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26.兄妹

更新が怠ってしまいました…

楽しみにして下さってる皆様申し訳ありませんでした…



エリーゼとアリストンが、メディス伯爵家の領地へ訪れた翌日………



この日は、アリストンの家にお忍びで国王と王妃、メディス伯爵夫婦が来る予定であった。


アリストンは、さすがにエリーゼを家に置いておくのはまずいと思いアリストン達が話をしている間に、エリーゼをお願いできる様にと既に手は打っていたのだった。


コンコンッ!!


アリストンの家の扉が叩かれた。


「はい!」


エリーゼが、嬉しそうに返事をして扉を開けた。


「おはよう。エリーゼ。昨日ぶりだね。」


「おはようございます。ブラットさん。」


扉の先にいたのは、エリーゼの兄のブラットだった。

エリーゼもブラットも、お互い笑顔で挨拶をした。



そう…

アリストンは、昨日のうちにマイクと話をまとめていたのだった。

ブラットが、ちょうど王都に行く用事があり王都へ出かけるとマイクが言ったのでアリストン達が家で話をする間、ブラットにエリーゼと過ごしておいてもらおうと……


(ブラットは、王都には詳しいし兄であるブラットにならエリーゼを安心してお願いできる。これで、安心してガストン達との話が出来そうだな…)


挨拶を交わしている二人を見ながらアリストンは思っていた。


「アリさん、おはようございます。それではエリーゼと出かけて来ますね。時間になったら送って帰って来ますので。」


「ブラットおはよう。あぁ…すまないが今日はエリーゼをよろしく頼むよ。」


「任せて下さい。さぁ…エリーゼ行こうか。」


「はい。」


ブラットが、アリストンへも挨拶をした。

アリストンもブラットに挨拶をしながら言った。

そして、エリーゼはブラットに言われると嬉しそうに二人で出かけて行ったのだった…


(兄妹というのは不思議なものだな…エリーゼの記憶がなくとも感じるもがあるのだろうな…どこからどう見ても仲睦まじい兄妹だ…顔もよく見たら似ているところもあるしな)


アリストンは、仲良く出かけていくエリーゼとブラットを微笑ましく見ながらそんな事を考えていた。


エリーゼとブラットが出かけたのを見計らい、入れ違いにマイクとナディアが家に訪れたのだった。




エリーゼとブラットは、ブラットの王都での用事を済ませると二人で王都を見て回っていた。


(エリーゼ…今は何も覚えていないかもしれないけど、いつか記憶が戻った時にはまたエリーゼの優しい笑顔と声で私をお兄様と呼んでくれ…そして、また昔の様に二人で楽しく王都を回ろう…)


