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41.エリーゼとテオの再会

翌日、カイゼルが王都へと出る支度をしているとフェイが部屋へ訪れた。


「殿下。おはようございます。お支度中のところ申し訳ございません。至急お耳に入れたい事項がございまして…今少しお話よろしいですか?」


「あぁ…おはよう。大丈夫だ。話してみろ。」


フェイは、眉間にシワを寄せながら真剣な表情でカイゼルへと尋ねた。

そんなフェイの表情を見たカイゼルは何かあったと察し応えた。


「ありがとうございます。実は…先程またスカイ公爵からの手紙が届きました…。内容はいつもと同様にサリー様の王太子妃候補の件についてです…。」


フェイは、呆れた様な嫌悪を抱いた様な表情でカイゼルへと報告をした。


「またか…。あれから何度目だ?私からも父上からも、エリーゼに対する態度の一件もありもうサリー嬢を王太子妃候補から外したと伝えたというのに…。一体どれだけ図々しい者なのだ…。分かった。私からもう一度、サリー嬢を王太子妃候補にするつもりはないと手紙を書いて出すようにしておく…。」


カイゼルは、酷く呆れ嫌悪をした表情で言った。


「はい。承知致しました。」


フェイは応えると、部屋を後にしたのだった。


その後、カイゼルは急ぎスカイ公爵宛の手紙を書き届ける様に手配するとテオを連れてフェイと共に王都へ向かう馬車へと乗り込んだのだった。


「テオ…お前えらく機嫌がいいのだな。エリーゼに会えるのがそんなに嬉しいのか?」


カイゼルが、抱いているテオへ声をかけた。


「ニァ〜〜オォ…」


テオは、顔を前足で擦りながら鳴いて応えた。


「よほど嬉しいのでしょうね…。それより殿下…昨夜はあまりお眠りなられずでしたか?目の下に隈が…。」


フェイは、にこりと微笑みながらテオを見て言うとカイゼルの顔を見て尋ねた。


「え?あっ…あぁ。少し考え事をしていたらな…。夜中まで目が冴えてしまってな。」


「少しお休みになられなくても良いのですか?」


「よい。大丈夫だ…。今夜は早めに休む事にするからな。」


「そうですか…?承知しました。」



カイゼルが、少しおどついて応えるとフェイは心配そうにカイゼルへと言った。

しかし、カイゼルは問題ないと応えたのだった。


(殿下、昨夜はエリーゼ様への恋心に気づいた事で色々と考え込んだのだろうな…寝不足になる程に。はは…こんな状態でエリーゼ様に会ったらどうなる事やら…)


