑いながら言った。


「そういうものなのですかね…。」


エリーゼは首を傾げながら言った。


「エリーゼ…ありがとな…。」


アリストンはフッと笑みを浮かべながらエリーゼへと言った。


「何がありがとうなのですか?」


エリーゼは首を傾げながら尋ねた。


「エリーゼのお陰でカイゼルがとても人間らしくなった…。エリーゼがいなければ今もカイゼルは欠陥だらけの王太子のままだったにちがいないからな…。」


アリストンが言った。


「??私は何もしてませんけど…。」


エリーゼは困った表情を浮かべながら言った。


「エリーゼという存在がカイゼルを変えたんだよ。」


アリストンは優しく微笑みながら言った。


「私という存在ですか…?何だか…よく分かりませんが…。」


エリーゼは頭に??を浮かべながら言った。


「ははは…そんなエリーゼだからいいのさ。いつまでもエリーゼはエリーゼのままでいてくれ…。」


アリストンは優しく微笑みながら言った。


「??はい…。」


エリーゼは更に??という表情を浮かべながら言った。


「まぁ…この話しはよしとして…エリーゼまた私の家に遊びに来てくれるか?」


アリストンは笑顔でエリーゼへと尋ねた。


「えぇ。もちろんです。是非遊びに行かせてくださいね。」


エリーゼは嬉しそうに笑みを浮かべながら言った。


「あぁ。」


アリストンも嬉しそうに笑みを浮かべながら言った。

そして、エリーゼの頭を優しく撫でようとした。


その時…


「伯父上…。コホンっ…あまり軽々しくエリーゼの頭を撫でようとしないで頂きたいのですが…。」


そこへカイゼルがやって来てアリストンへと言った。


「カイゼル…。」


「殿下…。」


アリストンとエリーゼが言った。


「はぁ…。別に…エリーゼはお前のものではないだろう?それに減るものではないだろう…。」


アリストンは呆れた様にカイゼルへと言った。


「いえ…減ります…。というより私が嫌ですのでお控え下さい。」


カイゼルは真剣な表情でアリストンへと言った。


「まったく…。」


アリストンは呆れた表情で言った。


「コホン…メディス伯爵、伯爵夫人、ブラット殿…今日はご足労頂きありがとうございました。また、改めてお話をさせて頂きます。」


カイゼルがマイク達へと伝えた。


「いえ…殿下。また改めてお話を伺わせて頂きます。」


マイクが応えた。


「あぁ。エリーゼも…まだ体調が万全ではないのにありがとう。」


カイゼルは少し緊張した表情でエリーゼの方を見て言った。


「あっ…いえ…。大丈夫です。」


エリーゼもどこか緊張した表情を浮かべながら応えた。


「また…後日話をしよう。」


カイゼルが言った。


「はい…。」


エリーゼが応えた。


「では、メディス伯爵、夫人、ブラット、エリーゼ気をつけて帰ってくれ。」


アリストンが四人へと言った。


「はい。アリストン様…。本日はありがとうございました。また改めてお礼に伺わせて頂きますので…。」


マイクがアリストンへと言った。


「あぁ。分かった。」


アリストンは頷きながら応えた。


「では…失礼致します。」


「失礼致します…。」


「「失礼致します。」」


エリーゼ達四人はカイゼルとアリストンに挨拶をすると王宮を後にしたのだった……。

ご覧頂きありがとうございます★


他にも連載中の小説がありますのでよろしければご一緒にご覧下さい★


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この度、男装令嬢・キャサリンは探偵助手をする事になりました!!

〜探偵様は王子様?!事件も恋も解決お任せ下さい〜


公爵令嬢シャーロットは、3度目の人生を生き抜くと決意しました!!


ブックマーク&評価の方ありがとうございます★

とても励みになってます★

最後までお付き頂けると幸いです★


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