60.お出かけ当日
エリーゼとカイゼルが出かける日が訪れた………
朝からカイゼルとフェイがアリストンの家へとエリーゼを迎えに来ていた。
「「アリさんおはようございます。」」
カイゼルとフェイがアリストンへと挨拶をした。
「あぁ。二人ともおはよう。カイ、今日はエリーゼを頼んだぞ!」
アリストンはカイゼルとフェイへと挨拶をするとカイゼルの方を見て言った。
「はい。任せて下さい!」
カイゼルはアリストンの言葉に真剣な表情を浮かべながら応えた。
「よし!エリーゼはもうすぐ下りて来るだろう。」
アリストンはカイゼルの表情を見て頷きながら言うと二階を見ながらカイゼルへと言った。
すると…
そこへ出かける支度をしてエリーゼが下りてきた。
「ごめんなさい…お待たせしてしまって…カイさん、フェイさんおはようございます。」
慌てて階段を下りてきたエリーゼがカイゼルとフェイへと挨拶をした。
「エリーゼさんおはようございます。わぁ…エリーゼさんその洋服とてもお似合いですね。」
フェイは笑顔でエリーゼに挨拶をするとエリーゼの洋服を見て更に笑顔で言った。
「そう…ですか?似合っているか不安だったので似合っているなら良かったです…。」
エリーゼはフェイの言葉に少し照れながらも微笑みながら言った。
「本当にとてもお似合いですよ。ねぇ?カイさん?」
フェイは笑顔でエリーゼへ言うと隣にいたカイゼルへと尋ねた。
すると…
カイゼルはポカンと口を開けたままフェイの言葉が全く聞こえていないのかその場に立ち尽くしてた。
「カイ…さん?どうかなさいましたか…?」
そんなカイゼルを見てエリーゼが心配そうな表情を浮かべながらカイゼルへと尋ねた。
すると、カイゼルはエリーゼの言葉でハッと我に返った。
「あっ…いや…その…大丈夫だ…。おはよう。今日はその…よろしく頼む…。」
カイゼルは慌ててエリーゼに言った。
「??大丈夫なのでしたらいいですが…。こちらこそ今日はよろしくお願いします。」
エリーゼは少し不思議そうな表情を浮かべながらカイゼルへと言った。
「では…出かけるとしよう。」
カイゼルがエリーゼへと言った。
(驚いた…エリーゼが下りてきた瞬間に天使が目の前に現れたのかと思った…。今日のエリーゼはえらく綺麗だな。髪型や洋服がいつもと違う様だが私と出かける為にわざわざめかし込んでくれたのか…。それがこんなにも嬉しいなんてな…。それにしても…今日の洋服はとてもエリーゼに似合っているな。私がエリーゼに似合っていると言いたかったのにフェイのやつ先に言いよって…)
カイゼルはエリーゼに声をかけながらも内心ではそんな事を思っていた。
そんなカイゼルを見てすぐにエリーゼに見惚れていると気づいたアリストンとフェイは必死で笑いを堪えていたのだった。
「はい…。では、アリさんフェイさん行ってきますね。」
エリーゼはカイゼルへと返事をするとアリストンとフェイへと言った。
「あぁ…。気をつけてな。楽しんでおいで。」
アリストンは微笑みながらエリーゼへと言った。
「はい。」
エリーゼも微笑みながら応えた。
「では…行って来ます。」
カイゼルがアリストンとフェイへと言うとエリーゼと共に家を後にしてでかけて行ったのだった。
パタンッ…
家の扉が閉まったのを確認するとアリストンとフェイは我慢出来ずに笑ったのだった。
「先程のカイゼルを見たか?あれは…完全にエリーゼに見惚れていたな…。」
アリストンがケラケラ笑いながらフェイへと言った。
「くくく…はい。間違いなくエリーゼ様に見惚れておいででした。王太子ともあろうお方があの様に口をぽかんと開けて立ち尽くすなど…。くくく…」
フェイも笑いが堪えれないままアリストンへ言った。
「ハハハ…確かにあの表情は王太子の面子も丸潰れになるほどのまぬけな顔だったな。」
アリストンは笑いながら言った。
「くく…あの調子で殿下はきちんとエリーゼ様をエスコート出来るのでしょうかね…」
フェイがまだ笑いながら言った。
「さて…どうなる事やらだな…。まぁ我々も今から二人の後をつける訳だから遠くからどうなるか見届けてやるとしようじゃないか。」
アリストンが手を顎にあて顎をすりすりとしながら言った。
「そう…ですね。もう最終的にいざとなれば王兄殿下と私でフォローに入りましょう。」
フェイが顎に手を置いてアリストンへと言った。
「そうだな…。我々が見て本当に無理そうなのであれば力を貸してやるとしよう。」
アリストンが頷きながらフェイへと言った。
「はい。」
フェイは笑顔でアリストンへと応えのだった…。
「さぁ…我々も出かける支度をして二人の後を追うとしよう!」
アリストンが言った。
「はい。承知しました。」
フェイが頷きながら応えた。
「あっ!そうだ!王兄殿下にお伝えしなければならない事が。」
フェイがハッと何かを思い出したかの様にアリストンへと言った。
「ん?何だ?」
アリストンが首を傾げながらフェイへと尋ねた。
「はい…。実は例のエリーゼ様へと声をかけてきた女性について王兄殿下の話を聞き殿下はその女性をスカイ公爵令嬢のサリーさまではないかとお考えなのです…。」
フェイは真剣な表情を浮かべながら昨夜のカイゼルの話を説明した。
「何だと?!カイゼルが?」
アリストンはフェイの話を聞き驚いた表情で言った。
「はい…。王兄殿下の話を聞き色々な考えを巡らせた結果そういう結論に至った様なのです…。」
フェイがアリストンへカイゼルの見解を説明した。
「ふむ…カイゼルの奴なかなか鋭いな…。」
アリストンは目を細めながら言った。
「はい…。私も殿下のお言葉を聞いて驚きました…。しかし、その様に鋭い見解をされてますので何が何でも自分がエリーゼ様をお守りするとお考えですのでその点についてはホッとするところです。」
フェイが言った。
「そうだな…。相手の見当がつくのであればより警戒は出来るからな。カイゼルも常に周りを警戒するに違いないが我々も周りを気をつけて見ておくとしよう!」
アリストンが言った。
「はい。そう致しましょう。」
フェイが頷きながら応えた。
「よし!では、我々も急いで出かけよう。二人を見失わない様にしなければならないからな。」
「はい!」
アリストンが言うとフェイが応えた。
そして、アリストンとフェイも出かける支度をして家を後にしてエリーゼとカイゼルの後を追ったのであった………
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