フェイは、カイゼルと話しながらそんな事を思っていた。


そうこうしていると馬車が王都へと到着した。


カイゼルとフェイは慣れた足取りでアリストンの家へと向かった。


アリストンの家に着き扉を叩くと中からアリストンが出てきた。


「やぁ、二人共おはよう。」


「「おはようございます。」」


アリストンが、カイゼルとフェイに挨拶をすると二人もアリストンへと挨拶をした。


「おっ?その猫が連れてくると言っていた猫か?」


アリストンは、カイゼルが抱いているテオに気づきカイゼルへと尋ねた。


「はい。名前を"テオ"と言います。」


カイゼルが応えた。


すると…


「シャーー!!」


と、テオがアリストンを威嚇した声をあげた。


「おい!テオ!」


カイゼルが慌ててテオへと言った。


「アリさん…すいません。テオは私とフェイと両親以外にはなかなか懐かずこの様にすぐ威嚇してしまうのです…元々野良猫なのもあるのでしょうが…」


カイゼルが、申し訳なさそうにアリストンへと言った。


「いや…構わないさ。警戒心が強いことはいい事だからな。さぁ、一先ず中へ入れ。今エリーゼが出かける支度をしているからな。」


アリストンは、笑いながらカイゼルとテオへと言った。


「はい…」


カイゼルが応えると、カイゼルとフェイは家の中へと入った。


家の中へ入ると、急にテオがカイゼルの腕の中から飛び出してキッチンへと向かった。


「おいっ!テオどこへ行くんだ!」


カイゼルが慌てて言った。


すると……


「きゃっ!!」


キッチンの方からエリーゼの驚く声がした。


エリーゼの声を聞いて慌ててアリストン、カイゼル、フェイはキッチンへと向かった。


「エリーゼどうした?!」


アリストンが慌ててエリーゼへと声をかけた。


「あっ…すいません…。急に足元に猫がいたので驚いてしまっただけなのです…。紛らわしい声を出してすいません。」


エリーゼは、慌ててやって来た三人を見て言った。


「そうか…。」


アリストンはホッとした表情で言った。


そんな四人にはお構いなしに、テオはエリーゼの足元で顔をエリーゼに向かって擦り合わせていたのだった。


「??このコが昨夜アリさんが話されていたカイさん達が連れて来る猫というのは…。」


エリーゼがアリストンへと尋ねた。


「あぁ…。その様だ。名前はテオというらしい。」


アリストンが応えた。


「そうだったのですね。ふふ…初めまして。テオ。私はエリーゼよ。あなたとても人懐っこいのね。今日はテオも一緒に出かけるのよね?今日はよろしくね。」


エリーゼは、足元にいるテオを抱き抱えてテオへと優しい笑顔で話しかけた。


すると、テオはエリーゼの胸元へとすりすり顔を擦り付けて喜びを表したのだった。


「あっ…エリーゼおはよう。すまない…急にテオが私の腕の中なら飛び出してキッチンへ向かったので驚かせてしまったな…。」


カイゼルが申し訳なさそうにエリーゼへと声をかけた。


「カイさん、フェイさんおはようございます。いえ…大丈夫ですよ。少し驚きましたが足元にいるのがこんなに可愛い猫だったので。」


エリーゼは、微笑みながらカイゼルとフェイに挨拶するとカイゼルへと言った。


「そう…か…。」


カイゼルは、ホッとした表情で言った。


『おいっ!テオはお前たち以外には懐かないのではないのか?私を散々威嚇しておいてエリーゼには甘えるのか?』


『はは…申し訳ありません…。また理由はご説明しますので…。』


カイゼルとエリーゼが話している後ろでアリストンが小声でフェイへと尋ねた。

すると、フェイは苦笑いしながら応えたのだった。


「カイさん…申し訳ありませんテオをお渡ししてもいいですか?出かけ先へ持っていく食事の用意がもう少しで終わるので先に支度を済ませたいので。」


エリーゼが、カイゼルへと尋ねた。


「え?あぁ。分かった。」


カイゼルが応えた。


すると、エリーゼはカイゼルに近づきカイゼルの腕の中へとテオを引き渡したのだった。

カイゼルは、テオを引き渡すと同時にエリーゼとの距離の近さに驚き焦ったのだった。


(昨日、エリーゼへと恋心に気づいたせいか妙に意識してしまう…。エリーゼとの距離が近いだけで心臓がうるさい。それに何だろう…エリーゼからとてもいい香りがする…。うっ!私は何を考えているのだ!)


カイゼルは、エリーゼとの距離の近さに慌たが表面上は平然を装い内心は心臓の鼓動が激しくなりがらそんな事を思っていた。


「ありがとうございます。」


エリーゼは、テオをカイゼルへ手渡しお礼を言うとすぐ様支度の続きを手際よく始めたのだった。


『どうした?カイゼルの奴何だか様子がおかしいが…。目の下にも隈が出来ている様だし何かあったのか?』


『はは…そちらもまた後ほどお話させて頂きます。』


カイゼルの様子を見て不思議に思ったアリストンはまたも小声でフェイへと尋ねた。

フェイは、また苦笑いを浮かべてアリストンへと言った。



その後、エリーゼが出かける支度を済ませた。


「では、準備もできた事だ。そろそろ出かけるぞ。」


「「「はい!!」」」


アリストンが、三人へと言った。

三人は返事をした。


そして、テオはエリーゼの元へ行った。

エリーゼは優しくテオを抱きかかえるとテオは満足気な表情を浮かべていた。


「おい!テオ。こっちへ来い。エリーゼがずっと抱っこするのは目的地へ着く前に疲れてしまうだろう!」


カイゼルがテオへと言った。


「グルルル……。」


そんなカイゼルの言葉は聞こえないと言わんばかりテオは喉を鳴らしながらエリーゼから離れようとしなかった。


「大丈夫ですよ。目的地まではそれほど遠くはないようですので。」


エリーゼは、微笑みながらカイゼルへと言った。


「そうか……?だが、辛くなったらすぐに言ってくれ。」


「はい。わかりました。」


カイゼルがエリーゼに言うと、エリーゼが応えた。


「ニァ〜〜オォ…ニァ〜〜。」


テオは、嬉しいのか高めの声で鳴くと何故か勝ち誇ったようにカイゼルを見てエリーゼの胸へとグリグリ顔を擦り付けながら前足をエリーゼの胸にちょこんと置いたのだった。


「テオ…お前っ!」


カイゼルが、テオの行動に思わず声を出した。


「???どうかしましたか?」


エリーゼが、カイゼルを見てきょとんとした表情で言った。


「いっ…いや…何でもない…。」


カイゼルは、テオを横目で見ながらエリーゼへと言った。


(テオの奴…わざとやっているのか?私に見せつけてるのか?まったく猫のくせに…)


カイゼルは、横目でテオを見ながらそんな事を考えていた。


カイゼルは、自分が猫のテオに嫉妬している事など気付く事もなくモヤモヤした気持ちを抱えたまま目的地まで向かうハメになってしまったのだった……

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