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61.スケートタイム

エリーゼとカイゼルがスケール広場へ向かっていた。


「俺があげたネックレス着けてきてくれたんだな…。」


カイゼルが少しそわそわしながらエリーゼへと言った。


「あっ…はい。このネックレスとても気に入ってるのでいつも着けてます…。」


エリーゼもどこかソワソワしながら応えた。


(カイさんへの気持ちに気づいたからかしら…カイさんと話をするのも何だか意識してしまうわ…。)


エリーゼはカイゼルへと応えながらそんな事を思っていた。


「気に入ってくれて良かったよ…。」


カイゼルがどこか嬉しそうな表情を浮かべながら言った。


(エリーゼは私のあげた物を毎日着けてくれているのか…。そんなに気に入ってくれたのだな。それがこんなにも嬉しくて心が満たされるとは…。)


カイゼルはエリーゼと話しながらそんな事を思っていた。


「はい。本当にこんな素敵な物を贈ってくださりありがとうございました…。カイさんも手袋を着けてくれているのですね…。」


エリーゼは頷きながら応えるとカイゼルの手元を見て言った。


「あぁ…。これはとても編み目が丁寧に隙間なく編んでくれているから隙間風が入らずとても暖かいんだ…。こちらこそ素晴らしい手袋を贈ってくれてありがとう。」


カイゼルは手袋を見ながら少しの微笑みを浮かべながら言った。


(この手袋は私の宝物になるに違いないだろう…。エリーゼが私の為に編んでくれた物だからな…。)


カイゼルはエリーゼに話しながらもそんな事を思っていた。


「喜んでもらえて良かったです。」


エリーゼはカイゼルの言葉を聞き自然と嬉しい笑みを溢しながら言った。


(良かったわ…。思えば…あの手袋はカイさんの事を思い考えながら編んでいたのよね…。こうして着けてくれている姿を見ると本当に嬉しくなるわ。)


