4日目 三人ぐらしが始まります
守敷香苗さんが、私の部屋に来て、こう言った
「先輩、吸血鬼と、何か、関係があるんですか」
と今、ここいる、その、守敷香苗さんが…
そんな空気の中、私は理解に追いつかず、ただただ立っている
「先輩? どうかしましたか、そんな、何かがばれてしまった、というような顔をして」
え、そんな顔を! なんて思って、顔に手を当てる
「当たってましたね!」
「ち、違うからね! 断じて」
直ぐに否定はしたものの、絶対ばれている
少し、変な汗をかいている
守敷さんを見てみると、私の方に、何かを、探っているかのように、上目遣いで見ている
ああ、誰か、助けて~…
「私が苺花さんを助けて上げます」
心を読まれていた!? 吸血鬼ちゃんは、影から姿を現した
その、吸血鬼ちゃんの髪や肌、目の輝き、美しい、とだけでは、どれも表せない
それを直接見た守敷さんは、洗脳されたかのように、目の輝きは薄い
それに、守敷さんは、吸血鬼ちゃんに手を伸ばしている
私が吸血鬼ちゃんと、初めて会った時のように
「あの、な、何故、私に近づいて来るんです!?」
吸血鬼ちゃんは、一歩下がって、構えている、それも、格闘技のように
一方、守敷さんは、完全に聞こえていない、私もこんな感じだったのかな
それにしても、この洗脳みたいなのは、吸血鬼ちゃんの吸血鬼としての能力かな
「や、止めましょう」
当然、守敷さんには、聞こえはしていない、そのまま、吸血鬼ちゃんに近づいていく
「な、何故、近づいてく…」
吸血鬼ちゃんは、後ろにあった壁にぶつかってしまい、もう後ろに下がれない
「ひゃー、ねえ、もう止めましょう、ね、ね…てっまだ近づいてくるんですが!?」
守敷さんが、吸血鬼ちゃんの後ろの壁に手を置く、まさに、壁ドン
「苺花さん! 助けて下さ~い」
助けを求められたけど、もうちょっと、見ておこう
「ちょっ、苺花さん!」
私は、吸血鬼ちゃんに親指を立てた、頑張れ、的な意味で
すると、守敷さんは、両手で吸血鬼ちゃんの頬を持って、自分に近づけている
「みょう、むう、うぐぐ」
頬をつかまれて、私には、何を言っているのか、分からない
もうそろそろ、終わりにさせる
守敷さんの頭を、軽~く、本当に軽~く、叩く
叩いて、もし音が鳴るのなら、ポンッ、くらいで、軽く叩く
「痛っ」
守敷さんが、やっと声をもらしたな、的な具合で見ておく
でも、まだ、守敷さんは吸血鬼ちゃんの頬をつかんでいる
「みょう、みゃみゃみみゅみゃみゃみ」
? 私には吸血鬼ちゃんが “み” と、しか言ってないように、思えるのですが…
…いや~、本当に何て言ったの!?
守敷さんが、吸血鬼ちゃんに気づいて、まじまじと見つめる
「何ですか! この子、すごく可愛いですよ~!!」
さっきとテンションが、全然違う、洗脳みたいなのは消えたみたい
しかも、頬を合わせに行ってる、何、この子、こんな感じなんだ~、へ~
「うわ~、先輩、先輩、この子、肌も柔らかいですよ」
二人を見ていると、何だか、小動物を見つめる感じに似てる
でも、吸血鬼ちゃんは、物凄く嫌がっている
よく見ると、ちょっとずつ影に入っている
7秒後ぐらいで一気に影に入った、途端に守敷さんは、壁にぶつかりそうになっていた
それを、なんとか手で防いだ
「あれ? ん、んん?」
辺りを見渡す、当然、影に入った為、いるわけはない
しかし、守敷さんはそれを知らない
今、守敷さんは、現状を理解出来てない、まあ、当然だけど
「先輩、さっきの子は、何処に…」
自分の大切な物が無くなったくらい、落ち込んでいる
「そこにいると思うよ」
そう、何もない場所を指した
守敷さんは、私の方を見ている、それも 「大丈夫ですか?」 と言いたそうに
「大丈夫ですか?」
あっ!? 本当に言った、思った通り
でも、ちょっと、話を変えよう
「言ってなかったけど、あの子、吸血鬼なんだよ~…」
あれ? これって、言っても良いのかな…?
「えぇ!? きゅっ、吸血鬼!?」
今の時間帯が、どのくらいかは、初めの方を見れば分かる
今、朝、それも、みんなが起きている時間
それで、こんな大声を聞いて、出てこない人は、ほとんどいないはず…
それなのに、予想は大きく外れた
私は、予想をしていた為、すぐに、守敷さんの口を塞いだというのに
意味、無かったの~!
まあ、それは置いておいて、守敷さんから手を離す
「もう、先輩、何するんですか~! びっくりしましたよ!!」
わざとらしい、びっくり、の仕方だな~
なんて、思っておく
「それにしても、吸血鬼、なんですね」
そうだった、初めに守敷さんが言ってたこと、完全に忘れてた
「うん…そ、そうだね」
ぎこちなく、言ってしまった、どうしてだろうか、自分でも分からない
「実感、無いですね…あははは……」
苦笑いをした、薄ら笑いだ、若干心に刺さった気がする
ついつい、私も苦笑いをしてしまった
「あはは……」
しばらく続いた。
「守敷さんと姫海さん、ちょっと良いかな」
私達に話しかけたのはこのアパートの大家さんだ
「はい」
少し、疑問系で答える、大家さんに、呼ばれるような心当たりが無い
「実はね、私の親戚が、こっちに引っ越す事になったの
悪いとは思うけど、守敷さんと姫海さん、二人一緒の部屋にしても言いかな」
「何で私達が同じ部屋に? まだ空きはありますよね」
「空きはあるんだけど、今、住居者候補で埋まってて」
「そう言う事なら、分かりました」
「え、良いの?」
「はい、お世話になっていますから」
「ありがとうね」
話に守敷さんが入って来なかった、すぐに終わってしまったからだと思う
まあ、守敷さんも大丈夫だろうね
「守敷さんも、大丈夫?」
「は、はい!」
そうして、私達の三人ぐらしが始まります
投稿…えーと、朝の、6:00か7:30です。
では、今回は三人ぐらしの始めの辺りです
次話から、学校と三人ぐらしです
\(°∀°)/「や~♪」




