59.陰謀
同じ頃…
スカイ公爵邸では…
「サリー、お前に言われてエリーゼ嬢の事を探ってみた。やはりエリーゼ嬢はメディス伯爵邸へは戻ってない様だな…。」
スカイ公爵が調べた結果をサリーへと話していた。
「やはり…そうなのですね…。という事はエリーゼ様が言っていたエリーゼ様が現在何かの事情で記憶喪失になっているという事なのですね…。」
サリーは目を細めながらスカイ公爵へと言った。
「メディス伯爵邸へ戻っていないという事はそういう事で間違いないだろう…。恐らくエリーゼ嬢が行方不明という形になっており捜索しているところなのであろう…。」
スカイ公爵が手を顎に当てながら言った。
「という事は…今もメディス伯爵家の皆さんはエリーゼ様の行方を知らないという事ですよね?ならば…例えエリーゼ様に何かあったとしても街のガラの悪い者達…もしくは盗賊…などがエリーゼ様を襲ったという流れに持っていけるという訳ですよね?」
サリーは悪い表情を浮かべて口元をにやりと引き上げながら言った。
「?!サリー…お前…何を企んでいるのだ?!」
スカイ公爵はサリーの表情を見て少し驚いた表情を浮かべて尋ねた。
「エリーゼ様は…記憶喪失にも関わらず何故か殿下と接触しています…。殿下はエリーゼ様が記憶喪失である事をご存知なのでしょうが何故殿下が王宮から追放したにも関わらずエリーゼ様と接触しているのか…殿下はまさか…エリーゼ様を記憶が戻り次第もう一度王太子妃候補として入宮なしるおつもりなのでは?」
サリーが顔を引きつらせながらスカイ公爵へと言った。
「もし…その様なお考えを殿下がお持ちなのであればそれを阻止しなければ私がもう一度王太子妃候補となれません…阻止するならばエリーゼ様には消えてもらうほかありません…。」
サリーは憎悪にも似た表情を浮かべながらスカイ公爵へと説明した。
「ふむ……。確かに殿下がエリーゼ嬢に何が目的で接触しているのかは分からないがサリーの言う事は一理あるな……。もしも殿下がエリーゼ嬢をもう一度王太子妃候補として入宮せるおつもりならばそれは許しがたい事だな…。」
スカイ公爵は渋く険しい表情を浮かべながら言った。
「ええ…。許せる訳ありませんわ…。王太子妃の座は絶対に誰にも譲りたくありません。」
サリーは険しい表情を浮かべながら強い口調で言った。
「………。では…エリーゼ嬢をどうすると?」
スカイ公爵はサリーへと尋ねた。
「はい…。それで今日はお父様にご相談があります。お父様は王都の使えるゴロツキの者などを何人がご存知ですよね?お父様のお仕事のお手伝いをたまにして下さる…。」
サリーは真剣な表情を浮かべながらスカイ公爵へと尋ねた。
「ん?あぁ…。それは…まぁ…知っているのは知っているが…。しかし…何故サリーがその様な事を知っているのだ…。」
スカイ公爵が少し驚いた表情を浮かべて応えた。
「以前…王都へ訪れた際にたまたまその様な者達と接触しているお父様をお見かけしたものですから…。」
サリーは口元をにやりとさせながら言った。
「そうだったのか…。それで…その者たちに何をさせるつもりなのだ?」
スカイ公爵が手を顎に当てながらサリーへと尋ねた。
(まったく…我が娘ながら抜かりがない所や悪知恵の働きは驚かされるな…。まぁ…私に似ているのだろうな…。)
スカイ公爵はサリーと話しながらもサリーの言動を聞いてそんな事を思っていた。
「簡単なお願いをするつもりでいます…。」
サリーがにやりと微笑みながら言った。
「簡単なお願いだと?」
スカイ公爵は尋ねた。
「はい…。その者たちにエリーゼ様を始末してもらうのです…。普段からその様な汚い仕事もやっている者達なのでしょう…?それならば難しい依頼ではないと思いますけど…?」
サリーは悪い表情を浮かべながらスカイ公爵へと説明した。
「ふむ…。まぁ…確かにその者たちは普段から汚れ仕事には手を出しているが…。だが…万が一追手がきた際に絶対に口を割らない者でなければ依頼する事は私は許可できないが…。」
スカイ公爵は顔をしかめながらサリーへと言った。
「ええ…それはもちろんです。ですからそこはお父様のお力添えをお願いしたいのです。お父様でしたら絶対に口を割らないよい人材を知っているのでしょう?」
サリーがにこりと微笑みながらスカイ公爵へと言った。
「まったく…お前ときたら…。あぁ。もちろん知っているさ。……。分かった…。私もサリーが王太子妃候補にもう一度なれる見込みがあるのならそれを邪魔する者は放っておく訳にはいかないからな…。ただし…絶対にサリーからの依頼だという事がばれない様にするのだぞ?よいな?」
スカイ公爵は我が娘ながらこうと決めたら譲らないサリーにやれやれという表情を浮かべながら言うとすぐに真剣な表情になり念を押すようにサリーへと言った。
「ありがとうございます。お父様…。絶対に私やお父様が絡んでいる事は口外しない様ぬかりなく話を進めますのでご安心を…。」
サリーはにこりと悪い微笑みを浮かべながらスカイ公爵へと言った。
「あぁ…。」
スカイ公爵はサリーの言葉を聞いて頷きながら応えた。
「あぁ…これで目障りな伯爵令嬢を見なくて済むと思うと清々します…。伯爵令嬢の分際で殿下の隣に居ようなんて本当に許しがたい事ですもの…。」
サリーはどこか勝ち誇った様な表情で言った。
「メディス伯爵は娘を失う事になったらさぞ落ち込むだろうな…。昔かさら好かん者ではあったから絶望する姿を見るのは清々するであろうな…。」
スカイ公爵もどこか勝ち誇った様な表情を浮かべながら言った。
「私にとってもお父様にとってもエリーゼ様が消えてくれる事で清々しますわね…。早速明日…王都へと出てその者たちに話をしてきますね。」
サリーがにやりと口元の口角を上げながら言った。
「あぁ…。あいにく明日は来客があるから私は行けないが事前にその者たちへサリーが行く事を伝えておこう。」
スカイ公爵が顎に手をやりながら言った。
「分かりました。お父様が事前連絡をして頂けるのなら後は私一人でも話は出来ますからご安心を…。」
サリーがスカイ公爵へと言った。
「あぁ…。分った…。」
スカイ公爵は頷きながら言った。
この二人の計画が後にエリーゼに危険が襲いかかる事など明日出かけるのを楽しみにしているエリーゼとカイゼルは知る由もなかったのだった………
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