エリーゼはカイゼルと話しながらそんな事を思っていた。


「エリーゼ…着いた様だ。」


エリーゼが嬉しさを噛み締めているとカイゼルが先の場所を指差しながらエリーゼへと言った。


「わぁ…!とても綺麗な場所ですね。氷が光ってますね。」 


カイゼルに言われたエリーゼはカイゼルが指さした先を見て目の前に映る光景が綺麗で目を輝かせながら言った。


「そうだな…。さぁ、行こうか。」


「はい。」


嬉しそうに目を輝かせているエリーゼを見てフッと口角を上げながらカイゼルが言うとエリーゼが笑顔で応えた。


そして、二人はスケート場へと到着した。


「エリーゼ、俺はスケート用の靴を借りてくるから少し待っていてくれ。」


スケート場の敷地に入るとカイゼルがエリーゼへと言った。


「はい。分かりました。ここで待っていますね。」


エリーゼは頷きながら言った。


そしてカイゼルはスケート靴を借りる為に貸出し場所へと向かった。

少し順番を待ったが無事にカイゼルは二人分の靴を借りた。

カイゼルは靴を持ちエリーゼが待っている場所まで急いで戻った。


「エリーゼ待たせたな…。」


エリーゼの元へ戻ってきたカイゼルがエリーゼへと言った。


「いえ…靴を借りて来てくださりありがとうございます。」


エリーゼは戻ってきたカイゼルへ微笑みながらお礼を言った。


「いや…さぁ早速履きかえるとしよう。」


「はい。」


カイゼルがエリーゼに靴を渡しながら言うとエリーゼが頷きながら応えた。


二人は近くのベンチへと腰掛けて靴を履きかえた。


「カイさんはスケートをされた事があるのですか?」


エリーゼが靴紐を結びながらカイゼルと尋ねた。


「いや…実は初めてなんだ…。」


カイゼルは少し気まずそうに苦笑いを浮かべながら応えた。


「そうなのですか?私も記憶がないものでスケートをした事があるのかないのかも分からないので私も初めての様なものですから…二人とも初めてですね。」


エリーゼはカイゼルの言葉を聞き少し驚いた表情を浮かべながら言うとすぐに笑顔になり言った。


「あぁ…。そうだな…。二人とも初めてだから上手く出来るかは分からないがまずはやってみなければわからないからな。」


カイゼルはそっと微笑みを浮かべながらエリーゼへと言った。


「はい。まずは滑ってみましょう。」


エリーゼは頷きながら笑みを浮かべて言った。


「あぁ。」


カイゼルが応えた。


そして、二人はスケート靴で少し歩きづらそうにしながらリンクの中へと向かった。


「わぁ!思ったより氷の上は不安定ですね。転げないか心配になります…。」


リンクへと足を踏み入れたエリーゼがスケート靴を履いての氷の上のバランスの不安定さに驚きながら言った。


「そうだな…。普段の靴で立ったり歩いたりとはまったく違うもんだな…。エリーゼ転げてはいけないから端を持ちながら少しづつ進んでみよう。」


カイゼルも思ったより歩きづらい事を実感したのか少し驚いた表情で言った。


「はい。このリンクの回りの手がかけれる部分を持ちながら進むと転びにくそうですね。」


エリーゼがカイゼルの言葉を聞いて言った。


そしてエリーゼはその後スケート靴にも慣れてきてリンクの上を手すりを持たなくても歩ける様になった。


一方のカイゼルはすぐにコツを掴み軽く滑れる様になっていた。


「カイさん…凄いですね。こんな短時間でその様に滑れる様になったのですから…。私なんて滑るのは疎かようやくリンクの上を手すりなしにスケート靴で歩ける様になったところですよ…。」


エリーゼがカイゼルを見て驚きと感心のこもった表情を浮かべながら言った。


「そうか?思ったより簡単にコツが掴めたぞ?」


エリーゼに言われたカイゼルが不思議そうな表情を浮かべながら応えた。


「カイさんは運動神経や体感がいいのですね。私はもう少しここで歩くのが安定する様に頑張ってみるのでカイさんはお好きに滑ってきて下さい。」


エリーゼは笑みを浮かべながらカイゼルへと言った。


(私は滑れるまで時間がかかりそうだからカイさんには自由に滑って楽しんでもらいたいものね。)


エリーゼはカイゼルに言いながらそんな事を思っていた。


「…………。その…良ければだが…俺がエリーゼが滑れる様に手伝ってやろうか?」


カイゼルはエリーゼの言葉を聞いて少し考えた表情を浮かべた後に少しそわそわしながらエリーゼへと提案した。


(せっかくエリーゼと来たのだから滑るならエリーゼと共に滑りたいからな。)


カイゼルはエリーゼに提案しながらそんな事を思っていた。


「え?カイさんがですか?ですが…どの様に手伝って下さるのですか?私は口で説明されてもその通りに動ける自信がありません…。」


エリーゼはカイゼルの言葉に少し驚いた表情を浮かべた後に不安そうな表情を浮かべながら言った。


「それは…その…俺がエリーゼの手っ…手を引きながら少しづつ一緒に滑ってやるから大丈夫だ…。」 


カイゼルは少しおどつきながらもグッと拳を握りしめて思い切ってエリーゼへと言った。


「えっ……。カイさんが手っ…手を引きながらですか…?」


エリーゼはカイゼルの言葉に驚き言った。


「あっ…あぁ…。やはり結婚前の女性の手を引くというのは嫌だろうか…。」


カイゼルはエリーゼの反応見て少し切なそうな表情を浮かべて言った。


「いっ…いえ…嫌ではありません…。ただ…カイさんが手を引いて下さるのに私が転んでしまったりするとご迷惑になるかと思いまして…。」


エリーゼは少し声を大きめにして言ったがすぐにハッとなり声のトーンを落としてそわそわしながら応えた。


(カイさんに手を引いてもらうなど嫌な訳がないわ…むしろ…)


エリーゼはカイゼルに応えながらそんな事を思っていた。


「そうか……嫌ではないんだな…。転ぶ程度の事迷惑な訳がないだろう。むしろ…俺が手を引く限り転げる事はないだろうしな。」


カイゼルはホッとした表情を浮かべて呟いたかと思えば自信満々な表情でエリーゼへと言った。


(はぁ…エリーゼは私が手を引く事が嫌な訳ではないのだな…。それだけでこんなにホッとするとは…。)


