12.5日目 残酷な過去 (後)
「恐怖に飲み込まれ続け、完全に自分を見失いました
そこに見えたのはただただ暗い闇の中で、渦巻き続ける血が飲みたく飲みたく仕方がない感情と誰も傷つけたくはないという感情の、この矛盾した感情があり、私はそれがとても怖くて、震えが止まりませんでした
震え続け、もう人を見るのが怖くなって、心の中でも自分自身でも泣き叫びました
その時、街の方から足音が聞こえました
その足音は急にぴったりと止まり、その後鈍い水の音が聞こえました
「これ…どうしたの……?」
その声はアリサでした、そのアリサの声を聞き、私は安心と不安がつのりました
アリサも傍と同じように私に冷たくなってしまうんじゃないかと、私から離れて行くんじゃないかと
私は震えたアリサの声にこのような事を思いました
「ねえ、これ…どうしたの…ねえ、答えて…何なの…これ……」
先ほどよりも声は冷たくなっていました
「…………」
急に音が途絶え、ほとんど何も聞こえなくなりました
私は目を閉じました、その時の光景や音からも何もかもから遠ざかりたかったからでした
その後、目も塞ぎ、耳も閉じて体をすくめました
体が暗い染まって行くのが感じていましたが、それでも良いとその時は思ってしまいました
暗く、暗く染まって行き、そして完全に染まってしまう直前
私を暖かい何かが包みました
それは暖かく、暖かく、母親のような暖かさでした
肩に手を置いて、体を私に着けた、その人の手を私は上から手を乗せて、その人の方に向きました
そこにいたのはアリサでした
「あなたの名前、考えて来たの、聞いてくれる?」
そこで私は「うん」と静かに言うとアリサは「サリア」と優しい声で言いました
私は、そんな名前に嫌がりつつも、そのアリサの優しさに涙を流し微笑みました
「サリア、もう怯えなくていいよ、私は、私だけはサリアの味方でいるよ」
「味方?」
私はそうアリサに訪ねました
「これを、やったのはサリアだけど、それは本意じゃ無かったんでしょ?
なら、話は簡単、サリア、あはたは何も悪くない、今回は不幸な事故だっただけ」
その事に私はまだ理解は出来ていないものの、アリサの言葉の圧力に圧倒され、「はい」と答えました
※
その後、私はアリサにこれまでに起きた出来事や、自分がみんなとは違うんじゃないかという不安感
それにこれからどうしたらいいのか、話し合いました
アリサは何も知らない私に「いろんな所に行こ」といい
しかし、私は街に行くのが怖くて「嫌!」と反発しましたがアリサはそんな事を気にせず私の頬に両手を当て、私の目を見て「嫌でも行くよ、サリア、あなたには私が着いているから、大丈夫」
その時、私は気がつきました、アリサには、何か引き寄せられる物があるのだと
そうして私はアリサの言われるがままに「うん」と答えました
その後、私はアリサが持って来た洋服に嫌がりつつも身を包み
そのコスプレのような服を見て「可愛い~♪」などという声を出していました
そんなアリサにあきれ果てそうになりもしました
アリサは洋服を着た私の手を取り、街の方に走りました
刻々と明かりが漏れていく街の方に目隠しのように手で光を隠し、辺り一面が光nなった時
目の前がキラキラと輝いたきがしました、今までの記憶は街がモノクロのように色がなかったのに、なぜかその時は光輝いていました
アリサにつられて来たこの街の風景は一生忘れ無いでしょう
街に来て、家具屋や洋服屋などが並ぶ街の大通りで、私はアリサと共にいろんなお店に行き、アリサと沢山の話し合いもしました
楽しく、過ぎていく時間がいとおしく感じていました
噴水のある街の中央区、ベンチに座り、にこやかにアリサと話をしていましたが…
兵の格好をした男が私達の前に立ち、いかにも私を睨み付けていました
そして、男は大きく息を飲み込み…
「この者は、我らの敵! あの忌まわしき吸血鬼だ!!」と、そう男は私の方に指をさし、大きく声を怒鳴りあげて言いました
その後、私に視線が集中しました、今まで賑やかだった街が、今まで色付いていた街が、その男の発した言葉で、一瞬にして前と同じようにモノクロになっていきました
私は逃げて行きたい気持ちで一杯でしたがアリサに言われた言葉を思い出し、なんとかとどまることができましたが、私はアリサの顔を見て、さとってしまいました
吸血鬼は、吸血鬼である私の居場所なんて、初めから、無かった、ということに
アリサも私を睨み付け、恐れてもいました
「サリア…あなた、吸血鬼だったの…」
その言葉で気付きました、この世界は、私を助けてはくれないんだと
その後、私は必死で逃げました、気を失うほどに
そうして私は苺花さんと廻り合いました
それで今にいたります……………」
吸血鬼ちゃんが話を終えると、私も守敷さんもなにも言い出す事が出来づに、おもい積めるだけだった
「ここは、この世界は、その私がいた、苺花さんに会う前の世界です」
「………」
「ありがとございました」
その言葉を出した後、吸血鬼ちゃんはその部屋から走って出ていってしまった、涙を流しながら…
「吸血鬼ちゃ……ん…」
私は吸血鬼ちゃんを引き留める前に吸血鬼ちゃんは出ていってしまった
その時、私は、『私が吸血鬼ちゃんを助けられるのか?』などと、そういう思いを持ってしまい、苦しくような変な感覚になっていきました
はい、どうも、夢宮瑳菓羅です。
そろそろこの【吸血鬼ちゃんの日常】も終盤にして行けそうです。
まあ、次回も~
ヨロシクオネガイシマス (^^ゞ