表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/83

3.王太子妃候補入宮

ある日、メディス伯爵家に王宮からの王命が伝えたられた。



"王命を受けよ。


メディス伯爵家のご令嬢・エリーゼ・メディスを、王太子妃候補とし明日より王宮へ入宮せよ。

尚、王太子妃候補は他にニ名程いる事を了承せよ。

迎えの馬車は、こちらが用意するのでそちらへ乗って王宮へと向かう事。"



との、王命が伝えたられた。



王命を受けたメディス家の皆は、マイケルの執務室へと集まっていた。



「お父様…あの王命は何のですか?私が王太子妃候補?なぜこんなに急に王宮に入れと?………。私は王宮などには行きたくありません…王太子妃になどになりたくありません…私はここでお父様やお母様やお兄様や使用人の皆と今まで通り暮らしいのです…」


「エリーゼ…私達も同じ気持ちだよ…この家で今まで通り皆で暮らして行きたい…何故急にエリーゼが王太子妃候補に選ばれたのだけど…我が屋は他の貴族に比べれば王太子妃候補としては程遠いはずだが…それに…候補はエリーゼの他にもニ名いるとのことだが…」


エリーゼは、今にも泣いてしまいそうな顔をしてマイクへと言った。

マイクも、困った顔でエリーゼに言った。


「どうにか断れる方法はないのですか?」


「私も、断りたいのが王命となると断るにも断れないのだよ。だから頭を抱えてしまうんだよ…」


エリーゼは、必死でマイクへと尋ねた。

マイクは、悩む様に困った顔をして応えた。


「もしも…無理にでも断ったのならばどうなるのですか…?」


「……。王命に逆らうとなると我がメディス伯爵家は下手をしたら反逆罪として処分されてしまうだろうな…」


「そんな……」


エリーゼが、恐る恐るマイクへと尋ねた。

すると、マイクは眉間にしわを寄せながら応えた。

マイクの返答を聞いたエリーゼは脱力したのだった…



(もしも…私の我儘で王命に背いてしまえば家族皆まで犠牲になってしまうのね…そんな事嫌だわ…)


エリーゼは、悲しそうな顔でそんな事を考えていた。



「……。お父様…私…王命を受けますわ…。」


「なんだって?!しかし…王宮にいる間はこちらへは戻って来られないのだぞ?」


「存じていますわ…ですが、私の我儘で家族まで犠牲にする事は出来ませんわ…それに…私の他にも候補のご令嬢がいるのならば私な王太子妃に選ばれる可能性は低いですもの…選ばれる事さえなければまた、家に戻ってこれますから…」


エリーゼは、意を決してマイク達へと言った。

マイクは、慌ててエリーゼへと応えたがエリーゼは作り笑いを浮かべながら応えた。


エリーゼは、家族に心配をかけまいとその後も沈んでしまいになるも必死で耐えた。


そして、エリーゼは部屋へと戻り明日の入宮の為の支度に取り掛かったのだった。


(あまりにも急な事で何を用意したら良いのかもわからないわね…)


エリーゼは、そんな事を思いながら荷物をまとめていた。


エリーゼは、王宮に行ったことがないので王宮という所がどんな所なのかわからなかった。

なので、いきなり王宮に来いと言われてもどんな物までを持参したら良いのかわからなかった。


一先ずエリーゼは、持ち物は母であるナディアに聞いて持っていく物を決める事にしたのだった。


ナディアにアドバイスを貰ったエリーゼは、荷物をまとめたのだった。


鞄には……

着替え、編み物道具一式、メディス伯爵家特製の傷薬、本、手編みのブランケットを詰めた。


エリーゼの中で、いつも当たり前に使用する物ばかりだった。


荷造りを済ませたエリーゼは、家族での食事を済ませ湯浴みを終えると早めにベッドへと入ったのだった。


(明日には、もうここを出発するのよね…本当は王宮なんかに行きたくないけれど家族や使用人の皆に迷惑はかけたくないものね…どのくらい王宮に滞在しなければいけないかは分からないけど長期間にならなければいいわね…)


エリーゼは、そんな事を考えていたらいつの間にか眠りについていたのだった…



翌日の朝、メディス伯爵邸へ王宮からの迎えの馬車が到着した。


「お父様…お母様…お兄様…それでは行ってまいります…」


「あぁ…エリーゼ気をつけて。どうしようもなくなったらすぐに連絡してくるだぞ?」


「エリーゼ…気をつけて行ってらっしゃい…無理はしないでちょうだい…」


「リゼ…身体に気をつけるんだぞ…」


エリーゼは、家族に心配をかけない様に笑みを浮かべながら言った。

マイク、ナディア、ブラットは、心配そうな表情のままエリーゼへと言った。


「はい…心配しないで下さい…大丈夫ですわ…」


ルージュは、涙を堪えながら笑みを浮かべながら言うと馬車へと乗り込んだ。


そして、家族が心配そうに見守る中馬車は王宮へと出発したのだった。



(あぁ…本当に今日からは王宮で過ごすのね…)


