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吸血鬼ちゃんの日常  作者: 夢宮 瑳菓羅
2/16

1日目 吸血鬼ちゃんの名前とにぎやかな夕食

 まるでアニメからか、飛び出してきたかのような

女の子が、気を失っていたのは一目で分かった

苦しそうになっていたからだった


私は、その女の子を、お姫様だっこ、のようにして、抱き上げて

ポケットに入れていた鍵を取りだし、扉を開ける

勢いよく開けた扉は、大きな音を立てた

しかし、私は、そんなことはお構いなしに、家の中に急ぐ

多少の汗を流しつつも、その女の子を、自分の家のソファーに、そっと乗せた

「よし、これで一安心かな」

安心しつつ、私は、部屋の床に、腰を下ろした

そして、汗を手で拭った

「でも、何だったんだろう、外から中に入ったら、急にこの子の顔色は良くなったし」

この、女の子に関しては、分からない事の方が多い

でも、それにしても、綺麗な髪の毛と肌…

そっと、私は、無意識の内に、女の子の顔に、手を伸ばしていた

意識が、段々と、遠退いて行くような…

「…あの」

幼く、透き通る様な声が、私の中に入ってきた

「は!」

その声のお陰で、意識が元に戻った

女の子の見ると、私に驚いている? ような、恐れているよう、に感じる

「あの、私を、ど、どうする、つもり、ですか、私、美味しく、無いです」

女の子の声は震えて、今にも泣き出しそうに目がうるうるしている

「大丈夫、私はあなたを食べたりしないから」

しっかりと、女の子の目を向いて、そう言った

「本当に?」

女の子も私の方を見て、首を横に傾けた

「うん、本当に」

にっこり、と笑った

そうすると、女の子もにっこりと笑って、上半身を起こした

「あ~、何だか安心したら、血が飲みたくなってきちゃった」

思いもしなかった言葉が、女の子の口から出てきて私は唖然とした

「…え?」

唖然としたまま女の子の顔を見る

もう一度、質問をしようとは、したけれど、言葉が出なかった

「どうか、しましたか?」

女の子は、まじまじと、私を見つめている

しかし、私はほとんど、頭に入ってこない、つまり、理解が出来ていない

少し、落ち着いて、考えた、そうして、浮かんだ結論は

この、女の子は、吸血鬼である

「あ…」

しっかりと、意識を持ちつつ、言葉を口にした

「あ?」

女の子は、又もや、疑問に思う

「あ、あなた、吸血鬼、なの」

区切り区切りの話し方に、なってしまったけど

これは、聞きたい、と思った

「な、何ぜ、分かったんです!?」

女の子は「はっ」と声をもらして

手を口に当てた、やってしまった、という顔にもなっている

「吸血鬼、なんだね」

「違います」

小声では、そう言ったけれど、私の方を向いていない

あからさまに、何かを隠しているな、と分かる程に

「吸血鬼なんだね」

「ち、違います」

「吸血…」

「だから、違いますって!」

私が言う前に、反対した

この子は、自分が、吸血鬼であることを、隠したいのかな?

少し変えて質問をしようと思う

「じゃあ、あなたの、好きな色は?」

「赤!」

即答した、やっぱり吸血鬼だ! と思い返す

「何で、赤が好きなの?」

「血の色みたい…で……」

女の子は、自分の言っていることが、分かった

もう、何を言っても、自分が、吸血鬼であることを、隠せない、と悟っても、いるだろう

「私、私、吸血鬼じゃ、無くて…」

涙ながらに、そう訴えた

両目からは、結構な量、涙を流している

うるうる、としたその目を見て、少し可愛そうになってきた

でも、どうすれば良いの!

ふと、思い出した、私が泣いたとき、お母さんはこうしてくれた

私は、女の子に手を伸ばしていた、そうして、両手で、ぎゅっと抱いた

その女の子が、安心できるように

「しゃっ、あ…な、に…え、は…あ」

私に抱きつかれて、女の子は、あたふたと、してしまっている

少し離して女の子の方を見る

「嫌、だった、かな」

「嫌、じゃ、無い、です」

恥ずかしいのか、顔を赤くしながらも、素直に答えた

ああ、愛らしい、なんて、可愛いんだろうか

そう思っていると、女の子の方から、私に倒れて来た

「もう少し、このままが、良い、です」

私は、女の子を、もう一度、ぎゅっと抱いた

「私も、そう思う」

それから、三分経ったくらいで、女の子は、眠ってしまった

「よし、料理作ろうかな」

抱いているこの子を、そままソファーで寝かせておいて、私は台所に行く

ずっと、片手で持っていた食材を置き、着々と、準備を進めていく

気がつくと、もう10時を回っていた

どうしよう、まあ、とりあえず、作っておこうか

それから、料理が終わって、机にその料理を置いた頃に、女の子が目を覚ました

「あっ起きた、良く眠れた?」

「はい、お陰で良く眠れました」

目をこすりつつ、手を上に伸ばして、体を起こした

ふと、思った、なので、質問をしよう思う

「あなた、名前は?」

「私、ですか?」

「そうだけど」

女の子は下を向いたまま、黙ってしまった、どうしたんだろう

顔を上げた、けれど、困った顔をしている

「私に、名前はありません」

思いもよらず、考え込む、名前が、無い?

「何で、名前が無いの?」

「私、今まで、ずっとひとりぼっちで、名前を付けてもらって無いんです」

吸血鬼も、苦労をしているのが分かる、それならば

「私が、名前を付けてあげる」

「本当に!」

子供のように、目を輝かせて言った

しかし、そう簡単には、思い付かない、うーん、悩みに悩んだ結果

「吸血鬼ちゃん、ていうのはどうかな?」

吸血鬼の女の子で、吸血鬼ちゃん、という名前にしてみたけど、どうだろう

「ありがとう!!」

どうやら、気に入ってもらえた、つい、私も嬉しくなる

「あなたの名前も聞かせて」

無邪気になるところもあるんだな、と思う

「私の名前は、姫海苺花」

「苺花さん、ですね」

「ご飯は食べられる?」

「ご飯、ですか…」

あ、もしかしたら、食べれないとか

吸血鬼ちゃんの目に涙が浮かんだ

「ありがとうございます、ここまでしていただいて」

よっぽど嬉しいんだろう

「良いんだよ、このくらい」

私にっこり笑うと、吸血鬼ちゃんも、にっこり笑った

その後、私は、いつもより、少しにぎやかな夕食を迎えた

吸血鬼ちゃんの名前とにぎやかになった今回の姫海苺花さんの夕食

次話、結構がんばります!

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