カイゼルはエリーゼに話しながらもそんな事を思っていた。


「ふふ…凄く自信満々に言われるのですね。」


エリーゼがあまりにも自信満々に言うカイゼルに思わず笑みを溢しながら言った。


「あっ…当たり前だ。さぁ!早速練習するぞ!ほら…。」


エリーゼが笑みを溢した事でどこか緊張が取れたカイゼルは緊張していたのを誤魔化すかの様にエリーゼへと言うと自分の手を差し出した。


「はい…。よろしくお願いします。」


エリーゼは差し出されたカイゼルの手を取り少し照れる様な表情を浮かべながら言った。


カイゼルはエリーゼが自分の手にエリーゼの手が重なった事にドキっとしたがそれを隠す様に優しくエリーゼの手を握ったのだった。


カイゼルに優しく手を握られたエリーゼもドキっとしたがそれを隠す様にカイゼルの手を優しく握り返したのだった。


それからカイゼルは優しくエリーゼの手を引いて滑り方を教えた。

最初はお互い手を取り合っている事に緊張していたがいつの間にか緊張した空気もなくなっていた。


気づけばエリーゼは上手く滑れる様になっていた。

カイゼルの支えがなくとも滑れる様になった。


「カイさん!見てください!一人で上手く滑れる様になりました!」


エリーゼは嬉しそうに笑みを浮かべながらカイゼルへと言った。


「あぁ!その様だな!」


カイゼルもエリーゼの嬉しそうな表情を見て嬉しくなり笑みを溢しながら言った。


「カイさんのお陰です。カイさんは教えるのがとてもお上手ですね。ありがとうございます。」


エリーゼは笑顔でカイゼルへと言った。


「だから言っただろう?俺が手を引く限り転げもせず滑れる様になったじゃないか。」


カイゼルはどやっ!と言わんばかりの表情を浮かべながら言った。


「ふふ…本当に。自信満々だっただけありますね。っと…わぁっ!!」


エリーゼがカイゼルの言葉を聞いてクスクスと笑いながら言った。

すると、エリーゼは少し足がもつれてしまいつまずいてしまった。


「おっと!大丈夫か?滑れる様になったからと言って油断はだめだぞ!」


つまいずいて転げそうになったエリーゼの体をカイゼルが間一髪の所で支えながら言った。


「はっ…はい…。気をつけます…。あの…支えてくれて助かりました。ありがとうございます。」


エリーゼはカイゼルに支えられながら申し訳ないような照れた様な表情を浮かべて言った。


ドキドキ……


(カイさんとの距離が近いわ…。心臓の音がうるさいわ…心臓の音がカイさんへ聞こえてなければいいのだけど…)


エリーゼは支えてくれたカイゼルとの距離が近い事に気づき心臓の音がカイゼルに聞こえないかを心配しながら思っていた。


「いっ…いや…。一先ず転げて怪我などしなくて良かったな…。」


カイゼルもどこか照れたのを隠すかの様に言った。


ドキドキ……


(咄嗟に支えたのは良いが…エリーゼとの距離が近いな…。心臓の音がうるさいぞ…。エリーゼにこの心臓の音が聞こえてないといいのだが…。)


カイゼルもまた、エリーゼと同じように心臓の音がエリーゼへと聞こえてないかと心配しつつ思っていた。


「はい…。ありがとうございます。本当にカイさんには助けてもらってばかりですね…。」


エリーゼは心臓のドキドキが止まらなにままカイゼルへと言った。


「そうか?さほど気にする事でもないだろう…。それよりそろそろ昼食をとらないか?」


カイゼルがエリーゼへと言った。


「そうですね…。もうそんな時間なのですね。では、スケート場から出て昼食を摂りましょう。私、軽くですが昼食を作ってきたので…。」


エリーゼはもうお昼な事に驚きつつもカイゼルへ言った。


「昼食を作ってきてくれたのか?そうか!ありがとう…。ではエリーゼの作ってきた昼食を食べよう!」


カイゼルはエリーゼの言葉を聞いて嬉しくてなりながら笑みを溢して言った。


「はい。」


エリーゼは笑顔で応えた。


(ふぅ…良かったわ…。作ってきたのはいいけど別の物がいいと言われたらどうしようと内心ドキドキしてたのよね…。)


エリーゼはカイゼルへと返事をしながらそんな事を思っていた。


(エリーゼが私と出かける為にわざわざ昼食を作ってきてくれたのか…。嬉しいな…。エリーゼのその気持ちが嬉しいな。)


カイゼルはエリーゼの返事を聞きながらもそんな事を思っていた。


そして、二人は靴を履きかえてスケート場の近くにある広場へと向かったのだった………

ご覧頂きありがとうございます★



同じく連載中の小説もありますのでよろしければそちらもご覧下さい★


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この度、男装令嬢・キャサリンは探偵助手をする事になりました!!

〜探偵様は王子様?!事件も恋も解決お任せ下さい〜

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