エリーゼは、小さくなっていく家族を馬車の窓から見つめながらそんな事を思っていた。


馬車が一時間半ほど走ったのち王宮へと到着した。


王宮へ到着し馬車を降りると、王太子の側近であるフェイが出迎えに来ていたのであった。


「メディス伯爵家のエリーゼ様、お待ちしておりました。国王陛下、王妃殿下、王太子殿下がお待ちです。皆様の所まで私がご案内させて頂きます。」


「お忙しい中、お出迎えありがとうございます。お手数をおかますが案内の方よろしくお願いします…」



王太子の側近のフェイがエリーゼの出迎え声をかけた。

エリーゼは、フェイに丁寧に礼をしながらお礼とお願いをしたのだった。


エリーゼは、フェイに案内され王宮の大広間に到着した。

大広間には、国王、王妃、王太子、エリーゼの他に王太子妃候補の令嬢三人がいた。


エリーゼは、他の令嬢の元へと案内された。


王太子妃候補の四人が、国王と王妃と王太子の前へと並んだ。


「この度は、王命により王宮へと足を運んでくれた事を感謝する。ここにいる三人のご令嬢達には王太子妃候補として一先ず王宮でこちらが判断するまで過ごして頂く事になる。どなたが王太子妃として選ばれるかはこちらが判断するのでご令嬢達には、その間王宮でいつも通りに過ごして頂いて構わない。」


「この度は、足を運んでくれた事を感謝する…私は公務で王宮を空けることが多いが気にせず過ごしてくれるといい…私が不在の間は側近であるフェイにそなた達の事は任せる事にしてある…」


国王であるガストン・サザンが集まった令嬢四人へと言った。

そして、王太子であるカイゼルも四人へと言った。



「「国王陛下、王太子殿下、畏まりました。お心遣い感謝致します…」」


令嬢三人が、ガストンとカイゼルへと応えた。


そして、王太子妃候補の令嬢四人は各自王宮内で過ごす間の部屋へと案内されたのだった。



エリーゼは、王宮で過ごす間の部屋と案内された。

そして、エリーゼは侍女というものをつける事なく過ごしてきたので王宮側からエリーゼの待女にと一人のメイドがエリーゼの元へとつけられたのだった。



「エリーゼ様、本日からエリーゼ様の身の回りのお世話をさせて頂く事になりましたマリアにございます。宜しくお願い致します。」


「初めまして…マリアさん。こちらこそ宜しくお願い致します。私は、実邸では待女をつける事なく過ごしていたので慣れていないので不都合な事がありましたらご指摘頂けると助かります…」


王太子妃候補が、王宮で過ごす事になるにあたって王宮入りしたメイドのマリアがエリーゼへ挨拶をした。

エリーゼも、マリアに対して丁寧に挨拶をしたのだった。


「私の様なメイドには、敬語など使って頂かなくても大丈夫ですので普通にお話下さいませ。」


「ごめんなさい…こういう事に慣れていないもので…よろしければマリアさんはあまり堅くなりすぎないで下さいますか?私、王宮に足を踏み入れるのが初めてなもので…できたらマリアさんとは令嬢とメイドというよりもお友達に誓い感じで接していきたいのですが…だめでしょうか?」


「それは…困ります…私の様な下級貴族の者がその様な事は出来ません…」


「では…令嬢としての命令でしたら大丈夫ですか?」


「……………?!」


エリーゼは、苦笑いをしながらマリアへ提案した。

マリアは、エリーゼの提案に困った様な表情で応えた。

それを聞いたエリーゼは、にこりと微笑みながらマリアへと言った。

マリアは、思わず驚いた表情になったのだった。


「では、マリアさん…これは命令です。私とお友達の様に仲良くしてくださいね?宜しくお願いしますね?」


「……。エリーゼ様は、ご令嬢なのに変わっておられますね…畏まりました。ご命令お受け致します。」


エリーゼは、にこにこと微笑みながらマリアへと行った。

マリアは、驚いた表情をしていたが降参という表情になりエリーゼへとクスッと微笑みながら応えたのだった…


こうして、エリーゼの右も左も分からないない王宮での生活が始まったのだった………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