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ご主人様との奴隷生活  作者: 有栖川花恋
プロローグ
2/2

プロローグ2


「【ヒール】」


あれから私は毎日何度もヒールを使った。外では使うなと両親に言われ、理由も知っていたので誰にも言わなかった。使っているとレベルも上がり魔法量も上がっていた。でも、


(効果が段々と効かなくなってきてる、なんで!?)


二週間くらい経った頃から効き目が悪くなり最近ではもう、ほとんど聞いてないようだ。私はすぐに部屋に戻り回復魔法について書かれた本を読むと理由はすぐに分かった。回復魔法は同じ対象にかける度に効果が薄くなりいずれ全く効かなくなると。対象とは『人』等の個人ではなく、怪我や病気のことで一度完治してしまえば再び患ったとしても効果はあるそうだ。しかし、母の病気はそう簡単に治るものでもなく魔法ももうほぼ効果切れだ。そして、さらに悪いことにお父さんの稼ぎが少なくなり治療に当てられるお金も段々となくなっていった。そしてある日、私は親戚の家に預けられることになった。


「本当にすまない」

「ううん、大丈夫だよ」

「ごめんね、本当にごめんね」

「会えなくなるわけじゃないんだから大丈夫だよ」


お父さんはその言葉を聞いて少しほっとし、そして自分がほっとしたことに気付いて暗くなりうつむいた。その後、私は親戚の家に引き取られることになったが、私の住んでいる村自体が貧しく私はたらい回しにされた。大体は二、三か月、長くても半年、短いと一か月も無かった。それでも、お母さんが治るならと我慢した。だが結局


「ごめんなさい、お父さん、お母さん。戻ってきちゃった」


どの家も自分等のことで精一杯で三年経った今、実家に返されてしまった。両親は


「何言ってるの、久しぶりに会えて嬉しいし、ここはあなたの家なんだから」

「そうだぞ。それにエーナが、家を離れている間に稼ぎも少し戻って治療費が増えたんだ」

「そうよ、お母さんも元気になってきてるのよ」


(嘘だ)

お父さんもお母さんも笑顔でそう言ったが把握魔法を使わなくても嘘だと分かった。いや、確かに少しは良くなっている。けど、本当に少しだ。何かの拍子ですぐに戻ってしまうことだってある。私は家から出た後に手に入れた鑑定という魔法を使ってみた。この事は両親にも言っていない。すると、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



体調:非常に悪い

治療方:高ランク、高レベルの回復魔法と薬による治療

禁止事項:過度な運動

効果的行動:軽い散歩、清潔を保つ



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(軽い運動は良いみたい、でも、何て伝えよう?本でみたことにしようかな)


「ねぇ、お父さん、お母さん」

「どうしたんだ?」

「家から出ているときに本で調べたんだけど、軽い散歩とかは体に良いみたいだよ?」

「へぇ、そうなのか?だから、母さんはちょっと歩きたいとか言ってたのか?」

「いえ、知らなかったわ。ただ何となく歩きたいなと思っただけよ。体に良いみたいなら久しぶりに三人で散歩してみない?」

「そうだな、無理そうならすぐにいうんだぞ」

「分かってますよ」


そうしてかなり久しぶりの三人での散歩に出た。そして、そこでデール商人と出会った。町を散歩しているとふと薬屋が目に留まった。丁度、薬を調達していたところだった。そして、何気なく使った鑑定魔法に『毒入りの薬』と言うものを見つけた。見つけてしまった。両親に一言伝えて薬屋の近くに行き販売人が遠くに言ったことを確認してデール商人に毒薬の話をした。すぐには信じてもらえなかったがステータスを鑑定だけ見えるようにし見せた。そして、実験用の小型モンスターに与えたところ苦しみだして最後には死んだ。私はその商人に感謝され、うちで欲しいと言われた。鑑定はかなり珍しい魔法のようで誰もが、特に商人は欲しがるらしい。両親が近くにやって来たときに商人にその話をされた。鑑定が使えることを知らなかったのでその事を伝えられた瞬間また、顔を少し歪めた。両親は一度は断ってその日は家に帰ったが、後日その商人は再びやって来てお金の話を持ち出した。


「奥さん、かなり重い病気を患っているそうですね。その治療費と交換というのはどうでしょうか?」


と、言った。そして、話は今に戻る。

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