ブラットは、エリーゼと二人でこうして王都を歩るきながら思っていた。


二人で歩いているといい匂いが漂ってきた。


「とてもいい匂いがしますね…」


エリーゼが、匂いを嗅ぎながらブラットへと言った。


「あぁ…これは、クレープの匂いだね。あちらの広場にあるクレープ屋の匂いだよ。行ってみよう。」


ブラットは、笑顔でエリーゼへと言った。


そして、二人は王都にある噴水のある広場にあるクレープ屋へと向かった。


「エリーゼは、ここへ座ってて。クレープを買ってくるから一緒に食べよう。」


「え?でも…」


「いいから、座ってて。」


「はい。」


ブラットが、優しく微笑みながらエリーゼに言うとエリーゼは少し戸惑うもブラットの笑顔につられる様に応えて噴水の周りのベンチへと座ったのだった。


クレープを買って、エリーゼの座っている場所へと戻ってきたブラットはエリーゼの横へ座るとクレープの一つをエリーゼへと手渡した。


「はい。これはエリーゼの分だよ。さぁ食べて。美味しいから。」


「はい…ありがとうございます。」


ブラットは、優しくエリーゼに言うとエリーゼは嬉しそうに微笑みながらクレープを受け取った。


「「いただきます。」」


二人は、同時に言うとクレープを一口食べた。


「わぁ…とても美味しい…」


「だろ?ここのクレープは絶品なんだよ。」


エリーゼは、目を大きく開いて驚きながら言った。

すると、ブラットはそんなエリーゼを見て愛おしそうに微笑みながら言った。


「ブラットさんは、ここのクレープをよく食べられるんですか?」


エリーゼが、クレープを口にしながらブラットへと尋ねた。


「あぁ…妹とよく王都へ来るとこうしてこの噴水の周りにあるベンチへと座って食べていたんだよ…」


「妹さんがいらっしゃるのでふか?」


ブラットは、どこか寂しい様な表情を浮かべながら思い出す様にエリーゼへと言った。

エリーゼは、少し驚いた表情でブラットへと尋ねた。


「あぁ。今は嫁ぐかもしれない場所へと行っているのだけどね…それまでは妹とはよく二人で王都へと出かけていたんだよ。」


ブラットは、ふわっと優しい笑みを浮かべながら言った。


「そうだったのですね…妹さんは今は一緒には暮らしされていないのですね…昨日はいらっしゃらなかったですものね…」


エリーゼは、少し寂しそうな表情で言った。


「妹さんがいないと寂しいですか?」


エリーゼは、ブラットの方を見て尋ねた。


「そうだね…正直、妹が居ないのは寂しいけれど…今こうしてエリーゼが共にクレープを食べながら話をしてくれているから…だから寂しくないよ。」


ブラットは、嬉しそうに微笑みながらエリーゼへと言った。


「そんな私なんかが妹さんの代わりなど…」


「いや…本当にエリーゼとこうして時間を過ごしていると妹が戻ってきた様だよ。ありがとうエリーゼ。」


「そんな…私の方こそお礼を言わなければならいのに…ですが…そう言って頂けて嬉しい気持ちになります。」


エリーゼは、ブラットの言葉に恐れ多いと思い慌てて言うとブラットは、優しく微笑みながらエリーゼへとお礼を言った。

あまりにも優しい表情のブラットにエリーゼはとても温かい気持ちになり微笑みながら言った。


(本当に…不思議な程に私もブラットさんと一緒にいるとまるでブラットさんが兄の様に思えて安心して落ち着いて懐かしく温かい気持ちになるわ…私にも兄がいるのかしら…)


エリーゼは、不思議な感覚を覚えながら思っていた。


その後も、エリーゼとブラットはクレープを食べながら楽しそうに話を続けたのだった。





そんな二人を遠くから見つめている人物がいた……


カイゼルとフェイだった…


今後、王都へ足を運ぶ事が増える為に王太子とバレない為に王都で過ごす時の為の洋服を、王都へと購入しに来ていたのだった。


洋服屋へと向かう途中に、カイゼルとフェイは広場にある噴水の所にエリーゼが居るのを見たのだった。


「あの男は何者なのだろうか…」


カイゼルが、楽しそうに話をしているエリーゼとブラットを見て呟いた。


「どなたかは存じませんが、エリーゼ様があの様に警戒心なくお話されているご様子を見る限り…アリさんのお知り合いなのでは?」


フェイは、カイゼルの呟きに応えた。


「アリさんの知り合いだとしてもあそこまでエリーゼが楽しそうに話しているとは…エリーゼは…あの者を好いているのだろうか……」


カイゼルは、どこか寂しそうな少し苛立ちを覚える様な表情で言った。


「いつか…私にもあんな風に笑いかけてくれる日が来るのだろうか………いや…きっとエリーゼの記憶が戻った時に、私を見たエリーゼはきっと…今より更に私を拒絶するのだろうな…」


カイゼルは、表情を歪ませながら言った。


「殿下………」


フェイは、そんなカイゼルを見て何とも言えない表情で呟いた…


カイゼルは、もうそれ以上エリーゼとブラットの仲睦まじい姿を見てれないと思いフェイと共にその場を離れ去っていったのだった………

あと少しで、エリーゼとカイゼルの絡みが増えていく予定です♡



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